詩/目隠し

若いころ
世界は
目隠しをされたように
内側は
きれいだった
けれど
身体が
成長して
目隠しでは
きれいでいられなくなった
見たくないものが
どうしても見られない
その苦痛を
傷を
自ら
抉ったら
目隠しが
少しずつとれて
外側から
きれいなものが
目に映った
わたしが
できそこないでも
嫌われ者でも
それが現実であれば
見たい
そうしてわたしは
この目になった
ほんとうにきれいなものは
少ない
けれどほんとうにきれいなことは
幸福であり
健康である

2024.06.28

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