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ドラマ『孤独のグルメ』は、豆腐ハンバーグなんだと思う。

※こちらの投稿は、個人や作品を批判するものではありません。


ドラマ『孤独のグルメ』、新シーズンが楽しみです。五郎さんが出先でお店を見つけて、おいしそうにごはんを食べて終わり。わかっているのに、つい観てしまいます。


松重豊さんと言えば、ドラマ『きょうの猫村さん』で猫の家政婦を演じられていたのが、衝撃的でした。原作を読んでいただけに驚いたのですが、あのドラマも面白かったなぁ。



ただ、思うんですよ。松重豊さん、別に井之頭五郎と似てないよね。

(猫村さんにも似てないけど)


漫画原作の実写化って、とくに原作ファンの間で、評価が大きくわかれますよね。

世界観によって、実写化に無理が生じる作品もあるだろうし、たとえドラマが人気でも、一部の原作ファンには受け入れがたい作品もあるでしょう。

でもどんな作品であれ、キャスティングって難しいのだろうし、「キャストが全然似てない」となると、残念ながら人気に火がつきにくいと思うんです。


そして、ここからは私の主観なのですが、ひとつ考えたことがあります。


実写化に求められているのは、素材じゃなくて、味づけなのではないか。


素材というのは、役者さんの持っているルックスや雰囲気のこと。

味付けとは、演技やヘアメイク衣装など、役に近づくためのものを想定しています

どちらも、私が勝手に定義づけたものです。


例として挙げたいのは、よしながふみさん原作の『きのう何食べた?』がドラマ化した際、話題となった書き込みです。



かなり過激な内容ではあるのですが、実写化に対するファンの感想として、「なるほどな」と思うことも多い書き込みでした。


私は『きのう何食べた?』の原作を読んでいたのですが、キャストが発表になった際「シロさんは似てると思うけど、ケンジはどうだろうなぁ」と感じました。



素材と味つけの話で言えば、「シロさんの素材はいいと思うんだけど、ケンジはどうだろうか」という状況だったのです。

個人的な所感ですが、ドラマが決まる前から「実写シロさんは、西島さんがいいと思う!」という予想は目立っていた気がしています(ケンジ役に内野さんを挙げている人もいたけど)。



しかし「全巻処分した」の書き込みにもあるように、実際にドラマを観ると「ケンジが動いている!」と感じて。私は西島さんもよかったと思いますが、実写ケンジに大きく感動したんです。

素材と味つけの話で言うと、「ケンジの味つけ最高!」だったんです。


実写シロさんは、私が想定していたシロさんとルックスが近いこともあり、「かなり素材の味が濃いな」と感じました。

おそらく「全巻処分した」の方は、「本人にとっては、よりふさわしい素材があった」と感じている。そしてなにより「味つけが好みではない」と感じたのではないか、と私は予想しています。



実写化作品のキャストが発表になる際、キャラクターと役者さんが似ているかどうかで、「この作品は原作通りになる」「原作を無視している」という評価になることがあります。

しかし原作に忠実な作品となっているかどうかは、実際に観てみないとわからない部分も大きいのです


たとえばハンバーグをつくろうとしているとき、「ひき肉を使えば、ハンバーグができるに違いない!」と考えるじゃないですか。

だけど焼いただけのひき肉よりも、味つけや焼き方にこだわった豆腐の方が、ハンバーグらしくなることだってありますよね。


話題をドラマ『孤独のグルメ』に戻すと、「実写井之頭五郎は、とてもよくできた豆腐ハンバーグ」だから、みんなに愛されるんじゃなんじゃないかと思うんです。



結局なにが言いたいのかと言うと、「実際にはない漫画の世界を再現できる、役者さんや演出にたずさわる方々ってすごい!」ですね。

『孤独のグルメ』新シリーズ、映画『きのう何食べた?』、楽しみだなぁ。

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