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コロナ禍のベトナム

こんにちは。

連日報道されている新型コロナウイルスですが、日本もなかなか感染が落ち着きませんね。ベトナムでも陽性者が確認され、現在も日々対応に追われています。

と言いつつも、ベトナムはコロナウイルス封じ込め優等生と言われています。

このコロナの問題に対して私がベトナムっていいな、と思うところがいくつかあるので、その内容をここでシェアできたらと思います。

※以下はダナンでの話がメインですので、ベトナム国内共通ではありません。

1. ベトナムの初期対応

中国武漢での新型コロナウイルス発生の世界的ニュースが 2019年の年末ごろでしたが、 2020年1月後半のベトナム旧正月から学校は休校となりました。私の働いていたオフィスもその頃からマスク着用義務、警備員による検温が毎日されました。

特にベトナムは北部が中国と国境を接しており、その時はまだ中国人観光客も来ており、日本よりも早くに警戒していました。

2. 社会隔離期間1回目

 3月半ばごろからベトナムでも観光客を中心に感染者が増え始め、日本との定期便も運休になりました。

余談ですが、当時私は旅行会社で働いていたので、「お客様がダナンの空港に到着した途端隔離される」等いろいろな噂が出回り、予定していた観光地は次々に閉鎖され対応に追われていました。。さらにベトナムと日本でコロナに対する温度感が違いすぎてお客様への説明も苦慮しました。。。

 その直後の3月28日からは首相指示で社会隔離期間となり、社会隔離は3週間続きました。この間、病院、食料品店(スーパー、市場、コンビニ)、薬局以外のお店は全て閉まり、ダナンに限ってはレストランのデリバリーも禁止になりました。マスクをしていないとスーパーには入れず、街でマスク非着用、マスクのポイ捨てが警察に見つかったら罰金です。ダナンの皆が大好きなビーチも立ち入り禁止になりました。社会隔離という名の事実上のロックダウンです。みんな自炊せざるを得ない状況になり、我が家に友人が来て作ったご飯を食べる、なんてこともしていました。

こっそり営業をやっていたお店もいくつかありましたが、警察に見つかると数万円の罰金が取られていました。。

さらに、この首相指示は大抵前日の夜発表され、翌日施行されることもざらで、ここまで社会主義を実感した瞬間はありません。笑

日本と違ってベトナムはSARS経験国であることもあり、政府のみならず国民の危機意識も非常に高いと感じました。

3. ウイルス封じ込め優等生と言われる理由

ウイルス封じ込め優等生と言われる理由の1つは、前述した通りの徹底した感染対策です。

そしてもう1つが、7月30日まで死者がゼロだったということです。ベトナムの人口は約9500万人なので日本と比べてもこの数字が優等生と言われる所以だということがわかります。

(NHKニュース:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200523/k10012442531000.html

4. ピンチはチャンス

社会隔離と共に事実上の鎖国状態となり、日本と同様に最初に打撃を受けたのは観光業でした。特にダナンはリゾート地なので、ハノイやホーチミンに比べると観光業以外の企業は少なく、観光業やサービス業に携わる人が多く住んでいます。

そこで、海外との定期便がストップした頃からホテル、お土産屋、マッサージ屋、レストランなどの観光客が訪れる場所は一斉に改装工事が始まりました。普段はお客様の予約を止めてまで行わなければいけない作業を今だ、と言わんばかりにやっています。

コロナでお客さんが来ないというピンチをチャンスに転換した発想です。

5. イギリス人パイロットのケース

この社会隔離期間中に連日ベトナム国内で報道されていたのがベトナム航空のイギリス人パイロットが感染したケースです。

感染が広まってから長らく死者が出ていなかったベトナムでしたが、このパイロットの重篤な状態が続き、初の死者となるかを国民が見守っていました。

そんな中、複数のベトナム人がこのパイロットのために生体肺移植のドナー提供を名乗り出ました。

(VietJo:https://www.viet-jo.com/news/social/200514155436.html)

結果的にECMO治療を受け、自力で回復し無事にイギリスへ帰国されましたが、見ず知らずの外国人のために自分の肺の一部を提供しても良い、と思えるベトナム人って本当にすごいな、と感動してしまいました。

6. お米ATMと0円スーパー

日本と同様、ベトナムでも職がコロナの影響を受けている人が3000万人いると言われています。

そんな生活困窮者のためにお米ATMの取り組みが始まりました。

お米ATMとは、街に給水タンクのような設備が設置されており、そこに行けばお米を必要としている人が決まった量のお米を無料でもらえるものです。お米は主に地元に住む人たちの寄付で成り立っており、設置したのも民間です。

この取り組みはNHKやCNNなどにも取り上げられました。

ベトナムはFacebookの文化が根強い国なので、在住外国人もFacebook上にグループを作って頻繁に情報交換をしているのですが、このお米ATMの取り組みが始まった時も「どうやったら寄付ができる?」「今日お米50kg寄付してきたよ」なんて情報交換や現地報告が頻繁に上がっていました。

(CNN: https://www.cnn.co.jp/world/35152334.html

これと同じような取り組みで0円(ドン)スーパーというものも始まりました。

このスーパーでは1回約500円分(10万ドン)の商品を無料で買うことができます。これも先ほどと同じで民間が自発的に生活困窮者のために始めた取り組みです。

(NHK: https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2020/05/0511.html)

他にもダナンでは、街中で無料でお弁当の配布もやっていました。

国籍関係なくみんなが自発的に寄付に貢献し、「困ったときの助け合い」が本当に実践されている国だなと今回のコロナの問題を通じて深く実感しました。

7. コロナに屈しないベトナム人

こんな面白いデータがあります。

「ロックダウンが終わった後すぐに経済が回復すると思いますか?」という質問に「回復すると思う」と答えた人が8割でベトナムが1番多かったというデータです。ちなみに日本は3割弱です。。

4月のロックダウンの際のものなので、現在は数字が変わっていると思いますが、コロナに屈しないというベトナムのポジティブさ、楽観さが見て取れます。

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(Ipsos:https://www.ipsos.com/en-us/news-polls/many-think-its-unlikely-economy-will-recover-quickly-once-covid-19-lockdown-over)

8月現在、ダナンでは第2波が到来し、2度目の社会隔離の最中です。今回は国内初の死者が出て感染者数も第1波よりも増加したため、隔離期間が長期化し、市場への入場制限など1回目の社会隔離より厳しいものになっています。

ベトナムも日本と同様、むしろそれ以上にコロナの影響を受けていますが、悲観し続けないベトナム人の国民性がきっと早い回復の原動力になってくれると信じています。





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