中島らも_名言

中島らもの"ゆるめの名言"

どうも、ダンチブロードキャスティングです。世の中にはためになる名言ってたくさんありますよね。先人の知恵はとても役に立ちますし、時には偉い人の名言に背中を押されるなんてこともしばしば。

作家の中島らもも名言が多い作家の一人ではありますが、今回は中島らもの意識が低めに見える、しかしどこか心に刺さって、返しがついているみたいになかなか心から抜けない系の名言をいくつか紹介してみたいと思います。

「今」を生きる

今日しなきゃいけないことは明日する。今日飲める酒も明日の分の酒も今日のうちに飲んでしまう。それが俺の選択だった。

中島らも『今夜、すべてのバーで』講談社、1994年

「今を生きる」っていうと今この瞬間に一所懸命に生きるっていう意味で使われることが多いけど、今のことだけを考えて生きるってのも「今を生きる」ってことだよね。将来のことばっか考えて生きるのに疲れたら、一回今のことだけを考えて生きるのもアリかもね。

心の穴とお酒

内臓は頑丈でも、おれの心には穴がいくつもあいていた。夜ごと飲みくだすウイスキーは、心にあいたその穴からことごとく漏れてこぼれ落ちてしまうのだった。

中島らも『今夜、すべてのバーで』講談社、1994年

心の穴を埋めるために、自暴自棄になってお酒を飲んじゃうなんてこと、ありますよね。中島らもはアル中だったことでも有名ですが、アル中だという事実をこんだけ美しく書ける人って他にいないんじゃない?

人間の役割

人間はそれでいいのではないか。名前すらなく、飲んで飲んで飲みまくったあげく目詰まりのした「アルコール濾過器」として、よく燃えて骨も残さない、きれいさっぱりとした「具体」であって何がいけないのか。どうして人はアル中であってはいけないのか。えらそうな「人間」でなくてはならないのか。俺は自分の中で、中学生がやるような自問自答をくりかえす。

中島らも『今夜、すべてのバーで』講談社、1994年

みんな自分の生きる意味とかを求めて生きるけど、そもそも生きることそのものに意味はなきゃいけないものなのか、と問うている一節。生きる意味とか、やらなきゃいけないこととか、そんなもの本当そんなに多くはないのかもしれないね、と思ったり。

中島らもの本には一冊の中にたくさん名言があります。こんなところではとても書ききれないので、それらはダンチブロードキャスティングの記事の中に散りばめてあります。よかったら探してみてくださいね。

カバーイラストを描いてくれているエノシマナオミさんのインスタグラムはこちらから。


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