年の暮れのJAにて
「それ、1本だと多いよね、どうすんの?食べきれる?」
私の持ち上げたお大根を見て、知らない人が話しかけてきた。
「おひき菜にしちゃうんです」
「なに、オヒキナって」
お、この会話続くな、と思った。
「千切りにして大量に冷凍するんです。お大根だけではなく、人参もです。それで凍らせたあとにお雑煮で使います。仙台の郷土料理で、本来は雪の下にさらして凍らすんですけどね。冷凍でもいいんですよ、お餅にからんで美味しいんです」
「いいじゃないそれ。どのくらいの千切り?お大根どっち側?」
「火を通したらまもなくお大根が透き通るかなぐらいの細さですね。お大根は白いほうの甘いのが合います」
「残りの辛いほう、どうすんの?」
おやおや、疑問の多いお方だ。
「年越しのおそばを辛み大根そばに。いかがですか?」
「いいね!やってみるよ!」
その人は勇ましい感じでお大根を持ち上げ、買って去っていった。
私は、八百屋か?
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