見出し画像

フィトケミカル成分


私たちが日々食べている食物には、料理の素材というだけではなく、食べる薬としての働きがある。古くから伝わる「医食同源」の考え方。体に良い食べ物を食べるというやつ。この「医食同源」の考え方は、科学的にも正しいことが明らかになってきた。
植物の成分には、3つの機能がある。(機能性食品)
一次機能→栄養面 
二次機能→食事を楽しむ 味覚 感覚
三次機能→生体の生理機能を調整する働き
この三次機能が健康に寄与するということで注目されるようになってきた。

「1日5皿分以上の野菜と、200gの果物を食べる」“5 A DAY 運動”
日本よりも早くからがんの死亡率が増加して深刻な問題となっていたアメリカ。がんについての研究も先行していて、食べものとの因果関係についてもさまざまな調査が行われてきた。1980年にアメリカ国立がん研究所が、「どうやら野菜や果物などを中心とした食事には、がんの予防に効果があるらしい」という報告をした。そして、90年に発表したのが「デザイナーフーズ計画」。がん予防に効果があると考えられる約40種類の食品を、効果が期待できる順に上からピラミッド型に並べた「デザイナーフーズ・ピラミッド」を提示。その中から「1日5皿分以上の野菜と、200gの果物を食べよう」という“5 A DAY運動”を展開。
アメリカではこの運動が行われたことで野菜の摂取量が増え、がんによる死亡率も減少したといわれている。
これは、デザイナーフーズ・ピラミッドにある野菜のフィトケミカル成分の働きのおかげ。
フィトケミカルというのは、6大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)以外の「非栄養素」と呼ばれる微量成分。


デザイナーフーズピラミッド 上にある野菜の方が効果が高い

フィトケミカル成分
①ポリフェノール類→ベンゼン環に複数の水酸基(ーOH)をもつ化合物
植物が紫外線のエネルギーによる傷害や病害虫 菌から身を守るために生成する成分なので、植物性食品には必ず含まれている。

②カロテノイド→イソプレンが8個結合したテトラテルペン。黄橙赤などの色素成分。活性酸素と反応することによって強い抗酸化性を示す。
カロテノイドは調理や加工によって、強い細胞壁の組織が破壊されると吸収されやすくなる。脂溶性なので、油脂を含む食品とともに摂取すると効率的。

③イオウ化合物
野菜に含まれる強い香りを持つ化合物。ニンニクのアリシン 椎茸のレンチオニン ブロッコリーのスルフォラファンなど。揮発性。抗菌作用あり。


甘味・・・はちみつ たまねぎ・・・フルクトース オリゴ糖
酸味・・・柑橘類 リンゴ・・・クエン酸 L-アスコルビン酸
苦味・・・コーヒー グレープフルーツの果皮・・・カフェイン ナリンギン
旨味・・・コンブ カツオブシ・・・グルタミン酸 イノシン酸
辛味・・・トウガラシ コショウ・・・カプサイシン ピペリン
渋み・・・茶 渋柿・・・タンニン シブオール

②色素成分
赤・・・トマト スイカ・・リコペン
橙・・・にんじん かぼちゃ・・α–カロテン β–カロテン
黄・・・とうもろこし ダイズ・・ルテイン
薄黄色・・ダイズ・・イソフラボン
緑・・・ブロッコリー ホウレンソウ・・クロロフィル
紫・・・ナス ブロッコリー・・・アントシアニン

③芳香成分
柑橘類 ・・・リモネン
ミント類・・・lメントール
ニンニク・・・アリシン
ラッキョウ・・・ジアリルジスルフィド
バニラ・・・バニリン
シナモン・・・シンナミックアルデヒド

このフィトケミカル成分が免疫力を高めて、自然治癒力を賦活し、老化防止や生活習慣病の予防に役立っている。そして、野菜だけで摂取するのはなかなか大変よねってことで出てきたのが保健機能食品。トクホ(特定保健用食品)とか栄養機能食品、機能性表示食品など。トクホは食品ごとに安全性や効果を国が審査を行い、消費者庁長官が許可をしたもの。栄養機能食品はサプリなど。これは許可などは必要なく、栄養成分が基準量含まれいれば表示できる。機能性表示食品も許可は不要。届出も出せば機能性を表示することができる。というわけで、きちんと見分けながら自分に必要な栄養素を選びたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?