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第2回目「稽古の交換」

2021年6月9日(水)

神戸・新長田に劇場を構えるダンスボックスにて、ダンス・アーティストの広場「Dance Shares」の第2回目、dbの共生プログラムに参加されている、視覚障がいのある武内美津子さんと一緒に、4人のメンバーでダンスの稽古をしました。

前回のオンラインと実来場での、顔合わせディスカッションでも話題に上がった「2Dの世界を、3Dにしていくにはどんな言葉が必要か」これは目の見えない方に、ダンスを伝える上でも共通する部分がありました。

私が今回の稽古はナビゲーターを務める事になり、最初はウォーミングアップも兼ねてヨガを行いました。
呼吸法から始まり、徐々に動きつつ太陽礼拝へ。
言葉で伝えて、美津子さんが動き出すことにより、初めてそこで視覚以外の情報から導き出された体の動きを目にし、修正しつつ言葉を重ねていきました。

終わった後に、「身体が熱いっ!」や、「呼吸法は思っていたイメージと逆だった。」と感想を聞かせてもらい、4人でその時起きた身体の現象について話していきました。

そこから更に、相手の身体に触れる・触れられることで起こるダンスにトライ。参加者の知奈美さんが、「かえって目を閉じた方がやり易い」と。人間という形を視覚的に捉えてしまうと、実は排除してしまう動きの可能性もあるのかもしれません。
ここで印象的だったのは、美津子さんが自分自身の体感を物語りのように話してくれたことです。見えている景色がお互いの身体ではないけど、その話を聞くとイメージが出来る、、、まさに2Dの世界を3Dにしていく言葉のように、彼女の踊りを内側から見るような感覚でした。

「私が目が見えなくなったのは、10年くらい前からで、その前の私もいるのに、目が見えないということだけで私を見ないで欲しい」と仰ったのを聞いて、今回の時間はいろんな意味で無意識に自ら引いている境界線に気づかされる時間だったと感じました。

最後に、マイノリティとマジョリティについての会話になり、dbのような場所に、マイノリティが沢山集まる事でその立場がひっくり返る、そこで視点が変わるということは、先述したように無意識に自ら作った境界線を俯瞰するような、テーブルの上にのせてそれが何なのかを考える時間でもありました。

(渋谷陽菜)

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