観劇「ハリーポッターと呪いの子」-2023.05
去年開幕直後に観た舞台「ハリーポッターと呪いの子」
3回目はもうすぐ交代してしまう石丸幹二さん。
去年藤原竜也さんで観て、今年2回石丸幹二さんで観ている。
光の演出…
一番変わったと思うのは、タイムターナーで過去へ行く部分。
去年は画面全体を走査線のようなチラついたエフェクトがあって、ほんのり酩酊しているような気分になってある意味心地よかった。
それが、今年観た公演からはほのかに舞台面のコントラストが薄く感じられ、歯車等の外枠が揺らめいて歪んでいるように見えたくらいで収まっている。
2幕冒頭の空間を切り裂くようにして出現してくる人物の部分も少し光量が抑えめだったのかもしれない。
全体的に明暗クッキリだったのが少し柔らかく見え闇の部分も目を凝らせば視えるような気も起きていた。
明確な変更ではないので記憶違いかもと言われたら自信はないけれど、全体的に最初は
「ギミックを見せるものか」
という頑なな部分があったのに対して、
「リピートしていれば視えるかもしれない、そのためにまた観よう」
と思えるような隙が出来てきたのは興味深いなと思った。
ただ単に、複数観ることで予測がついてそう感じただけなのかもしれないけれど笑
キャスト…
キャスト全体としては速いテンポの言い回しも慣れて聴きやすくメリハリも出来ているように思えるものの、キャスト組み合わせがめまぐるしくあるためか、慣れのようなものは感じなかった。
公演当初はそれが「稽古不足」と感じることもあるかもしれないけれど、複数キャストはロングランでこそ本領発揮するのかもしれないと感じた。
石丸幹二さんのハリー。
つい先日、「ジキル&ハイド」での変身を観ている。
神経質で不器用なハリー。
珍しく終始余裕のない石丸さんを観ることができた笑
それでも「怒り」を感じたのは一瞬、という素晴らしい切り替えだった。
ハリーが怒りを感じるのは失言をしてしまった自分であり、自分が起こした過去であり、運命だと思っている。
それを人に伝えない苛立ちと言うのを感じる事ができて、より一層人柄を感じた。
作品として…
始めは数々のギミックを観るのに精一杯で、ようやく作品全体を感じる事ができた。
ストーリーは脚本を見ていたために知ってはいたがツッコミどころのある会話のやり取りや展開も全くないとは言えない。
それでも魔法の世界としてCGやプロジェクションを使わず具現化したこの作品は昨今の私の中では特別に感じられている。
本間だり
https://twitter.com/dalidali_h/
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