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私と日本美術の特別展への感情と――『〈対〉で見る絵画』に一ヵ月前行って来たわよ!感想

一つだけでも輝きを放っているけれども、複数集まると、より輝きを増すものをご存知でしょうか?
答えは3つ――アイドルと、掛け軸と、屏風です。個人の感想です。

みたいなこととか、私が日本美術の特別展好きやで…ってのををつらつらと語った三分の二の純情な感情と、
残りの三分の一は根津美術館で現在開催中の展覧会『〈対〉で見る絵画』の感想です。
ちなみに行ったのは一か月前です。(遅すぎるレポ)

あとオタク要素と交えた個人の感想なので、美術ガチ勢は「そういう捉え方もあるのね」と生温かい目で見守って下さい。

こんな感じで色々多方面に怒られないように長い前置き書きましたが以下本編。

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私はオタクなのですが、会社の人とかに聞かれた時用にの趣味として「美術館に行く」というのがあります。
嘘ではないです。より正確に言うと、美術館で開催されている特別展に行くのが好きです。

きっかけは大学の時にちょろっと美術齧ってて、課題で展覧会とかに行った時に、
そこの美術館毎に個性があるなぁとか、この展示こうした方が見やすいんだ~とかの美術展の楽しみ方を理解していきました。
さすがに遠征までは出来ないので基本都内の美術館や博物館の興味のある特別展に行く感じですが…
あと勉強していたので和系の美術展に足を運んでます。推し博物館は東京国立博物館です。

特に自分の所の所蔵品とかに関連した美術品をよそとか個人から借りてる美術展は最高です。
自社が主催のアイドルフェスみたいな感じしませんか?コラボの楽曲とか歌ってる感じがしてめっちゃいいと思います。

そんな楽しみ方をしてる私が世界一好きな美術館は根津美術館です。
何故なら私が世界で一番愛している美術品である燕子花図屏風を所蔵しているからです。
(5000円札樋口一葉エディションの裏側に書いてある燕子花の絵の元ネタです)

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10301

この金色の中に燕子花だけを書いた尾形光琳はマジの天才だと思います。
色数を限った中で、こんなに『美』なものを作るのは凄いなぁって思いました。
なので琳派は超好き。超昔にあった大琳派展は最高の催しだった。
(でも琳派って音で聞いてしまうと、うさんくさいマッサージ師的な人が浮かんでしまうオタクなのである)

あと単純にネヅビ(根津美術館の意味)はすごく建物が綺麗。
住宅街にあるのでめちゃめちゃ静かな場所にあるし……
あと建物に入る時に京都の竹林か!?ってなるので美術展をおごそかな気持ちで楽しむぞ~っていう没入感を得られます。

そんな中で今回の美術展に行った理由なんですが、駅のポスターで吉野龍田図屏風がババーんと描かれたポスターを見たからです。
何よりキャッチコピーが良かった…『組み合わせを楽しもう!』ってヤツです。
あと、どんなのが他にあるのだろうと公式HP見に行ったんですが、そこの解説も良かった…

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

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東洋の絵画には、2幅対(ふくつい)や3幅対など、複数の掛幅からなる対幅や、右隻と左隻で1双となる屏風など、〈対〉で成り立つ作品が数多くあります。対幅は全体としてだけではなく、単幅や異なる組み合わせでも鑑賞できる性質をもっています。そのため、伝来の途中で4幅対が2幅ずつに分割されたり、あるいは逆に別々の作品が組み合わされて対幅に仕立てられるということもありました。
(公式HPより引用)
"

これってつまりは、東洋人、ユニットが好き説……なのでは?(個人の解釈です)
だって一つでも輝く美術品がデュオもしくはトリオ、あるいはグループを組むことにより輝くとか!
まさにユニット活動。アイドルみたいなものじゃないですか!二次元へのハマりコンテンツへの当てはめがひどい!

何かまとまりがなくなってきたので、印象に残った美術品の押ポイントを書いていきます。

◆梟鶏図 狩野山雪筆
 フクロウとニワトリが書かれている一対の掛け軸です。
 ポスターにも切り出されているけど、フクロウのとぼけた顔がとてもcute。
 フクロウだけでも単体で戦えるけど、こうしたにいるニワトリと並べると
 ロミジュリのように上を見上げるニワトリと、ニワトリを見つめるフクロウみたいな構図でイイ感じです。

◆吉野龍田図屏風
 ポスターに書かれているヤツです。桜と紅葉が大胆に描かれてるけどタイトルだと分からないヤツ!
 和歌で『吉野(山)』は桜、『龍田(山)』は紅葉の名所だって歌われているからこういうタイトルらしい。教養!
 正直この絵を見て美術館に行くことを決めたので相当の吸引力です。現物もすごかった…
 屏風は金色の背景でいるこが多くこの吉野龍田図も例にもれずそうなんですが、金色の背景が全然目立たない。本当にモブとして徹している。
 かなり屏風ギリギリに描かれた桜と紅葉と枝の大胆構図がに圧倒されてしまいました。生命の躍動を感じた。

◆夏草図屏風
 夏草を黄金背景に描いた屏風あるあるな構図なんですが、解説が超好きだった。
 『二曲一双のこの屏風は対角線構図で描かれているため、左右を逆に置くと不自然になってしまう』
 ※この解説は私の解釈と意訳を含みます!メモした訳ではないのでご了承下さい!!!
 ……固定カプ厨じゃん!!!!!!!!!!(尾形光琳へのハイパー失礼発言)

◆掃象図
 4枚がセットになっているカルテットユニットな掛け軸です。
 一つ一つ見ても絵が丁寧だな~って思うけど、4つ並べるだけで時間の経過とかそういうのが分かる。
 これは近距離で並んでいるところをぜひ見て欲しい。

対の美術展は上記の美術品を特に推しているんですけど、
これ以外にも同じテーマだけど違う作者が同じような構図で描いてたり作っている美術品があるので
そういうのを見比べるのもオススメします!

別の展示室で阿修羅などなどの仏像とか、殷時代に作られた青銅器とかがあるので
仏ゾーンとか封神演義とかを読んでたジャンプ読者にもオススメします!(雑なレコメンド)

あと、フロアを上がって見ることになるんだけど『百椿図』もオススメ。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10701
ネヅビのサイトでも一部公開されてるんですが、椿×モノのイラスト化。
普通に花瓶とか剣山に生けるとかだけじゃなく、扇に乗せたり、ちりとりに乗せたり、カゴの中に入れてみたりしている。他の構図も見てみたい場合は是非百椿図でググって見て欲しい。過去の展示のレポとかあるはずなので。
まさに江戸時代のフラワーアレンジメントのイラストブック。大根の中に入れられてるのがキャワイイ。
あと、現在品種として残っていない椿もいるらしいので、多分植物的な観点でも貴重だと思います!

正直表参道駅から結構歩くし行くの大変だけど、見たらめちゃめちゃ満足できる特別展だったので、
日本美術にちょっとでも興味のある人はぜひ見に行って欲しい~~~~~!!!!!!!!
ちなみに会期は2/11まで!ただしネヅビは基本月曜休館なので2/10はお休みだ!!!
というか美術館とか博物館は確か月曜休みが多かったらか行きたい人は気を付けような!あと二日しかないけど!!!
しかしながら1月から2020年ベストすぎる展覧会に出会ってしまった…満足度高かったし、しばらくは行かなくてもいいかな……

って思っていたら数日前にこんな広告を見つけてしまった……
http://idemitsu-museum.or.jp/
か、狩野派~~~~!!!!!!!!!
植物とかが描かれた絵が好きなので琳派好きだけど、ゴリゴリに唐獅子とか風神雷神とかのTHE日本美術な狩野派も好きだよ~!!!

こんなカンジのレポを書くかは分からんが、会期中には行きたいですね……

(おわり)(イデビ(出光美術館の意)のKano School編に続くかも?)

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