短編 温かいスープを君と一緒に
⚠️注意⚠️ ゆるい百合短編です 苦手な方は回れ右してください。
ベランダでたばこを吸っている私の事をぼんやりとしたお月様が低い空から覗いている。
後ろからそっと抱きつかれた。抱きつかれた手を優しく握る。
「何してんのー」と耳許で囁かれる。たばこを咥えながら振り向き
「危ないから・・・」と優しく諭すとたばこを奪われた。
あっ、という表情をしていたのも束の間、唇に優しくキスを落とされた。
「もう・・・ばか」と言いながらその子のほっぺたをつねる。
「いはい・・・」と言いながらも嬉しそうだ。何か良いことでもあったのだろうか。
「何か良いことでもあったの?」と聞くと
「いつも君が隣にいるから楽しいし幸せなのだよ」とうなじの匂いを嗅がれる。匂いを嗅がれて恥ずかしいのと約5年間の辛かった記憶がふと蘇り、少し泣きそうになる。
私の横顔を見て彼女は心配そうな切ない顔をしながら、
「もう・・・そんな顔しないで・・・」と呟き
「今までの過去とか嫌なこと全部忘れちゃうぐらい私が大切にするからね。」とぎゅうううと優しく抱き締めてくれる。
「やっと、やっとね過去を捨てられそうなの。本当にありがとう。時が経てば忘れられるって本当だったんだね」と泣き笑いしてしまう。
その表情を見た彼女は
「なに~いきなり~」と無邪気な笑顔を向けてくれる。
(その笑顔はずるいよ...可愛いな)と表情に出てたのか、顎くいされて口になかに舌をねじ込まれていきなり過ぎて、激しいキスをされる。
「んーっ!」ってなる。
「もう...ちょっと」と優しく腰を触ると彼女は、
「ちっ」と小声で舌打ちをする。
「こら、舌打ちしないの、少し寒くなって来たから、中入ろう」と言い部屋に戻り、二人で温かいスープを作り、温かいスープを二人で飲んだ。