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霜降 第五十三候 霎時施


二十四節気の霜降も次候の「こさめときどきふる」になりました。 期間は、10月28日~11月1日頃。
むしろ少し不調な雨季だからでしょうか、ちょうど27日、28日の朝夕には、頭の上にはもくもくと雲が盛り上がり、その間からほのかに夕日や朝日がさすなか、はらはらと小雨が降りました。

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そしてなんともかそけき気配が素敵だったのは、西日に淡く中空に舞った虹。

陽射しも弱く、雨の降り方も雨季の盛期とは違う、こぼれ落ちてくるような静かなものだったせいでしょうか、虹の柱というよりは、欠片が縹渺とたなびいているようでした。

今日は気象庁から、西風だったモンスーンが東や北東風に変わり始め、11月2日から寒季入りすると発表がありました。
近所の貯水湖やダムなどを見ていると、もう少し雨に降ってほしいと思うのですが(実際、雨が少なかった北部地域では、人工雨を降らせる予定であるともニュースがありました)、それでも、心が静まるようなすがれた土や植物の甘さに渋みが加わった香りや、少し湿気が抜けて軽くなった風にススキの穂が揺れ、波打っている野原を眺めていると、やはり熱帯ながら晩秋と冬の、装いも柔らかいものを重ねて繭にくるまるようにし、終日静かに内省して過ごしたくなる感じもやはり嬉しく待ち遠しくなります。

熱帯の冬まであと少しです。

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