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『ヤングちゃん、寝る?』が面白い

ここ最近、youtubeチャンネル『ヤングちゃん、寝る?』に猛烈にハマっている。

もう少し正確に言うと「ヒロシ・ヤング」さんにどハマりしてしまっている。

どれくらいハマっているかと言うと、わざわざこのチャンネルの感想を書きたいがためにこのnoteアカウントを作ってしまうぐらいには沼っているのだ。こんなに何かにハマったのはバーコードバトラー以来か?

パチンコ、パチスロを打たない世間一般人にとっては「ヒロシ・ヤング?誰でしょう?」だろうが、いや、たとえ打つ人でもある一定の層以外はパチンコ・パチスロライターの名前を聞いたところでイマイチピンとこないのが普通かもしれないが、他方でパチンコ攻略誌をはじめパチンコ番組、パチンコyoutube界隈では知らない人はいないだろう超有名ライターである。

自分は大学時代こそパチスロ必勝ガイドを定期的に購読していたものの、ここ数年はパチンコ屋を訪れる回数もだいぶ減り、パチンコ番組はおろか動画もごくごく稀に見る程度なので、もはやパチンコ・パチスロは惰性の戯れだと思っていた。

そんな中、昨年、緊急事態宣言が発令されたことにより飲食店をはじめ業種を問わず多くの店舗が時短営業を実施した。

20時以降なんもやってねーじゃん。。
そう思い帰路につく、荒みきった自分の目にパチンコ屋のネオン(今はもうネオン管もほとんど見ないが)が飛び込んできた。コロナ以前とはすっかり様子の変わった暗い街中で、一際輝いてみえたような気がする。

パチンコ屋、23時までやってるんだ。なんかありがたいな。

ボッタクリで有名な地元駅前ホールに気がつけば吸い込まれていた。
その日は疲れきった心と身体に、ディスクアップ のジュワンが文字通りジュワッと沁みた。

コロナがキッカケで自分が生涯を賭してやりたいことの道が断たれた感覚があり(自分の実力不足だろうと言われたらそれまでかもしれないが)暗澹たる毎日だったが、リーチ目を追いかける楽しさは10数年前のあの頃のままで、多少なりともパチスロに救われた気がした。相手が機械だからこそ、いいという時もままある。

そして、巣篭もり中にyoutubeのプレミアム会員になったのでパチスロ動画をポロポロとザッピングしている時に、表題の『ヤングちゃん、寝る?』と出会った。

それまではパチンコ・パチスロの動画というのは所謂「実戦動画」という、出演者がパチンコを打って一喜一憂のリアクションをしそれを楽しむスタイルが一般的だった(ごめんなさいあんまり詳しくないので認識間違っているかもしれません)が、自分はあまりそういった動画に食指が動かずハマることは無かった。

もともと映画・音楽・演劇・ラジオ・お笑い・その他のサブカルチャーが大好きで、それに付随する業界の人のお話やインタビュー、それらの記事、思想や哲学を聞くのが何よりも大好物だったので、初めて『ヤングちゃん、寝る?』を見た時は

コレ!こういうのが見たかったんだよ……

という「出会ってしまった感」が溢れてきた。

そうなるとインターネットというのは恐ろしい。
youtubeをはじめ膨大なデジタルアーカイブを漁り、姉妹チャンネル『まんぱつ』や『パチ屋の裏研修』『令和ベストテン』なども巡回するようになってしまった。

自分はパチンコ・パチスロがゼニカネをすっただの勝っただのだけの「単純なギャンブル」だとは捉えられず、開発者、ホール、打ち手などの各登場人物の様々な視座や、世相や時代や空気も含めた大きな意味での「カルチャー」として楽しんでいたところもあって、前述のチャンネルの皆さんがそれぞれの立場でパチンコを語られている姿に、なんだか僕の言いたかったことを皆さんが代弁してくれているような妙な嬉しささえ勝手に感じてしまったのだ。視聴者というのはいい気なもんである。

この中で一番『ヤングちゃん、寝る?』に傾倒しているのには理由がある。
自分はとにかくものづくりが大好きで、このチャンネルはそういう「ものづくりのスピリット」に溢れている所がブッ刺さる。

見ていると、高校生の時の文化祭や、映画サークル時代の作品作りや、ネタづくりや企画会議や小道具作りや悪ふざけや校了や色々なものが走馬灯のように頭の中をぐるぐるしてとても切ない気持ちにさえなる。

昨年だったか、映画秘宝編集部でのホモソーシャルな体質が問題視された件があったが、その通りで作品を作る時にコンプラやポリコレを重視しそれはとてもとても大事なことで絶対に絶対に妥協してはいけないと思うが、その反面、時折こういうヤングちゃん、寝る?のようにいい意味でホモソを感じるものづくりの環境に憧れてしまう自分もいるのだ。(中の人ではないので推測で言ってしまってるのは申し訳ない)

そう思えばあの頃、パチスロ攻略マガジンもパチスロ必勝本も買ったことはあったが、結局はパチスロ必勝ガイドに辿り着いたのにも納得がいく。
高校生の頃に椎名誠の『新橋烏森口青春編』を読んで「編集部という青春」に憧れたこともあって、ガイドに似たようなものを重ねていたのだろうか。
パチスロを攻略し必勝するのに大事なのは「正確な情報の羅列」だったかもしれないが、僕がガイドに感じていたのはそれ以外の「余白」や全体に通して流れる「文学」と「サブカルチャー」の匂いだったのかもしれない。

ヤングちゃん、寝る?には久しぶりにそういった空気を感じた。
一つ一つの動画が「作品」になっているところが好きなのだ。

これから更新頻度が上がるとのことだが、どうかネット社会特有のスケール化に惑わされず、丁寧かつ楽しいものづくりが続いたらいいなといち視聴者は勝手に思うのだ。

あ、くれぐれもネチケットにはお気をつけ下さいね。。


お気に入り動画
『ヤングちゃん、寝る?』より
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