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大暑 第三十六候 大雨時行

今日で七十二候大暑の末候、たいうときどきふるも終わります。
チェンマイはこのところ、暗い雨雲に空が覆われた朝から昼。午後に束の間晴れて、局地的にスコールが降り、そしてまた雲の多いまま夕暮れ、夜を迎える。そんな日が一週間ほど続いています。

スコールは、ちょうど会社から家に帰る時間帯にぶつかることが多く、遠くに大きな積乱雲と雨の柱を眺めるのも素敵ならば、平行に近い西日で光の粒子になったかのようなスコールの中を、左手に虹をちらりと見ながら車で走り抜けるのは、ちょっと恍惚的な美しさです。

とはいえ、このスコール、2011年の大洪水前は、ほぼ毎日出くわすものでしたが、今は2−3日に一度です。そしてかつて思わず車を停めたくなるようだった激しい降り方も稀になってしまいました。
そういえば、この時期は少し庭を歩いただけでも、靴が泥だらけになってしまったり、下手をしたらどんどん泥が靴裏に張り付いて、まるで厚底履ようになってしまうので、車に乗る時はとても気を使ったものだったけれど、今はそんな心配もすっかりしなくなって何年もたちます。改めて思い返すと、雨季の様子は、この10年でかなり乾いた風に様変わりしているようです。

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それでも、今年はそこそこ雨が降っているなあと思っていると、気象庁からは北タイには旱魃の警報が。やはり降るには降っても充分ではなく、ダムの貯水量を増やすには至っていないのだとか。
また、タイは、北回帰線の内側にあるので、日本のように夏至が太陽が空の最も高い位置にくるのではなく、その前後に天頂に至る日があり、夏至はそれより北側の少し低い位置に太陽はあるので、この太陽が天頂を通り抜ける、つまり最も高い場所に至り、日ざしが最も強くなる2つの日の間が、最も太陽の力が強まるどこか息苦しいような期間に感じられます。
今年の太陽が二度目の天頂を通り抜けた日は七月二十八日。この日の昼過ぎに庭に鉛筆などを置くと、ほとんど影が消えるのがみられて楽しいのですが、今年は残念ながら曇り空。それでも雲を通してじくじくとした暑さが肌を刺すようでした。
そんな暑さを少しでも洗い流すように「大雨時行」の言葉のとおり、雨にはたっぷり降ってほしかったのですが。。

そして今日は、空気はひんやり。虫の声もし始めて、もう次の二十四節気、立秋の気配が一足先に兆してしまっているようです。それでも気象庁は昨日、水不足の警報の一方で、ここ数日間のタイ北部に大雨警報も発令しました。
願わくば、もう少し空にある水には大暴れしてほしい。と思わずにはおれません。

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