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『アルケミー:ニューカペナ』カード評価(緑・多色編)

《前回記事はこちら》
『アルケミー:ニューカペナ』カード評価(白・青・黒・赤編)
https://note.com/dancingdress/n/n5d3c8ab7ecd3

アルケミーカードの勉強がてら各カードの評価していきます。
評価は構築とリミテッドそれぞれ★~★★★★★で表します。
リミテッドについてはMTGアリーナでメインで遊ばれているBo1想定での評価となります(Bo3については詳細で触れる場合あり)。

高街の逃亡

構築:★~★★
リミテッド:★★

土地にエンチャントすることで土地をドラフトしたクリーチャー化することができる。オマケで1ドロー付き。選択できるクリーチャーはパワー3~5までのサイズでほんのり能力付き。

構築では素直に「ハイドラの巣」等を利用するほうが良い。
リミテッドではキャントリップ付きのクリーチャーとして考えれば……?
一応、速攻で殴れるという利点も。

動物園の管理者

構築:★★~★★★
リミテッド:★★★~★★★★

2マナのマナクリ。好きなマナが出るがクリーチャー限定。唱えたクリーチャーがライブラリー内にあるクリーチャータイプを持たない場合に1ドローできる。例えば、ノーム・工匠を持つ「オズワルド・フェドルベンダー」を唱えた際にライブラリー内に人間・工匠を持つ「巧妙な鍛冶」がいると工匠被りでドローができない。

構築ではドローを活かすためにクリーチャー採用に縛りが産まれるため、ハイランダーぎみに構築しなければならず均一性に欠けて安定感が無くなる懸念がある。
リミテッドでは多色ぎみのピックをすることである程度種族が散りやすくなるため、ドローできる可能性が高いため評価を少し高めに見ている。

巨大な芽吹き

構築:★★~★★★
リミテッド:★★★

緑にたまに見られるクリーチャー限定の墓地回収カード。オマケで永続での+3/+3修整を付与する。過去の例ではクリーチャー回収が1.5マナ相当で扱われており3マナの場合はそこそこのオマケをくれるが、+3/+3修整を与えるオーラ「樫変化」が3マナ相当なので今回はかなり奮発している。

構築ではマナ拘束がややキツく、使いにくい。処理されなければ勝ちといった3~4マナ帯が増えてきてサイズを上げて出し直す事に意義が出てくればチャンスも……。もしくはクリーチャーコンボのリカバリープランで回収してサイズ増加による火力耐性を持つことでコンボ成立に向かいやすくなるため、赤主体の相手へのサイドプランとして採用があり得る。
リミテッドでは単純にサイズが上がることで輝く場面が多く、バニラのようなクリーチャーでもテンポによっては回収候補となれるためより柔軟な運用ができるため少しだけ評価を高くしている。

多色

斡旋屋一家の護衛

構築:★★
リミテッド:★★

逃がした後に盾付与なカード。1枚で2回除去なりコンバットなりを回避できる(盾でのコンバットなら一方とれることも)。1枚で2枚分でお得(?)

構築、リミテッド共にやや寂しい評価。追放からの復帰ということでEtB能力を使いまわしたいが、基本、そういうカードは基礎パラが低く盾があっても活かしにくい。どちらかというと構築のほうが採用する可能性あるかも。

常夜会一家の変身術士

構築:★★★
リミテッド:★★★~★★★★

場に出ない「混沌のねじれ」のような除去能力を持つ一体。手札に加わるクリーチャーはライブラリーからランダムで選ばれる。強化されたクリーチャーを除去したり、後半に出てくる主力を飛ばして弱いクリーチャーに変わればバウンスよりも強いことも。その為、序盤のテンポ取りのために低マナのクリーチャーへサクっと使う用途にはより場に則したクリーチャーへ変化する恐れがあるためリスクが伴う。

構築では上記のリスクによりカジュアルに使えないケースが多く、初期手札にあった場合に温存してマナカーブ通りに動きにくくなる事も。
リミテッドでも上記のようなリスクはあるものの、構築よりはある程度シビアに動かなくても余裕がありつつ、クリーチャーの戦力にバラつきがあるためある程度大きなクリーチャーまで温存できればリターンが非常に大きいため少し評価を高めにしている。

守秘義務

構築:★★★★
リミテッド:★★★

「否認」モードと相手の墓地からクリーチャー創出(コピーして手札に加える)モードを持つ。オマケで異なる5種のマナコストが墓地にある場合はドラフトできる。ドラフトの対象は青黒のカードでクリーチャーから除去、墓地回収とかなりバラバラな方向性。効果もコストも軽めのものが多く、松屋の牛丼についてくる味噌汁程度。とはいえ「巧みな軍略」といった構築実績もあるドロソも含まれてるのでわかめ多めの味噌汁に当たるかも。

構築ではメインから入れられる否認の代わりで採用されることとなりそう。オマケは意識せずに貰えればラッキー程度で。
リミテッドでは非生物打ち消しがややバリュー下がる為、評価は抑え目。オマケのドラフトは発生しやすくロングゲームするには良いカードが揃っているので後半になるにつれて噛み合いは良くなる。

組織の勧誘者

構築:★★★
リミテッド:★★★★~★★★★★

4マナ4/5飛行に護法1まで付いている優良飛行クリーチャー。場に出たときに自身切削4枚と、オマケで異なる5種のマナコストが墓地にある条件を満たすと「屍体の掘り起こし」がついてくる。

構築ではサイズはそれなりだが盤面への影響度は限定的。オマケもやや条件を満たしにくい為、当てにできない(常にオマケが貰えるなら評価はもう少し高い)。
リミテッドでは軽くてサイズも良くオマケもだいたい決まるので評価はかなり高め。強くて軽い飛行はいつだって正義。

土建屋一家の工作員

構築:★★★~★★★★
リミテッド:★★★~★★★★

手札のクリーチャーに奇襲を付与できる。2マナ3/1威迫と軽く打点も回避能力もあってライフを詰める能力は高い。自身も奇襲を持っている為、最後の詰めや序盤のハンドを整える為のドローに使う事も。

構築では赤黒に採用の余地がある。低マナのEtB持ちと相性が良く、「ヴォルダーレンの美食家」など場に残すよりもドローに変換したほうが都合が良いカードを変換すると良い。
リミテッドでも基本スペックの高さと後続への奇襲付与で詰めがある場合に奇襲を選択して一気に詰める動きを選択できるようになるのが地味に光る。

銀行での仕事

構築:★★★~★★★★
リミテッド:★★★★

ライブラリーの底にあるクリーチャーから順にターンごとに唱えられるようになるカード。唱えない(唱えれない)場合でも宝物トークンに生まれ変わる。

構築では必ずクリーチャーを供給する特性を活かしてアグロの対コントロールへのサイドプランとして投入が考えられる。速攻持ちを増やし、唱え続ければいつかは勝ってそう。
リミテッドでも赤黒の2色メインに絞った軽めに仕上げたほうが良い。「歪んだ守衛」といった2マナ3点、サイズの上げやすい「殺人魔」、接死で突破力のある「土建組一家の新入り」などを多数展開していくと良い。

ゆすり屋のボス

構築:★★★★
リミテッド:★★★★

手札のクリーチャー2体に宝物トークンを出すEtB能力を付与する。本体も3/2とスペックが高く、場に出てしまった後は死んでも問題ないので3点クロックでビシバシ殴っても良し、ワンサイズ大きいクリーチャーと相打ちでも良しとアグレッシブに攻めたい赤緑のカラーとも合っている。

構築では既に「にやにや笑いのイグナス」とのループコンボが発見されており、「機知ある怨怒取り」といったほかのクリーチャーが場に出ることでダメージを与える無限ダメージや「裕福な亭主」での無限ライフがあり。
揃える難度や妨害への耐性などによって一線級となれるかが注目。
リミテッドでは強い2マナを出しながら以降のターンで宝物を使って行動回数やマナジャンプする動きが強い。

舞台座一家のお祭り騒ぎ

構築:★★★~★★★★
リミテッド:★★★~★★★★

唱えたクリーチャーのマナ未満のクリーチャーをオマケで出せるようになるエンチャント。クリーチャー限定の続唱能力のようなものだが、オマケで出るクリーチャーは能力で出て唱えてないので打ち消しし難い。

構築では何が出ても最低限嬉しい部族デッキで主に使うのが良い。部族であれば低マナ域でも何かしらの恩恵を受けられるのでコスト以上の働きにもなるし、頭数が欲しい事が多いのでハズレ感がかなり減る。
リミテッドでは想像の5割程度の強さしか発揮できない。3ターン目設置から4~5ターン目に連続して4マナ、5マナと展開できていればかなり強力だが、後引きしたときや手札にクリーチャーが少ないときのキープではかなり心許ない。また、混戦時や劣勢気味の際にはでも2~3マナが増えたところで盤面に影響しないケースもあって有利な盤面やハンド状況では強いが劣勢時にはあまり響かない勝ちきれないカードという評価となった。

整列ロープの係員

構築:★★★
リミテッド:★★★~★★★★

手札のクリーチャー全てに1/1市民トークンを出すEtB能力を付与する。本体は2/2と一般的なサイズ。手札にクリーチャーがいればいるほど美味しい。

構築では悲しい事に1/1だけではなんともならない環境なので評価が低め。本体が2/2で盤面にあまり影響を与えない点も。
リミテッドでは1/1トークンでも増えるだけで殴り難さが増すので盤面への影響が構築よりも大きい。

武装する祝祭

構築:★★~★★★
リミテッド:★★★★

盤面だけでなく手札やライブラリー、墓地にまで毎ターン永続的に+1/+1修整を与えるエンチャント。時間経過するほどに後続も強化済で登場するのはかなり嬉しい効果。

構築では貼った瞬間から影響を及ぼさない点が重さと相まってやや悠長な為評価が低め。生物中心のアグロなら5ターン目は勝ちたい時間帯なのよね……
リミテッドではロングゲームでの圧倒的強さが評価できる。5ターン目は状況次第ではまだまだ中盤な事もあるので置く余裕もある。

運命の占者

構築:★★★★★
リミテッド:★★★★~★★★★★

EtBで謀議を持ちつつ、カードを1枚以上捨てる度に捨てたカードと同じカードタイプをライブラリーから抽出する。その為、謀議持ちと組み合わせると手札がどんどん増えていく。2体目が居るとまさに宇宙。対戦相手のターンにも誘発するので、相手のハンデスでも手札が減り難くなったり、血トークンやトライランドを相手のターンに切ることで自ターンも相手ターンも誘発させて手札をガンガン増やせる。サイズも土地以外を捨てれば3マナ3/4と優秀。

構築では「策謀の予見者、ラフィーン」との組み合わせが文句なしに強力。
他、状況に合わせて不要なカウンターを捨てて除去に変えたり、「消失の詩句」のような対象が限定的な除去を別の除去に変えるべく捨てることで抽出チャレンジができたりただのドロー以上に狙ったカードを引き込める可能性が高い。
リミテッドでも強力なカードではあるものの引いたら勝ち!まではいかないかな?と思い評価を少し抑えめに。相手ターンにハンドを回すケースもリミテッドでは難しくアドバンテージ量が少し少ない点も。

呪文漏出暗殺者

構築:★★★
リミテッド:★★★~★★★★

犠牲2を手札の呪文に付与できるカード。生物運用もできるちょっと変わったスペルコピーカード。犠牲自体は自身をコストにすれば達成も容易。
呪文をコピーする今までのスペルとの最大の差はコピーを唱えるターンで使用するマナ総量を抑えれる点に尽きる。

構築では、例えば「アールンドの天啓」を「感電の反復」をするならば9マナ必要ですが、呪文漏出暗殺者であれば事前にプレイすることで元の7マナでプレイ可能になるため、マナを準備するターンを省略できることでより早いターンにスペル主体のコンボが成立する可能性が広がったという点を評価。
リミテッドでは確定除去の「殺害」や魔除けサイクルなどの強力なスペルに犠牲を付けることを想定しての評価となる。

流出貪り

構築:★★★★
リミテッド:★★★★

場にいる際に生け贄に捧げたクリーチャーに墓地起動でトークン生成能力を付与できるカード。自身も奇襲を持っており、能動的に墓地に向かうことができる。3マナ4/3とサイズも良く、奇襲による速攻付与も後引きしても終盤の押し込みでも活躍が見込める。奇襲をしたクリーチャーが戦闘などで相打ちもしくは一方を取られて死亡した場合、生け贄に捧げていない為トークンは作れなくなる点には注意。

構築ではサクっと3マナ奇襲で投げて次のターンに4/4を作る動きが安定して強い。生け贄ギミックを入れるよりもスタッツが良く速攻で殴れるプランも持ったクリーチャーとしての運用が良さそう。
リミテッドでもあまり欲張らずに奇襲で攻めるほうが良い。盤面によっては他の奇襲持ちを待ったり、犠牲スペルの種にしたクリーチャー(これを含む)をトークン化する動きがお得に見えるかもだけど、4ターン目に4/4トークンを安定して作るのとどちらが強いかを判断してから行うと良い。

路地裏の庭師

構築:★★★~★★★★
リミテッド:★★★~★★★★

神話感がまったく無い名前。他のクリーチャーが場に出る度、土地を抽出して場に出す。本体サイズも3/4とお尻が大きくブロッカーとして活躍も見込める。誘発はトークンでも良く、相手ターンにも誘発できるため例えば「放浪皇」を相手ターンにプレイして-1能力でトークンを出すと土地が増える。

構築では安定して土地を伸ばしたいのでクリーチャー主体のランプにしたいため「レンジャー・クラス」のようなマナを効率的に使えるような方法を入れておきたい。
リミテッドでは本エキスパンションでは伸びたマナの使い道を消化できるカードが限られているのでX呪文の「豪勢な献酒」や起動型能力をもっており色の合う「ジェトミアの仲介者」や「空の叫び屋」あたりを確保すると良い。またそれらを確保できない場合には「スパーラの審判者」や「覆面の匪賊」といったあと1色足りないけど土地に能力付与したら自力でプレイ可能なコモンの3色も採用してファッティを増やすのも検討。

スパーラの護衛

構築:★★★~★★★★
リミテッド:★★★★

手札のクリーチャーに盾を付与するか、自身に盾を付与できるクリーチャー。3マナ3/3で各戦闘時には他の盾持ちの盾数分+1/+1の修整が入る。各戦闘のためブロック時にもサイズが上がるので相手は盾もあってかなり攻めにくい1枚となる。

構築ではクリーチャーによるコンボを守るカードとしての運用を期待。火力や除去から守れて3/3サイズ(場合により4/4)で盤面も多少保てる。
リミテッドでは4/4サイズを超えるとかなり抜きにくくなるため、盾持ちを集めつつ自身の能力で付与込みで5/5以上を目指すと良い。


というわけで全カード評価終了しました。
この評価が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
それでは良きMTGライフを。

旦那様へのご援助頂けますと幸いです。 二條舞衣