特定妊婦の解説から優しい社会について考える
おはようございます。
社会福祉士×ダウン症児パパのTadaです。
Tadaのイントネーションはシャカ(聖闘士星矢)と一緒です。
小噺です
最近息子がよく喋る。
この週末なんて、寝てる時間とごはん噛んでる時間以外は何か喋っていた気がする。
9割宇宙語が8割五分宇宙語くらいには成長したかもしれない。
8割五分の中には「惜しい!」って言葉が結構ある。
これがまた可愛くもあるのだが、ST(言語聴覚士)の先生から、
「間違った発音の言葉は、否定はせずに正しい発音で返してください」
といったアドバイスをいただいた(はず)ので、肯定した後に正しい発音で返すようにしている。
最近のおもしろ発音は、
「海苔」 →「んのぉり」
「おくすり」 →「ずぅぃー」
「ヨーグルト」→「よーぐーと」
みたいな感じ。
「うん、海苔ね」
「うん、お薬ね」
「うん、ヨーグルトね」
みたいな感じで返しすと息子は「伝わった」と言わんばかりの満面の笑み。
こんな感じでゆっくりだけど少しずつ正しい発音になっていってる。
ちょっと変な発音がたくさんの今は今で可愛いんだけどねぇ。
でも将来のこと考えると発音上手くなりますようにと祈りながら応援する次第。
さて本題
先日こんなニュースがあった。
このニュース読んだ方います?
読んでも読まなくてもきっとほとんどの人は
どんな人に対してどんな支援がなされるのか
ピンと来ないニュースなのではなかろうか。
だって
「身近に特定妊婦いますか?」
って質問されても大体の人は
「へ?」
ってなるよね。
それは別に不思議なことではない。
世間の認知度は低いものだから。
でも僕は仕事柄
特定妊婦の方々と関わることもあって
こういった制度の充実はとても大切で必要性の高いものだと思ってる。
そんなわけで認知度が低い理由や必要性も含め今日は特定妊婦について少し解説。
まず、特定妊婦とは
もう少し詳しくすると、予期せぬ妊娠、経済的問題、DV、若年妊娠、心身の障害などで子どもを育てるのが難しく、出産前から支援が特に必要と思われる妊婦さんのこと。
引用の通りこの制度の基となる法律は、児童福祉法。なのでこの制度は
子どものために作られた制度なのだ。
「妊婦」とあるから子どものお母さんのための制度に間違えられることもあるけど、子どものためということが大切なポイント。
はいここテストに出ます。
次に、この制度の認知度が低い理由について。
これは2つあると思ってて、まず一つ目、
シンプルに絶対数が少ないのだ。
2009年に児童福祉法に特定妊婦について明記されて、
2010年の登録者875人
2020年は登録者8,327人と約10倍には増えているものの、全国の中で8,300人というとかなり少なく感じるのではないだろうか。
しかも誰が特定妊婦に該当して誰が該当していないかも知る由もない。
これが認知度が低い理由の二つ目。
特定妊婦という言葉は支援者である自治体などが対象者につけるものであって、普通に生活している中で特定妊婦が特定妊婦マークのようなものをつけるわけではない。あくまでも支援者のみ把握しているもの。
ただ、こういう言葉で線引きをすることで支援機関や支援者が誰なのかが明確になったり、特定妊婦に向けての支援のための予算をつけるということが可能になる。
そして
今回の取組みを報道することでのメリット。
良くも悪くも特定妊婦の認知度少しは上がったと思う。ほんと少しだけな気がするけど…。
認知度が上がってこの国の人たちが重要性を感じるならばこの制度に対する予算はよりたくさんついて体制整備も進む。
また、何より潜在的にもっと多くいる可能性が高い特定妊婦の捕捉ができる。
だけどメリットと併せてデメリットもある。
認知度が上がることによってあらぬ嫌がらせや差別が生まれる可能性が出てくる。
マイナスにとれるワードを新たに手にした時にそれを異常に悪く増長させる寂しい心の持ち主が一定数いることも事実。
実際はマイナスでもなんでもないのにね。
最後に僕の考えを。
特定妊婦と一概に言ってもその状況は本当に千差万別。それぞれオーダーメイドのサポートが必要だ。その分たくさんの知識や関係者が必要。だけどやっぱり、子どもは社会の宝だと思っているからこういった制度をもっと充実させて欲しいと願っている。
もうひとつ、
特定妊婦に限らず、どんな人も意外と
「助けて欲しい」
と言えない人が多いと感じている。
それは文化なのかどうかはわからないけど、誰かに助けを求めることも僕はその人の力だと考えている。
ただ、当事者の力に頼っているだけではいけない。社会はもっとヘルプを出しやすくなっていくべきだ。個人と社会の歩み寄りと成長。
これが
優しい社会への近道かなと思ったりする。
おわり。
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