2024/08/14 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス
ギグワーカー働きやすく 賃金・休日、基準明確に
厚労省が指針 待遇改善、働き方多様に
厚生労働省はギグワーカーの待遇改善を目指し、新たな指針を策定して、最低賃金や有給休暇の適用、労働基準法上の労働者要件の見直しを行う。これは、法律と現実のずれを修正するためであり、ギグワーカーは個人事業主と見なされ、労基法の対象外であるが、実際には会社から仕事を受注し、指示を受ける場合もある。労働者としての待遇を明確にすることでトラブルを減らし、企業の負担は増えるものの、全体の賃金上昇にも期待される。人口減少に直面する日本では、ギグワーカーとしての副業が増加し、人手不足の緩和につながる可能性がある。一方で、欧米ではギグワーカーの法的保護が進んでおり、EUやスペイン、カリフォルニア州などで労働者としての権利保護が強化されている。これに対し、一部のギグワーカーは労働者としての扱いに反対する声もあるが、ギグワーカーの重要性が認識され、国や地域ごとに法的対応が進展している。
上場企業、今期1%減益予想
円安修正・米景気に懸念 化学・電機は堅調
利益水準は高く
2025年3月期の上場企業の純利益は前期比1%減少見込みで、増益に転じる見通しはない。業績予想を集計した結果、約1060社のうち自動車や鉄鋼、電力、石油業種は苦戦し、円安効果の低下や米国景気の減速が要因となっている。主要企業の営業利益における為替影響が縮小しており、SUBARUなどは為替の変動に警戒している。一方で、利益水準は高く、過去最高を維持する可能性もある。一部企業は利益予想を上方修正し、AI関連や海運業界が好調だ。25年3月期の進捗率は前年を上回り、今後の環境次第で最高益を達成する可能性もあるという見方が示されている。市場は米国景気の影響や為替相場の動向を注視し、株式市場の見通しも再評価される可能性がある。
巨大IT、AI新興のみ込む 人材・技術引き抜き
資金調達先細り相次ぎ傘下に
「ステルス買収」で審査回避
米テクノロジー大手はAIの新興勢力を取り込んでおり、スタートアップから人材や技術を引き抜く動きが目立つ。生成AIの開発には高額なコストがかかり、テック大手は設備投資を増やしているが、収益の見通しは不透明である。スタートアップの資金調達額は減少傾向にあり、VCからの支援も減少している。AI企業は資金調達できるものの、収益が伸びず苦戦している。テック大手はAI技術を持つスタートアップを次々と買収し、AI市場の寡占を強めている。規制当局はこれらの動きに警戒し、競争法や反トラスト法に基づく調査を進めている。
アジア通貨、軒並み上昇
マレーシアやタイ、ドル高基調転機
景気刺激へ利下げ観
アジア各国の通貨が上昇しており、米利下げ観測が高まっている。これにより、ドル高基調が転換し、アジア通貨の価値が上昇している。アジア各国の中央銀行は景気刺激を目的に利下げに踏み切る可能性がある。具体的には、マレーシアリンギ、タイバーツ、フィリピンペソなどの通貨が高値圏で推移しており、アジア新興国の通貨指数も上昇している。この背景には、米国の景気減速があり、FRBの利下げ観測が高まっている。市場ではアジア中銀が利下げに動きやすくなるとの見方が広がっており、アジアのインフレが鈍化していることも利下げを後押ししている。ただし、アジア各国が安易に米国に追随して利下げすると、通貨安リスクもあることに注意が必要だ。
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