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2023年4月の日記~「高校生のお小遣いいくらにする問題」号~

4月*日
息子が高校生になった。
なんとなく曖昧にしてきた「お小遣い」の額について、いよいよ決めなければならない。ぼくが高校生の時のそれは、5,000円だった(と思う)。妻が「私もそうだった気がする」と言うので、「じゃあ、5,000円でいいっか!」となりかけたが、「待て待て、当時とは物価が違うぞ」とも思う。失われた20年だから、さほど変わらないのかもしれないが、最近の物価高は、ぼくも身を持って感じている。
カラオケ、ボウリング、買い食いあたりが使い道だろうと思い、高校生の行きつけ、マクドナルドの価格変遷を調べてみて驚いた。ぼくや妻の若かりし頃が、日本のマクドナルド史上、一番安価だったのだ(モノによるけど)。
例えばビックマック。育ち盛り高校生男子には、ワンランク上の嗜好品だった気がするが、1971年に200円でデビューしたビックマックは、ぼくが高校生の頃は280円で、2003年にはなんと199円になっていた(どういうことだ…)。それが今は450円。サンキューセットなど、夢のまた夢だ。
ということで、5,000円だと厳しいかもしれないとなり、でも1万円はあり得ないともなり、間を取った額で始めさせてみようとなった。

4月*日
2月に舞鶴に新しくつくったアトリエ・オールで、靴ブランド・NAOT(ナオト)と、服飾ブランド・entwa(エントワ)を招いたPOP UP SHOPが始まった。
カンマダイニング(カフェ)の企画部門が独立してできた「アトリエ・オール」。その船出企画になる。船出に合わせて、4月1日に新しくNさんが入社した。3月31日まで小学校の副担任をしていたNさん。「先生」と子どもたちに呼ばれていた毎日が、お客様に「こんにちは」と呼びかける毎日に変わる。それが新鮮で楽しいらしく、笑顔が絶えない。いくつになっても、変化っていいなあと思う。

4月*日
1年ほど前から、文具メーカー・水縞の経営顧問をしている。
月に一度、西荻窪にあるオフィスを訪ね、みんなの話を聞く。嬉しいことも残念なことも色々起こるけれど、活動が停滞しないように、ひっかき回すのが役割だ。
メンバーのひとり・Nさんは、6月に家族でオランダに移住する。子どもが小学校に上がるのをきっかけに(秋入学)ということらしい。退社するつもりは毛頭ないらしく、期せずして、ヨーロッパ拠点ができることになった。
こういう変化を、会社の成長にどう繋げていけるかが、経営手腕なのだと思う。ぼくの経験的に言えば、経営者が狙った変化をメンバーが担うよりも、メンバーが起こした変化を経営に生かす方が結果を出しやすい。サポーター1人の状態から始められるからだ。そういう意味で、変化を起こしてくれるスタッフは、時に厄介モノ扱いされることもあるけれど、やはり会社にとって宝物だと思う。

4月*日
ねこから目線。の京都支社の場所を、太秦にある動物病院横のプレハブ小屋から、出町柳にあるお寺が管理する掘立小屋に引っ越すことになった。プレハブから掘立に、ランクアップのような、ランクダウンのような、はたまた停滞のような、でも掘立には十分な広さと停め放題の駐車場がある!
いずれも代表の小池が引き寄せてきた話で、猫のために人生を捧げる彼女の周りは、この手の話で溢れている。大阪本社で、保護猫の預かり空間の整備費に四苦八苦しているときには、突然50万円を寄付するという人が現れた。純粋な動機は、たくさんの人に届くのだと実感する。ねこから目線。には嘘みたいな話が色々起こるから、いつの日か、ミッションである「猫の殺処分ゼロ社会の実現」も本当に成し遂げてしまうかもしれないと、ぼくは思う。

4月*日
アソブロックで運営委託を受けているWEBマガジンに、10年以上記事連載をしてくださっていた書き手がお亡くなりになった。人はいつか必ず死ぬものだし、編集者歴も長いから、そんな経験も一度や二度はありそうなものだが、ぼくにとっては初めてのことだった。出先で、倒れられたそうだ。
奥さまから、提出〆切が迫った次回原稿らしきものがパソコンに残っていることと、通夜葬儀の日程の知らせが届く。業界ではそれなりに知られた方なので、委託元にも別経路から情報が入り、「ちょっと小耳に挟んだのですが…」とメールが来た。折り返し、「今こちらも連絡しようと思っていたところなんです」などと話す。
10年以上に渡る連載で積み重ねてきた原稿をどうするか、仮に残すとして、プロフィールは変更すべきなのか、途中で終わってしまうことになる今シリーズの原稿をどう扱うか、何より、読者にどういう形で伝えるか。協議したいことは山ほどあるが、まずはお悔やみを申し上げ、ご遺族の気持ちに寄り添うのが先だ。
とはいえ、次回掲載日は迫っている。そういえば、週刊少年ジャンプやマガジンを読んでいた頃、「作者都合により休載」という形で突然飛ぶ号があったな、などと思いながら、状況を整理して、各所に失礼がないようにコトを進めている。

4月*日
ここ10年以上、体重は変わらず、運動も頻回、食欲も旺盛、睡眠は十分。煙草は吸わず、お酒も弱いから量は飲めない。これで健康じゃなかったら、健康って何だ!と叫びたくなるような毎日を送っているのだが、悪玉コレステロールの数値上昇が止まらない。
元々高めで、要経過観察だったのが、去年10月の人間ドックで要治療になり、色々と指導を受け、半年後に数値改善が見られないようなら投薬治療に移行する、と宣告された。まだ50手前だぜ、というのもあり、この半年、大豆製品を食べまくり、ブロッコリーも食べまくり、食生活を中心に改善を試みた(運動や体重管理はもう十分やっている)。
果たして今日、この半年間の成果が表れる血液検査結果が出た。悪玉コレステロール値は……、17増えとった。なんでやねん!

4月*日
家族と子どもを想う出版社・ホンブロックの人気漫画エッセーシリーズ「家族の練習問題」(現在9巻まで発刊中)のLINEスタンプができた。
メンバーのやまちゃんが、コツコツと漫画から絵を抜き出し、セリフを組み合わせて、ラインナップしてくれた。中には「これは一体いつどんな時に使うのか?」と突っ込みたくなるものもある。
ちなみに、作ってみて、利用者さんの感想なんかも聞きながら分かったことは、「おめでとう」や「やったね」などの賞賛系スタンプがほとんどないこと。これは著者の作風なのか、性格なのか、によるものだと思う。
https://line.me/S/sticker/22941549/?lang=ja&utm_source=gnsh_stickerDetail


4月*日
静岡県の児相(児童相談所)職員Yさんから連絡があって、少し話がしたいと言う。聞けば「こんな感じの勉強会ができないか?」という相談だった。その背景にある問題意識は、まとめると以下のようなものだった。
・本来利用者に対し支援的だった児相が、現在はマニュアルに忠実な介入的組織になってしまっていることへの危機感と違和感
・その結果、家族と対峙する形で関りを持つ職員が増え、児相に本来期待されていた機能を果たせているとは思えない
虐待通報の対応に追われ、警察との連携も指示されるなど、ただでさえ柔軟な対応ができにくい状況に追いやられている上に、職員の離職が止まらず、慢性的に人手不足な児相。東京の家族理解ワークショップに最近児相職員の参加が多いのも、同じような危機感ゆえなのだと思う。