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スター

 若いアーティストの応援をしていた頃、私は彼らにスポットライトを当てることが仕事だと思っていた。
 その思いは今でも変わってはいないが、あるとき、夜空の星を見上げながら思ったことがあった。

 ちょっとまったぁー

 何?

 おかしなこというたらあかん

 おかしなことなんていってないけど。

 いうとる「夜空の星を見上げながら」って

 私だって、星を見上げることはある。

 何でや

 えっ、質問の意図がわからない。

 せやから、何で星を見上げたんや

 溢れ出る涙をこぼさないように見上げた。

 なんかやらかしたんか

 悠久の時に思いを巡らせて見上げた。

 ハラへっとんたんか、まぁええ、続きは


 あの星たちは自分で輝いているんだなと。スターとは七色のカクテルライトを浴びなくても燦然と輝いている。そんなことを思った。

 七色のカクテルライトって、昭和か

 当時は七色のカクテルライトなんて思わなかったが、今書きながら付け足してみた。蛇足だったか。

 で?

 話の趣旨は、
 
 スターって、きっと勝手に輝いているんだろうなということ。物理的には真っ暗な舞台で一人で立っていても、誰にも見えないだろうが、きっとスターなら、その存在は感じるのではないのだろうか。と、そんなことを思った。

 もうひとつ、スターの周りにいると、照らされて光っているだけなのに、自分が輝いていると勘違いする連中も、たくさんいることも知っている。

 どんな世界や業界でも、同じようなことはある。我が身を振り返ると、そういう錯覚に陥ることが過去にはあった。

 昨日の夜、星を見上げながら、そんな昔を思い出したので、忘れないように書いておく。

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