河内家牛若丸

UMAです👽

河内家牛若丸

UMAです👽

マガジン

  • ベトナム政局ウォッチ

    ベトナム政局について記事まとめ

  • ベトナム生活いろいろ

    ベトナム生活のこと色々まとめ

  • ベトナム旅行記

    ベトナムあちこち旅行した時の日記まとめ

最近の記事

ポスト・チョン体制の始まり

10月21日に第15期第8回国会が開催され、ベトナム最高指導部の人事が行われた。 13年間ベトナム政治のトップに立ち続けたグエン・フー・チョン書記長に代わる新たな政治体制が整いつつある。 ルオン・クオン国家主席チョン書記長の死去と、ラム国家主席の書記長兼任により、「四柱」というベトナム最高指導部のパワー・オブ・バランスは崩れ、歪な状態が続いていた。 公安出身のラム書記長がこのまま国家主席を兼任し続けるのであれば、それが「公安支配」へと繋がるのでは無いかという憶測を呼んでいた

    • 在外選挙制度の問題点まとめ

      前回まで2回にわたって在外選挙について記事を書いてきたが、最後に在外選挙制度の問題点についてまとめたい。 投票期間の短さ今回の衆議院選挙は選挙運動期間が12日間(10月15〜26日)と短く、投票所入場券の発送遅れが各地で起きているという。 期日前投票の10月16〜26日と選挙日当日を合わせた投票期間は12日間となる。 一方で在外公館での投票期間は最長6日間であり、日本と比べると半分に満たない国・地域がほとんどである。 立候補者の政策をまともに知る時間も得られず、投票所に向

      • 在外投票に行ってきた

        在外投票人登録に行ってから10日で登録が完了したとメールで連絡が来た。 従来は2ヶ月以上かかると言われていたが、僅か10日で登録完了とは、やればできるじゃない。 ハノイ領事館と吉川市選挙管理委員会の職員に感謝。 在外選挙制度とは投票方法としては、①大使館など在外公館で投票する、②郵便で投票用紙を送る、③日本に帰国して投票する、の3つがある。 私は今回ハノイの大使館へ投票に行った。 在外公館での投票は公示日翌日(今回は10月16日)から最長6日間(今回は10月21日まで)行

        • 首都解放70周年

          以前ベトナムの祝日が少ないことを愚痴った記事を書いた。 休日ではない祝日を含めると実際には多くあるのだが(例えばお盆)、勤め人にとって休日ではない祝日なんて何の有り難みも無いのが現実。 本日10月10日もまたそんな1日である。 首都解放とは?ベトナムの独立が国際的に認められたのは1954年のジュネーヴ協定(Hiệp định Genève 1954)である。 第2次世界大戦の終結とともに始まった対仏独立戦争(第1次インドシナ戦争、Chiến tranh Đông Dươn

        ポスト・チョン体制の始まり

        マガジン

        • ベトナム政局ウォッチ
          8本
        • ベトナム生活いろいろ
          6本
        • ベトナム旅行記
          7本

        記事

          在外選挙人登録はお済みですか?

          海外に住み始めて2年ちょっと。 住民税を支払わなくなって1年ちょっと。 衆議院が解散されるそうなので、慌てて在外選挙人登録をしてきた。 在留届は2年前にオンラインで済ませていたが、在外選挙人登録はオンラインでできないため、ほっとらかしになっていた。 領事館は平日しかやってないので、窓口に行くのはめんどくさい。 あと2週間で公示日らしいので、そろそろ登録しないと間に合わない(いや、間に合うのか?) 在外選挙人登録とは日本国籍者で海外に住んでいる人でも国政選挙の選挙権を有し

          在外選挙人登録はお済みですか?

          ベトナムの政局と地域対立

          これまで「ベトナム政局ウォッチ」として6本の記事を書いてきたが、今まであまり触れてこなかった地域対立について取り上げてみたい。 ベトナムの地域区分まずはベトナムの地域区分について概説する。 南北に長いベトナムの面積は日本よりやや小さいが、ほとんど変わらない広い国土を有している。 大きな地方行政区画として、5つの中央直轄市(Thành phố trực thuộc Trung ương)と58の省(Tỉnh)に分けられている。 しかし日本人が自分の住んでいる地域以外の県が

          ベトナムの政局と地域対立

          ハノイメトロ3号線に乗ってみた

          念願の開業 長年建設が進められていたハノイメトロ(Đường sắt đô thị Hà Nội)3号線(Tuyến số 3)が8月8日に部分開業した。 2009年に建設が始まった同線は、当初2015年に開業予定であったにも関わらず遅れに遅れ、建設開始から15年経ってようやく高架区間のみが開業した。 地下区間は建設が再開されたばかりで、全線開業は当分先のことになるだろう。 ハノイに住む駐在員の間では「帰国するまでに開業しない」とネタにされ続けてきたので、赴任中の開業を感

          ハノイメトロ3号線に乗ってみた

          ベトナム公安と軍の関係

          前回までの記事でベトナムの次期国家主席は人民軍から選ばれるだろうという予測を紹介してきた。 しかしなぜ人民軍なのだろうかという疑問に対しては明確な説明は避けてきていた。 今回はその疑問に対して答えるBBCベトナムの記事を紹介したい。 党機関・国会において軍と公安出身者が占める人数 ベトナムの最高指導部である政治局(Bộ Chính trị)において公安出身の政治局員が多数を占めているため、ベトナムにおいて公安支配が進んでいるのではないかと見る向きがある。 BBCベトナム

          ベトナム公安と軍の関係

          ベトナム国家主席人事のゆくえ(続)

          ベトナム国家主席の人事は10月まで先送りとなったが、正式に交代の予定が発表されたため、ベトナム政局ウォッチャーは本格的に次期国家主席について予想し始めた。 BBCベトナムで次期国家主席の予想記事があったためこれを紹介したい。 なぜ国家主席が交代するのか現在の国家主席はトー・ラム(Tô Lâm)書記長が兼任している。 国家主席のポストは書記長に続いてベトナム共産党の序列2位に相当するが、序列1位である書記長が兼任する状態はイレギュラーである。 亡くなったグエン・フー・チョ

          ベトナム国家主席人事のゆくえ(続)

          天空のホテルに行ってきた

          バックハーの次にやって来たのはベトナムの人気観光地サパ(Sa Pa)は北西部の山間にある標高1600mの街で、ここは植民地時代に避暑地として開発されたという。 しかしこの日の最終目的地はサパではなく、そこから車で1時間ほどかけてたどり着ける天空のホテルだ。 天空のホテルとはそのホテルは標高1600mのサパから山を下ったところにある。 天空の城マチュピチュも山間の街クスコから山を下ったところにある。 この写真なんてまさにマチュピチュと同じ画角過ぎて驚いた。 後背に山があればな

          天空のホテルに行ってきた

          ベトナム建国記念日に思うこと

          居心地の悪さを感じながら暮らす祝日9月2日はベトナムの国慶節(Ngày Quốc Khánh)である。 ベトナムの数少ない祝日休暇であり、3〜4連休となるためどこも旅行で大賑わいしている。 かく言う私もサパに来ており浮ついた1人ではあるが、この日だけは毎年居心地の悪さを感じながら過ごしている。 国慶節とは建国記念日のことだが、ベトナムは1945年9月2日に独立を宣言した。 ベトナムの独立が国際的に承認されたのはインドシナ戦争の休戦協定であるジュネーヴ協定であり、1954

          ベトナム建国記念日に思うこと

          バックハーの歩き方

          ラオカイから次に向かったのはバックハー(Bắc Hà)という山間の街。 ラオカイ駅から車で1時間半ほどかかる。 距離にして65kmほど。 宿泊したところあまり情報の少ない街だったので、Agodaで評価の高そうなホテルにした。 Bac Ha Charm Stayという街中からは少し離れているが、清潔感があってアットホームなホテルだった。 ホテルのオーナーは英語も話せるので、色々とお願いしやすかった。 帰りのタクシーもオーナーに手配して貰った。 とてもフレンドリーでナイスガイ

          バックハーの歩き方

          中越国境までやってきた

          ハノイ駅〜ラオカイ駅連休前日の夜22時ハノイ駅発の夜行寝台列車SP3に乗り、中越国境の街ラオカイ駅へと向かう。 ハノイ駅には20時半ごろ到着。連休前ということもあり、かなり賑わっていた。 寝台列車のチケットカウンターは駅の2階にある。 代理店のカウンターでチケットを受け取ったら、待合場所で寛いで待つ。 21時になると列車に乗れる。 さていよいよ車内へ。 この時間帯は先発のSP3と後発のSP7があり、ホームもかなり賑わっている。 今回予約したのはSapalyの寝台車両で、

          中越国境までやってきた

          ベトナム国家主席人事のゆくえ

          「ベトナム政局ウォッチ」4本目の記事は、国家主席の人事がどうなるか深掘りする。 国会臨時会議の開催決定ベトナムで8月26日に第15期国会の第8回臨時会議が開催されることが決まった。 今回の臨時会開催では、党中央委員を解任されたレ・ミン・カイ(Lê Minh Khái)副首相とダン・クオック・カイン(Đặng Quốc Khánh)資源環境大臣の後任が選ばれるのではないかと言われている。 カイ副首相とカイン資源環境相は、チョン前書記長の国葬が執り行われた直後の8月3日に中央

          ベトナム国家主席人事のゆくえ

          カオダイ教本山へ行ってみた

          皆さんはベトナムの新興宗教「カオダイ教(Đạo Cao Đài)」をご存知だろうか。 儒教、道教、仏教、キリスト教、イスラム教の五教の教えを土台にして1926年に設立され、ベトナムを中心に数百万人の信者がいるとされる。 カオダイ教の本山はホーチミン市から北西へ約100km離れたタイニン省にあり、ホーチミン市内から車に乗って約3時間で行くことができる。 たった100kmなのに車で3時間もかかるのかと驚かれるかもしれないが、ベトナムの道路事情だとこれが普通である。 今回はプラ

          カオダイ教本山へ行ってみた

          ベトナムは公安支配が進んでいるのか

          2024年7月下旬〜8月上旬はチョン前書記長が亡くなり、ラム国家主席が新書記長に就任するなど、ベトナムの政局が大きく動いた1ヶ月であった。 政治局・書記局の補充人事チョン書記長が亡くなったため、欠員の出た政治局(Bộ Chính trị)の補充人事が8月16日に行われた。 政治局に新任されたのは公安大臣のルオン・タム・クアン(Lương Tam Quang)だが、クアン氏はラム書記長の後任として6月16日公安大臣となったばかりであった。 また書記局(Ban Bí thư)

          ベトナムは公安支配が進んでいるのか