スキルだけでは不十分
昨年、「手書き・3分割で情報を整理する 3スプリットメモ術」を同文舘出版さんから出版させていただきました。
出版に至るまで、編集担当のTさんをはじめ、校正、デザイン、営業と多くの方にご指導いただきました。出版後の営業展開はもちろんですが、私が出版セミナーを開催するときも、研修や講座などでPRするときも、適切なアドバイスをいただいています。
出版から1年、本は出版してからがスタートだということを痛感しています。
出版したことがきっかけで、お仕事の発展にもつながりました。
編集担当のTさんから、同じ出版社から出版された方をご紹介いただいたのです。
「内容的にも、お相手の方も、大西さんにピッタリだと思います」
Tさんにご縁を繋いでいただいて、オンライン講座の登壇のお仕事を担当させていただくことになりました。
そのお仕事は、私のことを育ててもらったご恩返しに、何らかの形で貢献したいと思っていた物流関連のお仕事でした。
物流の2024年問題に対応するため、トラックドライバーさんの育成と地位向上を目指し、10月からオンライン講座がスタートしました。
私は来年2月に、「クレームの防止と対処」「事故・トラブル防止のための伝え方とコミュニケーション」の2つのテーマで登壇させていただく予定です。
そして、その登壇とは別に、来月、ドライバーさんの育成に力を入れて取り組まれている企業さんの事例紹介を、司会進行でお手伝いすることも決まりました。
今日の午前中は、企業のプレゼンターの方とのリハーサルを行いました。
1つの講座は50分の説明と10分の質疑応答で構成されています。
しかし、「説明したいことだけなら、15分程度で終わりそうです」と、事例を紹介される方がおっしゃったので、対談形式で進めることにしました。
「お話の中で私が、ここは、もう少し詳しく説明してほしいなと思ったところで、お声かけしますので、その説明をしていただきながら、内容を膨らませていきましょうか?」とご提案すると、
「いろいろ経験しているし、引き出しは多いので、振ってもらったら話せると思います!」とのこと。最初は、うまく話せるかな?と心配そうでしたが、そのご提案によって、楽しそうな表情に変わられました。
大切なポイントとその説明を話していただき、私がさらに詳しい説明をお願いすると、
「では、ここで、このことも説明すればいいですね」「説明する準備をしていましたが、ここでこの説明をすればいいんですね!」と、内容はさらに発展し、充実したものになっていきました。
そして、最後のポイント説明になったとき、
「この内容は、とても大切なのですが、具体的に説明しても、内容があまり膨らまないのです」とおっしゃったのです。
私はその説明をお聞きして
「運転については、その内容で十分だと思います。そこに、荷物を積んでいることについての説明を加えたらどうでしょう。
安全運転は、事故防止だけでなく、お客様の大切なお荷物を運ぶためにも必要だと思うのです。私も、配送センターで積み込み作業をするときは、荷崩れが起こらないように、取り出しやすいようにを心がけています」とご提案してみました。すると、
「そうでした!それは、本当に大切なことですよね!」とおっしゃって、その他にも大切なら内容が加わり、50分に収まるわかりやすく実践的な内容に仕上がりました。
Tさんにこのお仕事をご紹介いただいたときに、物流会社に勤務していたことや、今も配送センターで、仕分けと積み込みの仕事を行っていることが役に立つかもしれないと、嬉しく思っていました。
そして、今日、お話を伺いながら、内容を広げるお手伝いをして気づいたことがあります。
それは、単に「お話を聞きながら深掘りする」というだけでは不十分だということです。
同じ情景や状況、経験を共有していること、話し手がどのような目的でこのお話をしようと思われているかも、しっかり共有していることが大前提で、その上に、お話の聞き方や深掘りすることが求められるのだと思いました。
やり方ばかり磨いても、何のためにそれを行うのかが不明確だと、深堀した内容が活かされません。
お話していただく内容が50分に収まっただけでなく、受講されるドライバーさんにとっても、運行や運搬に重要なポイントをお伝えする内容になったのを嬉しく思いました。
終わった後は、お仕事のお話で盛り上がり、楽しいリハーサルの時間となりました。
担当の方も、以前、私が勤務している会社で、繁忙期に仕訳け作業をご経験されていたのです。
講座本番は、リラックスしてご登壇いただけるようしっかりサポートさせていただきたいと思っています。