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【簡略議事録DAY2】ダンサー向けトークイベント「神楽坂ダンチ」1回目を開催しました。

神楽坂ダンチの概要(主旨・開催背景・1回目の概要・参加者の反応など)

○―神楽坂ダンチ とは?―○
それぞれの部屋があり、かつ集合住宅である日本の文化〝 団地 〟と〝ダンス〟をかけて、『 ダンチ 』。
自分の部屋(=自分のダンス)にいながらそこでの生き方暮らし方、ときには外に出かけてみることを考えます。
花屋で自分で選んだ花を買って部屋に飾るように、外の世界をみて好きだと思ったものを持ち帰り 自分のダンスがもっと生きる可能性を探して〝やってみる〟。
そんな場所、『神楽坂ダンチ』。

◾️主旨〜神楽坂ダンチとは?〜
~ダンス×○○=自分のダンスが生きる方法を探し・ヒントを得る場所。
できないではなく、できる方法をでみんなで考える場所。~
2日間、ダンサー向けトークイベントやワークショップを開催。
情報共有やナレッジシェアの場を作ることで、ダンス業界ひいては舞台業界のボトムアップを目指しています。

◾️開催背景
助成金等の施策が年々減っていく中、多くのアーティスト自身が活動を続けていくためには大きく2つのことが必要だと考えています。
1・アーティスト自身がアーティストだけではなく、他の強みを持つこと、ある程度マルチにできること(アーティストに限らず現代はその傾向にある)
2・ダンスに触れる客層(=パイ)を増やすために、観客を育てること

この神楽坂ダンチは1のアーティスト施策によったもので、
ダンサーによるダンサー向けの学びと出会いの場所です。
※ダンサー向けですが、ダンス・舞台業界やアート業界に限らず、その他業界の方でもイベント自体やトーク内容に興味持っていただけたら自由にご参加いただけます。多くの方と交流し面白いことが起きればと思っています!

◾️1回目の開催日時
2019.05.25(土)
2019.05.26(日)

◾️参加人数・満足度・参加者属性
・参加人数:のべ74名
・満足度:参加者88%が「満足」「また参加したい」と回答
・参加者:コンテンポラリーダンサー、バレエ、社交ダンス
広告、デザイナーなど幅広いお客さまが来場してくださいました。

・参加者の声(アンケートより) :一部抜粋

「どうしても同じ・近しい関係者からの話しか聞けないので、別の業界で働く方の話が聞けて楽しかった。」
「なかなか普段は聞けない話題(お金の話など)を聞けて今後の参考になった。」
「参加者だけでなく、ゲストとして話していた方々とも直接知り合える場になっていた。」
「普段疑問に思っていた、モヤモヤしていたことが解決した。」
 「今必要な情報が有りました。いろんな可能性を考えていきたい。」

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(イベントの様子)
↓1回目のイベント概要https://dancesento.themedia.jp/pages/2819076/page_201904271349



DAY2の内容:トークテーマ・出演者・トピックスについて

M号棟 【 メディア棟 】
〜ダンスの広告の仕方・ディレクターやメディアから見るダンス。外の業界から自分の部屋(ダンス)を覗いてみます。〜
DAY2では、3テーマ、計7名の方が登壇してくださいました。

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①-アートフェス・イベントプロデューサーの部屋-
【アートフェスやイベントに参加したい!その仕掛け人たちに聞く!〜どんな仕事?誘いたいダンサーとは?〜】
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101号室 住吉智恵(アートプロデューサー)
102号室 宮久保真紀(Dance New Air チーフプロデューサー)
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②-体感型!動画ダンチWS-
【動画メディア、うまく活用できてる?バズる動画はどうやって作られる⁉
劇場やイベントに足を運んでもらうための動画を作ろう】
ーーーー
201号室 菊川諒人 (オースタンス代表)
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③- 舞台成功のキー 制作の部屋 -
【知ってるようで知らない!
舞台を観てもらうための大切なお仕事〝制作〟を徹底解剖】
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301号室 中川歩美 (元公立劇場制作)
302号室 古賀剛(コンドルズメンバー、IT企業社長、goen°ビジネスプロデューサー)
303号室 阿部 晃久(ダンス・パフォーミングアーツ制作/元芸劇制作・国際企画制作など)
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【簡略議事録】①-アートフェス・イベントプロデューサーの部屋-(住吉・宮久保)

【アートフェスやイベントに参加したい!その仕掛け人たちに聞く!〜どんな仕事?誘いたいダンサーとは?〜】
登壇者情報詳細URL:https://dancesento.themedia.jp/posts/6222740
●当日のトピックス
・今の活動について
・なぜ、パフォーミングアーツに注目して仕事をしているのか
・パフォーミングアーツ、ダンスは今後どんな可能性が秘めてると思うか
・普段どれくらいのパフォーマンスや、舞台を見ているか
・プロデューサー業、どんな時にやりがいを感じるか。または醍醐味とは
・どんなダンサーやカンパニーと一緒に仕事がしたいと思うか
・ダンサーへアドバイス、知ってほしいことなど
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101号室 住吉智恵(アートプロデューサー)
102号室 宮久保真紀(Dance New Air チーフプロデューサー)
※上記順番に議事録記載
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一部抜粋簡略議事録

▽201号室 住吉智恵
職業:アートプロデューサー
現代美術のジャーナリススト、ライター、編集、キュレーター

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◾️住吉さんの代表企画「ダンス保育園」
様々な取り組みを多方面でされているのでいくつをご紹介。
➡︎TRAUMARIS(トラウマリス)というアートスペース兼カフェを約12年間経営し、
そこのスペースで展覧会や、アーティストやダンサー・役者など
パフォーミングアーツの方を結びつけるようなイベントを毎週のように開催してきた。
[例:震災の後、電力の関係でパフォーミングアーツのイベント等が中止になった時だからこそ、
ポールダンサーがポールを回転することで発電する電力を使い、安定しない電力の中で照明を灯し、曲をかけ、その中でパフォーマンスをする。]

➡︎ダンサーと観客が子育て中でも、ダンスをやること、見ることを諦めないことに焦点を当ててスタートした「ダンス保育園」のプロデュース。
資金面の調達などももちろん行う。
きっかけは、長らく一緒に仕事をしてきたダンサーが出産・育児で引退をしないといけない現状をなんとかしたいという想い。
子供にとっても安全な場所でショーイングワークショップを一緒にできないかというのが発端。

◾️プログラムディレクターのお仕事(ダンサーへのアドバイス)
DanceNewAirのプログラムディレクターとして、イベントプログラム内の一部をプロデュース。
➡︎ダンサーを選ぶときはそのイベントやその場所に合うだろう人やチームを選ぶ。
➡︎アーティスト自身の自分の良さやキャラクター強みを大げさなくらい出していったほうが、企画でダンサーを呼び際に演出したいイメージや発想に結びつきすくなる可能性は高い。
➡︎先ずはアーティストの活動を見ないとわからない。
ポートフォリオなど、自分のステイトメントが入ったものを持っていると良い
持ち歩いていると良い
➡︎ダンサーのお仕事に限らず、信頼できる方と仕事がしたい。だからこそ、自分たちもできるところから実績を作っていって信頼を積んでいくことが大事。実績は信頼にもつながる。

◾️アートシーンを横断する住吉さんが見る、ダンスの可能性
震災の後、身体表現の持つ底力を求められてきていると感じます。
芸術はいろんな分野があるけど、身体表現はその場で空気を作れるのが強み。
➡︎たった一人のダンサーが作るわけではなく、みんなで作り上げるのが面白い
➡︎同じ振付けをやろうという時代は終わった
いわゆるダンスの現場だけではないところでパフォーマンスが起こるようになるし、起こして行きたい。
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▽202号室宮久保 真紀
職業:Dance New Air チーフプロデューサー

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◾️プロデューサーの仕事
宮久保さんの場合は、制作もしているし、お金を集める、協賛活動、場所探しも全部行っている。
➡︎まずは企画を知ってもらう
企画を知ってもらう扉はこっちから叩いて行ったほうが良い。誰に話すかは大事だからツテは使って扉を叩くようにはしている。
➡︎開催場所は地道に交渉。
長く交渉がかかることもあるが、
青山エリアでダンスの可能性が広げられそうなところにアプローチしている。
➡︎協力・協賛いただく企業にメリットが生じるように提案も。
[ex:THREEスリーが5周年の際
イベントでお祝いに小さなワークショップを開催し、その参加者などにはクーポンやキッドを作ってお店への導線も作った、など]

◾️宮久保さんの代表企画《Dance New Air》
スパイラルと同じ年に建てられて青山劇場は2015年に取り壊され、そこで開催していたダンストリエンナーレを受け継いだイベントがDance New Air。
2年に1回開催。
➡︎去年は黒田育世さんの作品に菅原小春さんが出演するなど、有名キャスト勢の出演でかなり話題に。
➡︎海外からも毎回招聘。
最近では日本人が海外に行ったり、共同作業したりすることも増えたので
日本人が気づかない視点を持っている人を海外から呼んでいきたい。

◾️フェスティバルの造り方
フェスティバルの時はその年のテーマを決めてプログラムを決めていく
➡︎出演者決定の仕方
あの作品を紹介したい、一緒に仕事したいアーティストをリストにしている
テーマに合わせてあとからきまっていくことも多い
➡︎フェスのテーマなどは、その少し先にテーマになりそうなものに合わせていく
➡︎作品を通して普段気にしないことに気づけるきっかけを作る
➡︎また他のイベントなども時間がある限りは地方へも足を運んでみにいく。作品なども合わせると年間150本くらい観る。
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【簡略議事録】②-体感型!動画ダンチWS-(菊川・田湯

テーマ:
【動画メディア、うまく活用できてる?バズる動画はどうやって作られる⁉
劇場やイベントに足を運んでもらうための動画を作ろう】
登壇者情報詳細URL:https://dancesento.themedia.jp/posts/6222799
●当日のトピックス
・会社説明 10分
・サービス説明・動画のトレンドなど 20分
・ワークショップ 40分
-企画 20分(絵コンテ書く)
-撮影 20分
-みんなで見てフィードバック10分
・質疑応答 20分 ※自由
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201号室 菊川諒人 (オースタンス代表)
    田湯由華 (オースタンス社員)
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一部抜粋簡略議事録

▽201号室 菊川涼人
職業:㈱オースタンス代表取締役

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◼️株式会社オースタンスとは
きっかけはダンサーの友人がダンスだけで生活ができず月収7万ぐらいだったこと。
フラッシュモブを仕事にして、法人化。
『私の好きが世界を動かす』
『感動を生きる力に』がモットー

◼️代表企画
▪︎シニアモンスターズ
おばあちゃんダンサーズがヒップホップやラップに合わせて踊りシニア層を奮起させる映像を撮影。
youtubeに投稿したところブルーノマーズがフォローしてバズル。
その後もシニアエンターテイメント集団としてメディアでも活躍する。
▪︎レターソング({サービス}年間1000曲、手紙書いたら歌になるサービス。

◼️ファンをつくる重要性
ファン=自分を応援してくれる人(家族含む)
応援してくてれる人数×質(熱量)

『何で』稼ぎたいかによる
お金の稼ぎ方

企業からの給与
CM振付、イベント、キャスティング  ⇒量

個人からの給与
レッスン、物販、投げ銭   ⇒質

◾️WS ファンを作ろう→【TikTokでファンをつくる方法】

《TIKTOK》
田湯 由華 
(株)オースタンス社員 4兄弟の末っ子 25歳ヒップホップ、タップ、コンテを踊る。
TikTok 3か月で2万人フォロワーが増えた

キャラ設定 :わかりやすさ、親近感
ストーリー性:15秒飽きさせない
映像映え:明るさ+色(背景・服)
使用曲:流行曲
バリエーション:ファンを飽きさせない

※カメラアングル工夫、曲、ワンカット手法、
踊る人も動き、背景も変えていく。

ワークショップの進め方
1アカウントをつくろう
2絵コンテを書こう
 (4コマ漫画風で起承転結。)
3撮影をしよう
4みんなで見てみよう
(TikTok)

➡︎他、ファンをつけるポイントを徹底講義していただきました!
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【簡略議事録】③- 舞台成功のキー 制作の部屋 -(中川・古賀・阿部)

テーマ:【知ってるようで知らない!
舞台を観てもらうための大切なお仕事〝制作〟を徹底解剖】

登壇者詳細プロフィールURL:https://dancesento.themedia.jp/posts/6222779
●当日のトピックス
・制作とは
・現状の課題について
・うまく制作が機能しているカンパニーや劇団はどこか
・制作を頼む時にダンサー側に気をつけてほしいこと
・通る助成金の書き方とは
・プロジェクトをどうまとめるのか
・制作のやりがいとは?または、制作の可能性について
・その他
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301号室 中川歩美 (元公立劇場制作)
302号室 古賀剛(コンドルズメンバー、IT企業社長、goen°ビジネスプロデューサー)
303号室 阿部 晃久(ダンス・パフォーミングアーツ制作/元芸劇制作・国際企画制作など)
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当日は2時間に及ぶトークセッションで
参加者からも質問が多く飛び交いとても、学びが多い時間でした。

※他の部屋(トークテーマ)とは違い
各部屋ごとにまとめた議事録ではなく、登壇いただいた3名の意見を総括して議事録を抜粋して記載。

◾️紹介
▼301号室 中川歩

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劇場付き制作を長年やってきて、多くの劇団やダンスカンパニーを受け入れてきた。また助成支援する側の東京アーツカンシルや港区、目黒区の助成にも関わり、逆に助成申請する方も仕事柄多くやってきた。
現在は劇場を辞め、一般企業で営業職として働きつつ、
ブッシュマンの制作もしている。

▼302号室 古賀剛

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若い頃はダンサーとして活動をしていて、ロンドンにあるラバンダンスセンターでラ舞踊で専攻。舞踊社会学=舞踊のための学問を勉強。
帰国後SAPCで踊り始めるとともに、コンドルズもスタート。
30歳頃、諸事情あり、ダンスを辞め社会人になる。45歳までに社長になると決めそこから猛勉強・働いた結果、42歳で成し遂げる。
サラリーマン時代にコンドルズ近藤さんから声がかかり改めて踊り始めた。
今は、社長業の他に、デザイナーと一緒に会社をやったり、その他のあたらしいプロジェクトに関わったりとパラレル活動中。

▼303号室 阿部晃久

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ピアノで音楽家を目指し18歳で渡米するも挫折を経験。
自分が演者でなくても違う形で支援することはできると考え、
大学で照明のデザインや衣装のデザインをはじめた。
そのままアメリカで就職した後、20代後半に帰国し制作の仕事につくものの、日本と海外との制作の役割や仕事にギャップがりすぐに辞める。
その後、商業演劇をしている新国立劇場に入り、バレエ・オペラの制作などを経験。
愛知トリエンナーレで作品制作したものがきっかけでパフォーミングアーツの可能性を感じる。その後、東京芸術劇場に3年間所属し、演劇やダンスを新作からなんでも担当。比較的予算がある劇場なので、タレント見つけてきて企画に起こす仕事をしていた。
しかし、多くのダンサーと関わる中で、芸劇で踊ることができる恵まれた環境がある前に、駆け出しで、もがいているダンサーたちの力になりたい!と考えるようになる。アーティストに近い距離で仕事をし始めるため独立。
幸い、大きなイベントのお仕事もいただけており、隙間の時間で駆け出しのダンサーたちの支援をする。

内容について

◾️現状、ダンス界では制作が機能していない?
制作の本来の役割や重要性を認識してもらえてない分、
制作が軽視されがちなゆえ、今のダンス界では制作をしている人が少ない。
(演劇では比較的、制作が機能している)
制作はただのもぎりや顧客管理をするのが本来の仕事ではない。

まずはダンサーも制作の重要性を認識してもらい、
制作のステータスを上げていく必要性がある。

◾️そもそも、制作とは?
作品をつくること以外のすべて、作者が表現したい環境をつくる。
正解がない仕事、状況に合わせて優先順位をつけて必要なことをやっていく事。

➡︎制作の概念
主宰・作者が作りたい世界観(価値観)やビジョン・目標を共有。
それが言語化できていなければ言語化したり、
目標などに対してどのようにすれば実行できるのか戦略立てて形にしていくこと。

➡︎具体的には、
ひと・もの・かね・情報のコントロール
つまり、会社を経営するときの資源と一緒でそういう感覚で行う。
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[例:ひと→
スケジュールの管理・カンパニーメンバーの体調管理やモチベーションの調整、
お客さんの安全管理、スポンサーと人脈つくる など]
[例:もの→
会場、稽古場の手配、チラシやグッツなどの管理、ケータリングの管理 など]
[例:お金→
助成金を含むお金をどう集めて、どう使うのか・
出演者やスタッフさんとのギャランティ交渉、
資金提供してくれるところがあれば事務的作業など]
[例:情報→
情報の管理(情報開示いつする?どこまで出していいのか)
SNSなど広報、顧客情報や作品の記録を管理など
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➡︎制作が、ひとりいても全部は到底できない
人には得意不得意の分野があるから
お金関係が得意で、情報(広報)系が苦手であれば他にも手伝ってもらうなど。

◾️制作もいろいろなタイプがある・・
例えば具体的な部分でいうと・・
➡︎中川さん→作品には口を出さない
お金関係のことが特に得意、助成金申請やどう使っていくのか。
➡︎阿部さん→いいものになるのであれば、作品に対して意見を言うこともある。
劇場付きの制作の時は、早く稽古場に行き清掃しコーヒーを入れて準備を整える立場でもあるがプロデューサーの立場でもあるので、
客観的にみておかしいと思ったものは上司と相談しつつ
まだ軌道修正できるときに演出家の方に伝えたりもする。


◾️海外との違い
制作を英語に訳すと・・・
プロダクションコーディーネーション

➡︎海外ではプロデュース、マネージメントという言葉がある通り、
役割が全く別のもの。
一方で日本の「制作」という言葉が曖昧のため、
プロデュース、マネージメント業も含まれ、全部を制作やらないといけない認識に。
➡︎海外は契約社会なので、細く、明確に仕事の範囲が決まっている。
[例:オペラハウスの場合
舞台上の椅子を置く係が契約上で決まっているから
勝手に舞台出演者が椅子をはけたり移動することは
その担当者の仕事を奪うことになる]
➡︎明確な契約で仕組みに基づいてやっているから
まわる仕組みがある

➡︎日本でも(全部を真似する必要はないけれど、あまりにも制作の仕事の幅が広いので)
プロフェッショナルとして仕事のここの部分だけは任せて、と
責任を持ってやったほうがいい。そのほうがうまく仕事が回りやすい。
➡︎日本のダンス界の場合、特に制作人口が少なく、ボランティアベースでされている方も多い。
多くの人は働きながら両立してやるケースもあるので、なおさら仕事を絞ったほうが良い。

◾️コンドルズの場合・・制作をつけるようになったきっかけとは
➡︎恐らく、(この界隈では)はじめて
山海塾さんが制作をつけた。
その後、勅使河原さんも制作をつけたが、この方がとにかく仕事ができる人で素晴らしかった。
➡︎勅使河原さんを逆輸入させた仕掛け人。
アヴィニョンで評価→他のアートフェスにどんどん出て行ってさらに逆輸入型→日本でも話題に。
プロデュースの仕方が非常にうまかった。
➡︎その経緯を見ていた山崎広太さんも制作の重要性を認識し、有能な制作をつけるように。
その制作さんも有名な方で、当時その制作さんの下にコンドルズの勝山さんが弟子入りをした。
➡︎そこで、がむしゃらに勉強し制作の重要性を認識。
だからこそ、コンドルズでは制作を強化。
本来は出演者と話変えたほうがいいがコンドルズでは一部メンバーが担っている。
コンドルズでは、
・制作担当は西原さん。メイン業務は広報系と外部の仕事を取ってくること。
・他は勝山さんがプロデューサー
・マネージメントをするのは原島さんなど
みんなで補い合いながらやっている。

※ちなみに、コンドルズがNHKホールで公演を打った時に、一団となりチケットをみんなで打った。
基本的には草の根活動で手うりが基本。
→多い人は400枚を1人で打った。
大事なのは
「手売りで売れるダンスカンパニーをいかにして作るのか」
そして、
「次回、2回目もどうしたらお客さんがきてくれるかどうか」
(チケットを多く打っているメンバーは皆、ダンス以外のことも精力的にやっていたりとコミュニティーが広い人たちだったとのこと。)


◾️舞台人に伝えたいこと「コスト意識を持ったほうが良い」
「一般的なビジネス感覚を得ていたほうが良い」

特にコンテンポラリーダンサーはタダでMVなどに出てしまう。
悪いことではないが、そこに違和感を持たない限りはダンサーのステータスも上がらないだろう。
まずは、周りはどのように金額をもらっているのか知っていたほうがいい。

➡︎例えば・・ダンサーが1日1万円のCMやPVの時、
一方照明の人は1日11万円ほどもらっていた。
しかも8時間単位だからそれが延長するとさらに残業代として頂ける。
➡︎なぜ、それが成り立つのか?
照明家が職種として成立し、金額をいただけている背景には、
照明協会があり、そこが照明家の立場を上げてきちんとやってる
➡︎例えば・・CMなど広告業界の制作の方は現場にポルシェで来る事もある。
同じ職種なはずなの存在する格差社会を
まずは認識しておいたほうがいい。

踊りたいから踊っている、から次のステップに行くとき重要なのは
「コスト意識を高める」事。
金額を聞いたときに違和感を覚えなければいけない。
それには、外で何が起こっているのか、他の業界を気にしたり、
ビジネス感覚を知った上で取り組むほうが
あまり自分自身を消耗せずに済む。

◾️でも、駆け出しのカンパニーは制作にお金があまり払えない・・副業制作がオススメ・・?
(本来は「制作」を確立させるためにも、ボランティア制作に近い形は変えていくべきだが
現実問題そうも言っていられない・・)

➡︎中川さんの場合
予算は文化庁、豊島区から貰える環境にいる(ずっと劇場付きでいる)と、
一般のビジネス社会の流れや感覚がわからなくなる。そのため公共劇場を辞めて一般企業に就職。
➡︎いまブッシュマンを支援をしているが、基本的にはお金のあるところに取りにいって(仕事)
ないところに持ってくる(ブッシュマンの支援)という考え方でやっている
➡︎ブッシュマンで取り組みたいと考えているのは、体制を作ること
(出演するメンバーの価値観を共有するしたり、仲間を作る事。将来・来年のことなどを目標から逆算して設計すること。)
お金を使ったら領収書を取ってくるなどという基本的な事も)
➡︎仕事をして生活が安定している人で制作やってくれる人を探す。
逆に制作の仕事全ては賄えないから、
ここの部分だけお願い!と一部を依頼する頼み方が◯。

◾️どんなダンサーと仕事がしたい?活躍するダンサーは?
➡︎ダンサーの方の表現力・テクニックのそのものの価値は重要だと思うが、それと同等にコミュニケーション力が大事。
一緒に仕事をして気持ちいいか否かがとても大事。
どんなに素晴らしいダンサーでもここが欠けていると
正直、前向きになれない時がある。
➡︎不易と流行 のバランスがいい人
不易 変わらない
流行 変わるもの

有名なアーティストでも絶対に変わらないものと
時代に合わせて変わるものがある
流行…しかないとアイデンティティがないからすぐに廃れていく。

◾️通りやすい助成金とは
落とせない申請書に作るこむ事
➡︎極論、内容はつまらなくても審査基準にばっちりあっていると…取らざるを得ない時がある。
この助成金は何が目的で、何が審査基準かまずは項目を読むこと。(国語と一緒ですでに答えは書いてある。)
そこに照らし合わせて書いていく。
➡︎年によって審査基準がかわることがある
➡︎実績がないと難しいから実績はまず頑張って作る!
➡︎知らないだけで色々な助成金がある。
まとまった情報が載っているサイトがないから探す他なし。
港区の30万円支給の助成金は10件中11件しか応募がない状態で、
しかも抽選で決まる。
品川区や台東区、墨田区も出しているものがある。

日本の制作業はとにかく仕事の幅が多いので
一人でやろうとせずに、
・役割を明確にすること
・ワークシェア、それぞれの強みでみんなで助け合う、補い合う
ことが大事。



神楽坂ダンチDAY1の簡略議事録はこちら

1日目の議事録
https://note.com/dancingsento/n/n2885bdc4bbe1



【告知】2020年1月11(土)12(日)に神楽坂ダンチval2を開催!

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1回目を経て、更にブラッシュアップした第2弾を開催!!
詳細はこちら!
https://dancesento.themedia.jp/pages/3461445/page_201912221130

六本木アートナイトの仕掛け人や、今話題の‘サウナ’の仕掛け人も登場!
どういう過程で大きなプロジェクトに育てていったのか、また、ニッチな分野をいかに広めていったのかをお聞きします。
そして、珍しいキノコ舞踊団解散後、初登壇!伊藤千枝子さんにも登壇いただきます。他にもダンサー夫婦の熊谷夫婦など多くの方にご登壇いただきます。ワンコインで参加できますのでお気軽に起こしください★

お待ちしております。


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