新入社員の方からの問い
企業さんへ、請求書や見積書などを送る際、一筆箋のかわりに、自分で撮影した写真をポストカードにしてメッセージを添えています。
今は、アジサイの写真です。月1の研修を担当させてもらっているところは、担当の方がいつも楽しみにしてくださっています。
市販のポストカードに写真を印刷する際には、「マット仕上げ」タイプを使うと、色合いがくっきりした仕上がりになります。
そういえば、大学の写真部で、写真をプリントしているときも、「ILFORD社」の無光沢の印画紙が好きでした。でも、高いのでなかなか買えなかったことを思い出しました。
先日担当させていただいたメーカーさんの新入社員・2年目社員の方の研修のことを思い出しながら、研修の企画書を作成しているところです。
"学ぶ機会を欲しておられたんだろうな”と思えるほど、一生懸命取り組んでくださった様子が、今も目に浮かびます。
その中で、最初から最後まで、メモを取りながら一生懸命受講して下さった新入社員のNさん。
私の説明だけじゃなく、先輩や同期社員のコメントも、ノートにささっとまとめておられました。ビックリするほどメモ魔!
お昼休みに、「私の手帳見てみますか?」と声をかけると、大喜びで駆け寄ってこられて、休憩が終わるギリギリまで見てくださっていました。
これから営業アシスタントとしての仕事を担うNさんに、新入社員の頃の私が重なりました。
(私はもっとやんちゃで、要領の得ない社員でしたが…)
研修が終わったあとの面談で、研修の感想をお聞きすると、ノートをめくりながら、楽しそうに気づいたことやこれから取り組みたいことを話されていました。一緒に面談を受けてくださった2人の先輩たちも、Nさんの一生懸命さに刺激され「私たちも、レベルアップを目指します!!」とイキイキとした表情でおっしゃっていました。
面談の終わりに、「質問や感想は他にないですか?」と尋ねると、Nさんから「大西さんに質問をしていいですか?」という発言がありました。
「もちろん、何でもいいですよ!」と答えると、
「これだけは続けてきて良かった!と思うことはどんなことですか?」という問い。
Nさんらしい質問だなと思いました。
私は、Nさんに迷わず「実務です」と答えました。
同じ、営業アシスタントの仕事をしていて、私にとって日々の業務が財産になっているからです。
しかし、最初からそう思っていたわけではありませんでした。
毎日同じことの繰り返しでしたから、続けていればどんなに要領が悪い私でも、仕事のコツがつかめました。すると「こんなことを毎日続けて何になるんだろう?」という気持ちが湧きあがって来たのです。いわゆるマンネリ化です。
入社して3年経った頃、社命で、社内講師の仕事をすることになりました。それまで社内講師は本社人事部の女子社員が務めていたのです。でも、入社する女子社員は、ほぼ全員営業所に配属されるのです。そこで営業所の実務に詳しい社員も加わって、新入社員の指導(導入、フォロー、OJTなど)をすることになったのです。それが私の転機となりました。
「社内講師」という役割を担うことになったのはもちろんですが、それ以上に、日々の業務に、もっと丁寧に取り組もう!という気持ちが強くなりました。
社内講師を務めることで、クレームの電話、帳票と伝票の照合、窓口業務、発送業務という仕事をただこなしているだけの自分に気づいたのです。
一つ一つの仕事の先には、一人として同じお客様はいない!今さらのように、それに気づきました。
その後は、会社を退職するまで、毎日の業務を担当できるありがたさをかみしめながら、
・お客様に喜んでもらえるにはどうしたらいいか?
・お客様に商品が届かないことで、どんな支障が出てしまうだろう?
・赤字修正のハンコだらけの帳票が届いたら、"商品を粗雑に扱われてる”と思われてしまう。1件1件の入力からしっかり確認しながら行おう!
そんなことをずっと考えながら一生懸命取り組むようになりました。
社内講師を責任を持って務められたのは、研修や勉強会の機会を自分で作りだして経験を重ねたことも理由の一つです。
でも、実務に思いを込めて取り組んでいたことの方が、理由が大きかったかな?と思っています。
そして、あれから30年近くたっても、仕事の本質は変わっていません。自分自身が培ったスキルや知恵が、今の私を支えてくれていて、私にしか出来ない研修が出来るようになってきたのだと思っています。
Nさんは、私の答えを聞いた後「ありがとうございます!!私も、一つ一つの仕事に心込めて取り組んでいきます。大西さんのお話をずっと大切にします!」と満面の笑顔で応えてくださっていました。
Nさんだけでなく、参加してくださった皆さんは、自分の思いや考えや、不安そして抱負を、自分の言葉で語ってくださっていました。
何かを学ぶことはスタートラインに過ぎません。学んだことを自分がこれからどう活用していこうか?を考え共有し合った時間だったから、みんなの表情はキラキラ輝いていたのだと思っています。
そんな機会と時間を、これからも増やしていきたいと考えています。
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