ふんわり作品シェアお話会Vol.3
2021年12月20日
作品について意見を交換し合う場って、意識しないとあまり生まれないものです。映画の帰り、舞台の帰りに一緒に行った人と語り合うのも良いですが、定期的に作品について分析・語り合う場があると、普段の作品の見方もまた変わるかもしれません。そんなきっかけとなるのがこの「ふんわり作品シェアお話会」です。
ここでは、参加者は、事前に選ばれた作品を鑑賞し(鑑賞してなくてもOK!)、感想や作者の意図などを「ふんわり」語ります。
今回鑑賞したのはKuperman Brothersの『WILL YOU BE OK WITHOUT ME? (AND OTHER STORIES)』というダンス映像作品です。このブログを読んでる方は、ダンサーや舞台芸術に関わる方が多いかと思うのですが、「あえてダンスで表現する」ことの意味ってどのように考えていますか?というのも、本作では「なぜダンスを使ったのか?」という疑問が湧き上がったのです。美しい映像、巧みなダンス。そしてコロナに対するステートメント。
映画と比較するくらいの作り込まれた映像で、見応えがあります。
海外のコンペでも高く評価されている作品だそう。
個人的には、いきなりクオリティの高いダンスが始まることで「おお!踊り出した!!」と別世界に連れて行かれる感覚がありました。物語の世界とダンスの世界が切り離されていて、いきなりダンス、いきなり物語の往復になっている感覚です。また、マスクをつけていない中年女性のビーチのシーンでリフトなど助け合って踊っている姿を見て、「物語上では対立しているのに、ダンスは助け合って(?)踊っているのはなぜだろう」と違和感がありました。そういうことを考えてしまうと、心は物語からどんどんと離れていきます。
演出などで物語に入り込めるようにする手法もあると思うのですが、そもそもの演出に対する違和感を持たせないことも作品に鑑賞者を巻き込む一つの方法なのではないかと、今書きながら考えています。
このような感じで、「ふんわり」とは言いつつも、作品について好きなだけ意見を言えるのがこの「ふんわり作品シェアお話会」。
作品の感想を深ぼってアウトプットする機会ってあんまりないので、とても勉強になりました。言葉にしない思考って、どんどん消えていってしまう感じがする(忘れてしまう)ので、定期的に作品について語れる場があると、その思考が残って作品作りにも生きてくるのではないかと思います。
ちなみに、お話会は今回2時間ほどあり、他にも話題が盛り沢山でした。一部紹介します。
〜今日の話題のお品書き(抜粋)〜
・参加者の近況と自己紹介(今年のトピック)
・『WILL YOU BE OK WITHOUT ME? (AND OTHER STORIES)』を見た感想
・自粛中にできた作品
・オンラインレッスンと稽古
・2.5次元ミュージカルについて
(髙木晴香)