世界的ダメブームと日本の小劇場ブームのハイブリッド、映画史で見る今泉力哉監督の『サッドティー』
いきなりだが映画史から今泉監督を見てみる。
世界中で政治に怒れる若者たちが、旧態依然の大手映画スタジオを飛び出し、街でストリートで手持ちカメラでもって映画を撮り始めるのが1960年代前後。
戦後の街でカメラを回したイタリアン・ネオリアリズムに触発され、フランスでヌーヴェルヴァーグ、アメリカでニューシネマ、日本では松竹ヌーヴェルヴァーグなど各国で同時代的に起こる。呼応した若い役者たちも表面の汚さや心の闇など人間そのままの姿を剥き出しに「今ここのパッション」を演じてみせる。
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