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かわいい元後輩の話


先日、超がつくほどハードモードな日がありました。
鳴り止まない電話を延々と取り続け、積もりに積もる書類たち。
それでも現メンバーは皆いい人たちばかりなので、
忙しいからと怒り出す人もおらず、弱音を吐くこともなく、
明るく楽しくネガティブに、みんなで一丸となって働きまくっていました。

そんなとき私の私用スマホに着信が。
悪いがお仕事モードのわたくしは、私用電話どころではない。
元気にブーブーブー!と私を呼び続けていますが、仕事をしていました。
それでもずっとなり続けるスマホ。
鳴り止まないバイブレーション。
……気になって仕方がないので、着信画面を確認したところ、「Y子」の文字。
5年前に退職した、3つ下の後輩の名前でした。

驚きました。
数年ぶりの着信です。
あとで掛け直そうと思いスマホを置いたものの、ずっと鳴り続けています。
……もしやなにかあったか?と思い、少し席を外して電話に出てみました。

「(小声)はい、なぎおです。……もしもーし、どうしたん?」

電話の向こうは雑音だらけで、Y子の声はしません。が、一瞬こどもの声が聞こえたような?
あーこれはこどもがスマホをいじっちゃって知らない間に電話かけちゃったパターンか!
と納得してそっと切りました。

Y子について。
3個下の新垣結衣似のスレンダー美人です。
私が事務部に異動した年に採用された子なので、私の中では勝手に同期だと思っています。
当初は驚かされてばかりでした。今思えば箱入り娘さんだったのでしょう。
「〇〇町ってどこですか?」「あなたの母校のお隣の地区だよ~」というレベル。
最初は何も知らない子で、他部署からも心配されるくらいでしたが、
とっても頑張り屋さんで、かつ持ち前の素直さで、めきめきと成長していきました。

市内の町名が分からず、問合せの電話対応が出来ない…と凹んでいたので、
とっても簡易的な地図を書きながら教えてみました。
「これ地図書いたの、Y子にあげるね。殴り書きやけん捨ててもええけんね。」
メモ帳にフリーハンドで市内の主要道路と町名、ランドタワーを書いた落書きレベルのそれを、
「ありがとうございます!大事にします!」と言ってくれたY子。
その後ノートに貼付していたようです、あんな汚いメモを。
そしてきっとしっかりお勉強もしたのでしょう。
その後は、電話応対がとってもお上手なお姉さんになりました。

私が長男の産休育休を取得したときにも、文句なんて一言も言わず、みんなと一緒に乗り越えてくれました。
育休から復帰したとき、成長したY子の凛々しい姿に感動したのを覚えています。
こどもが乳児の頃は、園からのお迎え要請ばっかりで仕事をお願いすることも何回もありました。
それでも私が早退するときはいつも心配してくれて、優しくしてくれた。本当に頼れる後輩でした。

ただ美人でだったので、お局パートさんからやっかみを受けることもありました。あからさまな、誰が見ても分かるくらいの。
私はそういうの嫌いなので、お局パートさんに「Y子に優しくしてやってよ〜」「話したらいい子ですよ?」と伝えるものの「なんか合わんのよ」と聞く耳も持ってくれません…。
お局パートを止められんくてすまん、とY子に謝罪したところ「そんなこと言ってくれたんですか!もうそれだけで嬉しいです」って。
でも本人は本当に嫌な思いしてたはずなのに、よく耐え抜いてくれたと思う。よく頑張ったね。

そんなY子から、「結婚しますこども生まれます」って報告されたときは目玉飛び出るほどびっくりしました。
そして育休取るって言ってくれたときはなんか嬉しかった。
それまでとってもお世話になってたから、Y子おらん間は私が頑張るね、戻ってきたら一緒にがんばろうね、と約束。
妊娠中も可愛いマタニティを来て、にこにこお仕事してくれました。
Y子のワンピめっちゃ可愛いね〜と言うと
「なぎおさんのマタニティワンピがかわいかったので、私も絶対着ようって思ってたんです!」ですって。可愛いやつめ。

その後、Y子がご主人の転勤で県外に行くようになったときは、大泣きしました(私が)。
最終日お餞別のプレゼントと花束を渡し、お見送りをするときに個別にお手紙も渡しました。
「Y子のおかげで私これまで来れたよ」と伝えると、
「私がここまで働けたのも、なぎおさんのおかげです」。
そんなこと言うから、もう。

お子ちゃまからの着信があった日の夜、電話をしてみました。
発信履歴見てびっくりしないでねと伝えておこうと思って。
久しぶりに連絡を取るので、少し緊張しましたが、懐かしいY子の少し驚いた声。嬉しかったです。
そしてお互い近況を報告。
Y子はいまや三児のママに。
私が役職がついたことや改革しまくっていることなど伝えると、とっても驚いて喜んでくれました。
昔は定時上がりなんて夢のまた夢だったもんねー。
「すごいですなぎおさん、さすがです!かっこいいです!」だって。
褒められちゃった。嬉しい。えへへ。
ちょろい私はメロメロです。

「応援してます!」「Y子も頑張りなよ」と言葉を交わして終話。
ほんの数分間でしたが、楽しいひとときでした。Y子の声が聞けてよかったな。
どきどきしたけど、勇気を出して掛けてみてよかった!
なんだか幸せホルモンのセロトニンやオキシトシンが溢れ出てたような気がします。

私にとってY子は共に生き抜いてきた戦友です。
うちの元後輩Y子は可愛いんだぞ!というお話でした。
この愛情、いつか本人に伝わるかな?いつか伝えてみようかな


ここまで読んでいただいてありがとうございます。今日も良い日でありますよーに。