コロナ禍を乗り越えた子どもたち ステイホームと学校あるあるyoutuberの相関

みなさんこんにちは
コロナ禍でステイホームしていた時からしばらく経ちましたね。
あの時期と言うのは、学校教育においても大変珍しい時期であったように記憶しています。
子どもたちが家から出てはいけないという制約があり、子どもの生活空間が非常に制限された時期でもありました。
そんな中で、その時期、(今回直接相関があるかどうかまでは調べきれませんでしたが)学校あるある系youtuberと言うのが、大変人気になりました。


1.今回の仮説:子どもたちは学校が懐かしくなり、テンプレ的なあるある学校動画が人気になったのでは?

検証していきましょう。

1.今回調べた対象

うんぱるんぱチャンネル(サッカー、体育教師、生徒指導場面)
土佐兄弟(高校生~先生あるある)
遠井さんシリーズ(教室でのドタバタ劇風コント)

※いずれも、公式HPとウェブアーカイブサービス等を利用して算出


いずれにしても、コロナ禍を中心にチャンネル登録者数が増加しており、(それ以前のデータは少なかったため単純な比較は難しいが)学校に行ったり、そこでコロナ前と同じような学校生活を彷彿とさせる動画は人気であっただろうと推測される。

2.うんぱるんぱチャンネルから、体育教師の威厳と信頼を考える

1.うんぱるんぱチャンネル @unparunpatube8 の概略

体育教師をメインとして、サッカーの監督や、自身がプレイヤーだった時のサッカーあるあるや、学校あるあるなどの再現ビデオ、あるいはフィクションコントが人気を博し、Youtube登録者81万人、tiktok約190万人(2024.01.29現在)のフォロワーに支持されている。
自分自身がサッカー強豪校である、中京大中京高校、系列の中京大学に進学し、確かなプレーの技術とエピソードに基づいてリアリティがある。

複数の動画視聴および裏付けによりみつが作成

コロナ禍の中で人気を博したこのYoutuber、本人が教育免許を持たれているかはさだかではありませんが、大変(少なくとも私にとっては)リアリティのある動画を作成されています。

今回は、こうした取っつきやすい資料を基に、体育教師の実像について迫っていきたいと思います。

2.体育教師は高圧的? 347本の動画から分析する

このウンパルンパさんのYoutubeチャンネルには再生リストが作成されており、その中で(2024.01.29現在)最も投稿数が多いのが、「学校の先生」というリストで、347件も投稿されています。

今回は、その中から、特に体育教師に焦点が当たっている動画約40本を抽出し、体育教師を両面から捉えることを試みました。
(分析に利用したリンクはこちらから誰でもcheckできます)

2-1. 体育教師の特性

体育教師は、少し特殊な職種であるように私は思います。学校の中で、身体能力を教えているのは主に体育科の教師で、単純にガタイもデカい笑

このような性質から、石山(2007)、木村(1991)が指摘するように、学校内で、生徒指導など、「治安維持」という表現が適切であるかは分からないが、例えば子どもたちが学校内で問題行動を起こした際などに頼られやすい科でもあります。

2-2. 石山(2007)による論点整理

現在,学校教育には学力問題,生徒の意欲・モラルの低下,部活動に関する問題,不登校問題,中途退学問題,反・ 非社会的行動の増加など早急に解決すべき問題が山積している。これらの問題には,教科指導,生徒指導,部活動指 導を通じた広義の生徒の人間形成により解決が図られるべきだと考える。この三指導では,特に生徒指導,部活動指導を体育科教員が担当していることが多く体育科教員は生徒指導,部活動指導の教員として他の教員・保護者・ 生徒などに広く認識されていると思われる。例えば,荒れている学校では,自分の授業の空き時間は主に校内の巡回指導にあたるだけでなく,問題行動を起こした生徒の指導もおこない,時には地域住民からの苦情の対応・処理にもあたっている。また,学校・教員が体育科教員に期待しているのは,生徒指導力における,強面・声の大きさ・身体 が大きく,力で生徒を押さえつけることができる等といった体育科教員の外力的能力であり,生徒に対する威圧や校 内秩序を維持するための役割を担わされていると考えられる。

2-3. 木村(1991)から見るデータ

表-2は,校務分掌の担当をみたものである。生徒指導部を担当している(高校)体育教師は, 41.8%を示 し,他の校務分掌よりも非常に高い割合であった。 また,対象教師の 91.4%がこれまでに生徒指導部を担当していた。

木村 博人, 太田 雅夫, 小泉 昌幸, 須田 洋, 鈴木 良則, 三浦 康暢, 須田 柳治, 体育教師の意識・行動に関する研究, コーチング学研究, 1991, 4 巻, 1 号, p. 1-8, 公開日 2022/02/06, Online ISSN 2434-0510, Print ISSN 2185-1646

2-4. 体育教師の子ども達から見た印象・受け止め

こうした責任(期待?)を負った体育科教師の人たちの実際の教育活動は、子どもたちにどう受け入れられているのでしょうか。
中井(1996)では、計1058人の大学生へのアンケートで、彼らが中等教育までで見てきた体育教師の印象を答えてもらっています。

この図から体育教師の特徴的なイメージとして,まず第1にあげられるのが,「健康な人」因子の4.09という高い値である。次いで,「恐い存在」因
子の3.64,「精神力の強さ」因子の3.62というように体育教師の人柄や外見に関する因子が高得点を示している。(中略)ところが,「慕われる人」因子については,得点が2.39と特に低い値を示している。

これらの結果を総合すると,学生がこれまでに教わった体育教師に対して抱く平均的なイメージとしては,次のように捉えることができる。つまり,「体育教師は,丈夫で,精神力があり,スポーツに関わった能力のみならず,幅広い教養を持ったすぐれたスペシャリストで,授業では運動の楽しさなどの情意面に焦点をおいて計画的かつ熱心に指導する人である。しかし,信頼感や思いやりに欠け,生活指導面での厳しい恐い存在である」ということである。

このように、生徒指導に相関があるかまでは言及されていませんが、体育教師と言うのが、その威厳性?が生徒にマイナスに働くこともあったようです。

2-5. 体育教師に関する動画コンテンツの分類による分析

では、その約40件のケースを、このように分類しました
①信頼的:生徒指導などに当たれる力量が生徒にとって肯定的に認識されている
②高圧的:生徒指導の内容が生徒から反発を受けるもので、否定的に描かれている

例えば…
信頼的の例:【荒れてるクラスを抑えにくる先生】

高圧的の例:【生徒指導の先生が体育担当だった時】

体育教師の特性 集団行動の是非
中京大学の教育の特徴

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