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【本の感想】『推しの素晴らしさを語りたいのにやばい!しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術』
今回、紹介する本は三宅香帆さんが書いた『推しの素晴らしさを語りたいのにやばい!しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術』です。
あらすじ
推し語りしたい人の必読書!
あなたに「推し」はいますか?
応援しているアイドル、声優、バンド、YouTuber。
お気に入りのアニメ、漫画、本。
大好きな舞台、コンサート、ライブ。
あるいは、スポーツや釣りなどの趣味も、推しに入るかもしれません。
本書は、アイドルと宝塚をこよなく愛する著者が、書評家として長年培ってきた文章技術を「推し語り」に役立つようにまとめあげた1冊です。
SNS発信、ブログやファンレター、友人とのおしゃべり、音声配信などの発信方法ごとに、推しの魅力を伝える技術を伝えます。
推しを語るためには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。
必要なのは、自分の感想を言葉にする「ちょっとしたコツ」だけ。
そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で推しの素晴らしさを語れるようになるのです。
ここでは特別に、少しだけそのコツをお教えします!
コツ① 自分の感情を一番大切にする
コツ② 妄想をこねくり回して、感想を生みだす
コツ③ よかったところを細分化するだけでも、あなただけの言葉になる
これって一体、どういうことなんでしょう…?
本書では、特別な技術や才能がなくても、「推しが大好きだー!」という気持ちさえあれば、誰でも語れるように説明しています。
さぁ、推しを語る準備、できていますか?
本の感想
推しのことを語りたいのに「すごい」「やばい」しか出てこないことが多い。
もっと推しの良さを知っているはずなのにありきたりな言葉しか出てこなくてもどかしい思いをしていた。
もっと自分の言葉で語りたいけれど、語彙力がないから諦めていた人もいるはず。
でも、この本を読んで読書量が語彙力の多さが決めるものではないと分かった。
私自身、SNSを使って本の感想をあげている。
その本を読んでどう思ったか、書こうと思ったときによくあるのが他の人はどういう感想をあげているのだろうかと思ってしまうことだ。
自分の中でどういう言葉にしようか定まっていない中で、他人の感想を読み、思いっきり影響を受けてしまう。
もっと違う表現があったと思うのだが、他人の言葉が強く残ってしまい、その言葉しか思いつかなくなるのだ。
本書で、SNSなどで感想をあげる前に他人の感想を読まないことと書かれていたのを読み、すごく納得したところだ。
人は強い言葉に影響されやすいということも身をもって体感している。
感想をあげる前にどうしても自分の言葉に自信を持てないでいるためだと思う。
他の人も自分と同じような意見なのかなと安心させる意味で、今まで感想をあげる前に読んでいた。
そこから自分の言葉から遠のいていたのだなと気づかせてもらった。
今までの体験したこと、思い出の引き出しを引っ張りだして、感想を書くように努めるようにしている。
なかなか難しいけれど、投げ散らかした記憶の引き出しを自分なりに整理しているかと思うと、楽しい作業だと思う。
こうやって「自分」だけの言葉を増やしていきたい。
印象に残った言葉
ありきたりなシチュエーション。ありきたりな台詞。ありきたりな言葉。それらをフランス語で「クリシェ」と呼びます。
文章の核が、「自分だけの感情」だとすれば、その核を包むものとして「文章の工夫」がなければ、他人には伝わりません。
「よかった」理由について、昔見たものや昔好きだった推しを引っ張りだしつつ、自分の妄想を広げていく。そんなイメージで考えるほうが、感想のネタはでてきやすいのです。
冷静に自分の好みを言語化することで、自分についての理解も深まる。それでいて、他者について語っているのだから、自分じゃない他者にもベクトルが向いている
いいときもよくないときも、なにか自分の感情が大きく動くような事態に対して、私たちは「やばい」を使う。あれは古語の「あはれなり」とまったく同じ意味なんです。
「好き」の言語化が溜まってゆく。それは気づけば、丸ごと自分の価値観や人生になっている
自分がまだもやもやとした「好き」しか抱えていないとき、ほかの人がはっきりした強い言葉を使っていると、私たちはなぜか強い言葉に寄っていくようにできています。
具体的に言うと、「SNSやインターネットで自分の推しについての感想を見るのは、自分の感想を書き終わってから!!」
他人の言葉を拝借するんじゃなくて、自分の言葉をつくりだす。その姿勢が、あなたの、自分自身への「好き」への信頼を生みだす。
①よかった箇所の具体例を挙げる
②感情を言語化する
③忘れないようにメモをする
「共感」とは、自分も同じような体験や感情を知っていて、それをぴったりくる言葉にしてもらったことへの快感です。
「××(要素)が、〇〇(感情)だったこと、なぜなら△△(原因)だから。」
何度も理想の文章を読んでいると、その文章のテンポや言葉の使い方が、なんとなく自分の体に沁み込んでくる感じがします。
書いてから少しだけタイムラグを置いて修正すると、客観的に「ここはわかりづらい」など、修正する点が見つかりやすくなります。
最後に
自分だけの推しを語る方法が書かれている中、プロの文章を読むこともよいと書かれていた。
自分の理想とする文章に触れて、その理想像に近づくための方法だ。
その紹介された文章の中で三浦しをんさんのエッセイ『好きになってしまった』が紹介されている。
あるコンサートでの出来事がこの本で抜粋されて紹介されていた。
その文章を読んで、その情景が簡単に想像することができたのだ。
コロナ禍でのコンサートの様子が描かれており、ファンの声にならぬ声が想像できた。
難しい言葉は使っていないのに、分かりやすい。
こういう文章が書けたらいいと強く思った。
実際にこの本を手に取って読んでみたいとも思った。
こうやって、自分の理想の文章に触れていって、自分自身の引き出しを広げていけたらと思う。
言葉に出合うのが楽しみになった。
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