デュプリケート国標麻将やってみた

結論を最初に書いておく

本記事投稿日 10/18 21:00 より標記ルールのオンライン大会がある。8点しばりさえわかっていれば参加は可能なので、気軽に登録し、ぜひ参加を!

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最近 MahjongSoft というロシアのネット麻将が熱いらしい。対局規則は MCR (Mahjong Competition Rule; 国標=いわゆるちゅんま) と SBR (Sichuan Bloody Rule; 四川血戦) の2つ、リーチは他でやればいいねという割り切り。
なにが熱いかというとタイトルにあるデュプリケートである。

麻将から運の要素を減らすための法案の1つとして、複数の卓で同じ手をプレイし結果の比較によって評価を行うデュプリケート方式が過去に何度か提案されている。コントラクトブリッジなどにヒントを得たものだが麻雀で実現するには非常に手間がかかり、実際にプレイされたのは2015年12月の大会、そのための試行か予選が最初であるようだ。一方これはソフトウェアとの相性がよく、kmo2 さんによるまったり麻雀 (日本ルール) が2008年のアップデートで最初に実装した。個人的には2016年のデンマーク選手権に遠征した際サイドイベントに参加する機会があったが (以下ツイート参照)、以降なかなかプレイすることはできなかった。

しかしコロナ禍に端を発したリモート化の潮流が追い風となっている。デュプリケート方式による国標ルールのトーナメント 1st Online European MCR Duplicate Championship (OEDMC) 
がオンラインで行われる
のに先立って、予選と練習を兼ねた大会が開催されているため参加してきた。

ルール・レギュレーション

プレイするために必ず知っているべきルールは、さほど普通の国標と変わらない。花牌がないほか海底の定義が異なるといった細かな点は大会のページを読めばいいとして、点数計算の変更によって大きく異なったゲーム性を帯びている。

まず普通の点数計算について復習する (つまり知っていれば段落を読み飛ばしてよい)。まずアガリに必要な役によって生じる得点は8点から88点程度である。点和 (出アガリ) の場合、これに8点を加えた点数を放銃者が、8点だけを他2人が払う。摸和 (ツモアガリ) の場合、これに8点を加えた点数を3人全員が払う。つまり摸和は点和に対して最低1.5倍、ミドルクラスの手では2倍以上の得点となる。しかしベースの8点の存在により「ツモるかどうか」より「アガるかどうか」のほうがずっと大きく、できあがった手の打点は二の次である。逆に失点は同じ手を放銃してもツモられても同程度なため、自分のアガリが見えている限りは他家の進行は無視、は言いすぎにしても、構っていられない。

そして今回の (≠ デュプリケート方式の方法としてのコンセンサス) 点数計算について紹介する。点和の場合は同様である。摸和の場合、手役を3で割って8を加えた点数を3人全員が支払う (以下、1/3 ルールと称する)。つまり同じ手なら点和と摸和とで総得点はほぼ等しい。逆に放銃による失点は3倍の打点のツモられと同程度になる。これは賛否あるものと思うが「まあ、こういうルールなのね」と受け入れ「では、どう打とうか」は考えつつ、まだ方針が定まらない。

ここからがデュプリケート方式に特有の評価方法 (とはいえ、コンセンサスは未形成である)。まず評価は局を最小単位とする。今回は個人戦で行われたので、評価も個人を単位とする。得失点は同じ席でプレイした別卓のプレイヤーと比較され、平均に対する差を計算する。たとえば32点の収入を得ても他にもっと高いアガリを取れる手順があり平均が36点であった場合、これはマイナス4点になる。さらにこの得失点差を独自のテーブルに基づいて International Match Point (IMP) へ変換する。IMPを算出するには、得失点差の符号はそのままに、絶対値を、ある上に凸な単調増加曲線の整数近似によって変換する。と文字だけで説明するのに限界を感じたので、面倒くさがりながらもチャートを作り (途中で落ちた Excel へ文句を言いつつ) 掲載しよう。

画像1

チャートの見かたは、得失点差をIMPへ変換するにはブルーの丸を見ればよい。1IMP を「買う」ために必要な得失点差にあたる値をグレーの横棒で示した。換算表はそこらへんからとってきたが、チャートを掲載するにあたって得失点差を実質的上限 (単独役では 88+3×8 = 112) でカットしてある。132点から15ポイント、以降296点から20ポイントで打ち止めとなるが、これは 1/3 ルールが採用されるより前に発案されチーム戦と共用のもので、このあたりのレギュレーションとの関係も含め IMP の定義は今後も見直しが続けられるものであろう。

結果

略。公式サイトから全ゲームの牌譜を閲覧できるので気になる方は詳しく見るとよい。各局のスコアには納得いったりいかなかったりである。デュプリケートの愉しみは終了後に各卓の牌譜を眺めることだが、それをここに書いても誰も読まないだろう。それ以上に、別卓同席のプレイヤーと「あそこでどうした、おまえはどうする」のような話をすることこそが醍醐味だと思うので、次は気軽に話せる方も含め複数で参加したいところだ。

ということで

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