団 遊

だん・あそぶ。本名。編集者・経営者・人材育成家・小噺家。昭和49年生まれ。「団遊ヨノナ…

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だん・あそぶ。本名。編集者・経営者・人材育成家・小噺家。昭和49年生まれ。「団遊ヨノナカ編集舎」を主宰し、新しい試みのほか、時々頼まれて原稿を書いたり講演をしたりしています。月初に「先月の日記」を、時々「番外編」も更新します。 https://www.danasobu.net/

最近の記事

2024年9月の日記~「猫は約1万、小中高生は513。みんなの力で、限りなく0へ」号~

9月*日 世の中に「良い会社」がもっと増えればいいなと思っている。 良い会社というのは、当たり前だけど儲かる会社だけではない。もちろんそれも一つ「良い会社」の在り方だろうけれど、それだけではつまらない。 そんな色々な意味で「良い会社」にしたいという思いを抱えた人たちを応援するために始めたRHRBの活動。具体的には「自社に必要な変化を生みたい人を応援する」をテーマにゼミを始めた。題して「内側ゼミ」。 ゼミは全6回で構成されている(各回150分)。第一期の内側ゼミに参加してくれた

    • 2024年7,8月の日記~「線状降水帯がやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! 」号~

      7月*日 アソブロックのホームページが新しくなった。なんだか嬉しい。 今回のリニューアルにおける最大のニュースは、アソブロック史上はじめて「事業を定義した」こと。アソブロックは「人の成長支援プラットホームであること」を存在意義にしているので、これまで「特定の事業はありません」と公表してきた。 その気持ちは今も変わらないのだけれど、主たる事業というのを一度書いてみたいとも思い、何か書けることがないかと考え続けた結果、思い至ったのが「応援」という言葉。 そういえば、アソブロックは

      • 2024年6月の日記~「お金も時間も、余裕ができると、人は案外ダメになる」号~

        6月*日 義理の母と旅にでかけた。 一時期は寝たきりに近く、「臥せっている」という表現がぴったりだった義母だが、食べる量が増えるに従い、まずは持ち前の毒舌が戻ってきた。 やがて散歩ができるようになり、ついに旅へ。この間約4年。元気の源は「食事」だと、改めて思わされた。 4年振りの旅のプランニングを任された私がまず目標にしたのが「また行きたい」というフィナーレを迎えること。 旅の帰路に立ち寄ったロイヤルホストでは、メニューを見るなり、「こんな量は食べられない」と絶句しながらも、

        • 2024年5月の日記~「知ることで景色は変わるが、中途半端な教養は地球を壊すことを実感」号~

          5月*日 贔屓のラグビーチーム「リコーブラックラムズ東京」。 12月に始まったシーズンも最終第16節を迎え、秩父宮にみんなで応援に出掛けた。 我らがラムズは現在12チーム中10位。最終戦を待たずして「入れ替え戦」への出場が決定している。5月末に行われる、文字通り「生きるか死ぬかの最終決戦」のためにも、いい試合をしておきたいところ。 この日の相手は7位のトヨタヴェルブリッツ。40分ハーフの試合は、前半奇跡の頑張りを見せ続け、8対12の僅差で折り返した。 後半12分にはトライを

        2024年9月の日記~「猫は約1万、小中高生は513。みんなの力で、限りなく0へ」号~

        • 2024年7,8月の日記~「線状降水帯がやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! 」号~

        • 2024年6月の日記~「お金も時間も、余裕ができると、人は案外ダメになる」号~

        • 2024年5月の日記~「知ることで景色は変わるが、中途半端な教養は地球を壊すことを実感」号~

          2024年4月の日記~「会社と学校の変化に向けたワンチャンス。猫の話つき」号~

          4月*日 1日に新卒入社した若手社員と「これまで一番カルチャーショックを受けたこと」をテーマに話をしていて、ガックリすることがあった。彼女の一番は、「デンマークに留学した際に、彼の地の多くの大人たちが、利他的で親切だったこと」だいう。それは裏を返せば、彼女は22年間、そのような大人にあまり出会えなかったということでもあると思う。 「皆さん振る舞いが利他的で地元の大分を思い出しました」なら「東京は砂漠だね」と返せるし、「幼き頃を思い出しました」なら「個人主義のなれの果ては利他の

          2024年4月の日記~「会社と学校の変化に向けたワンチャンス。猫の話つき」号~

          2024年3月の日記~「カトリーヌ・ドヌーヴさんがうちにやって来た」号~

          3月*日 スキーに捧げる毎日が続いている。少しでも上手くなりたいと指導を受けていると、先生が「なぜ出来ないのかが分からない」と困っているように見えることがある。 幼少期よりスキーに親しんできた先生は、気付いたらできていたから「なぜできたのかと」「できない人の気持ち」が本当のところでは分からないという。そういう意味では、できなかったところから練習や訓練を重ねて「できるようになった人」の方が教えるのは上手いかもしれない。でも先生の滑りは圧倒的で「ああなりたい」と思う人に師事する喜

          2024年3月の日記~「カトリーヌ・ドヌーヴさんがうちにやって来た」号~

          2024年1と2月の日記~「授業が下手な先生ほどよく喋る」号~

          1月*日 会社の顧問をしてくれている弁護士事務所の先生たちと新年会をした。 新しい女性弁護士さんが入られたので早速ご挨拶。そんな彼女の経歴が興味深かった。法科大学院を出て司法試験に合格した彼女のファーストキャリアはとある弁護士事務所。「まずは経験」と深く考えずに入ったらしいが、入職した事務所は、広告代理店が経営する弁護士事務所だったそうだ。 そもそもそういう主従関係というか、設立経緯の事務所があることを知らないので、「それは広告代理店の事業部みたいな位置づけですか?」と聞くと

          2024年1と2月の日記~「授業が下手な先生ほどよく喋る」号~

          2023年12月の日記~「人は意味を食べて生きている」号~

          12月*日 12月最初の週末。 「どう?就活」というイベントに2日間参加した。 「どう?就活」は友人の西村佳哲さんがファシリテーションをする「働く」と「会社」を参加者みんなで考えるイベント。世田谷文化生活情報センター・中村幸さんの熱意で3年間続いてきた。初年度は私もゲストに呼んでもらい、社長を引き継ぎたての立場から「会社とは何か?」を少し話させてもらったのだけれど、まさかこれを書いている2年後に社長に戻っているとは夢にも思わず。胸を張って早期引退の狙いを話している当日ぼくに、

          2023年12月の日記~「人は意味を食べて生きている」号~

          2023年11月の日記~「全体主義のこわさを部活顧問の外部委託問題で垣間見た話」号~

          11月*日 長年の友人(畑敬子さん、岩崎春夫さん)の会社・HOPの生誕5周年祭に出掛けた。 普段、やや苦手なこともあってこういったパーティーの類は極力避けているが、小噺を一席頼むとリクエストも受けたし、付き合いも長いので引き受けぬわけにはいかぬ、と、到着したのは何年ぶりかの六本木。街を巡回する警備員の国籍の多様さを眺めながら、メルセデスベンツの2階にあるレストランに向かった。 パーティーには100人以上が来ていて(これだけ集める二人はすごい)、政治家のパーティーのようだったが

          2023年11月の日記~「全体主義のこわさを部活顧問の外部委託問題で垣間見た話」号~

          2023年10月の日記~「メルカリでは値段が付かない貴重品を見つけました」号~

          10月*日 あまり感慨はないけれど、それでも節目の日。 今日からまた、アソブロックの社長になった。三代目である。 二代目経営陣は卒業し、気付いたらメンバーはぼくと、長年一緒している総務のやまちゃんと、あと数人。と聞くと寂しい感じもするけれど、会社を「人の成長支援プラットホーム」と定義し、卒業を応援してきた身からすると、それぞれがそれぞれの場所で活躍するのは望んでいたことであって、また新しいメンバーを迎え入れればいいだけのことだ。 でもせっかくなら、初代の頃と違うことをしたい。

          2023年10月の日記~「メルカリでは値段が付かない貴重品を見つけました」号~

          2023年9月の日記~「世継ぎは早いに限ると言い張っていたのに49歳で社長に復帰」号~

          9月*日 新潟県加茂市にある小柳建設さんのオフィスを訪ねた。 小柳建設は、建築業界の革命児的に取り上げられることが多い会社なのだが、タクシーで社屋前に到着した瞬間から、訪ねた4人で驚嘆した。オフィスが素敵過ぎた。 3代目の社長で改革の牽引者でもある小柳さんに色々な話を聞いたけれど、特に印象に残ったのは、「119億円あった売上を、生産性を上げるために65億円まで下げた」という話。「でも、利益額は一緒か伸ばしたので、仕事が楽になって収入は増えたんです」と。 成功体験は、年齢を問

          2023年9月の日記~「世継ぎは早いに限ると言い張っていたのに49歳で社長に復帰」号~

          【第二弾】忙し過ぎた2023年8月の日記に変えて

          過日投稿した「忙し過ぎた2023年8月の日記に変えて」が思った以上にたくさんの人に読んでいただけたので、もうひとつ、「常にイノベーションが起こる組織をどう担保したか」についても、記しておこうと思う。 アソブロックは「事業を持たない」会社であることを志向してきた。普通は「利益を生む仕組み」をみんなで作ろうとするので、逆張りである。 それを可能にしたのは、自分で自分の給与を決める「報酬宣言制度」(下記エントリー参照)も一因だったが、より広く言えば「会社が続くことを必ずしも是とし

          【第二弾】忙し過ぎた2023年8月の日記に変えて

          アソブロックが実践している「報酬宣言制度」について(2023年8月の日記に代えて)

          振り返りも兼ねて日記を綴り、noteに積み重ねているが、2023年8月は忙し過ぎて、何も書けなかった。どのくらい忙しかったかというと、8月のNETFLEXの視聴時間が、なんと0分! これはもう、相当慌ただしくしていたという証左である。   そんな忙しい中でも、連載を落とすわけにはいかないと使命感で書いたのが、所属する対人援助学会の季刊誌「対人援助マガジン」の原稿。そこでは、「団遊の脱線的経営言論」と題し、ここ数回は20年以上の経営者人生で考えてきた「給与」のことを綴った。その

          アソブロックが実践している「報酬宣言制度」について(2023年8月の日記に代えて)

          2023年7月の日記~「名優たちの演技で大盛り上がり」号~

          7月*日 昨年の11月以来、久しぶりに石見銀山にある他郷阿部家を訪ねた。 約半年で2回なのでこれが「久しぶり」なのかどうか微妙なところだけれど、久しぶりと思うということは、ここが第二の故郷化していることの証であり、他郷(もうひとつの故郷の意味)戦略にはまっているとも言える。 朝、散歩していると、中村ブレイズの中村さんに出会った。中村ブレイズは義肢装具製作の日本のトップ企業で、メディアにも度々取り上げられているので、ご存じの方も多いと思うが、本社が石見銀山にある。 中村さんご自

          2023年7月の日記~「名優たちの演技で大盛り上がり」号~

          2023年6月の日記~「1時間15分待って噂のお化け屋敷に行ってきました」号~

          6月*日 小さな広場の仲間たちと一緒に伊根(京都北部)の當間さんを訪ねた。 當間さんとのご縁は友人の建築家・アタケンがくれたもので、アタケンと當間さんは大学時代の友人だった。ともに建築学生だったので、仕事柄今も付き合いが深いらしい。 建築家のみならず、専門職の人は学生時代の友人と仕事で繋がっていることが多く、うらやましい。よくある大学の、よくある法学部出身の私には、そのような仕事仲間がいないのだが、多くの人が同じようなものではないかと思う。 そんな當間さんは、仕事で訪れた伊根

          2023年6月の日記~「1時間15分待って噂のお化け屋敷に行ってきました」号~

          2023年5月の日記~「STOP THE 個人主義のなれの果て国・ニッポン」号~

          5月*日 アソブロックの社長を辞めて1年半が経過した。 今、アソブロックの経営会議には、何人かのアソブロック卒業生が参加してくれている(私は出ていない)。現経営陣が、会社自体の価値変容を試みる中で、何人かの卒業生に声をかけ、有識者メンバー的な立ち位置で関わってもらっているらしい。そんな風に関わってくれているメンバーには、機会があれば「ありがとう」と声をかけているが、返事はいつも「団さんや安井さんや南木さん、アソブロックにはお世話になりましたからね」というもの。しかし不思議なこ

          2023年5月の日記~「STOP THE 個人主義のなれの果て国・ニッポン」号~