安田淳一監督の渾身作『侍タイムスリッパー』を観てきた。
9月19日(木) 安田淳一監督の渾身作『侍タイムスリッパー』を鑑賞。
池袋シネマロサ1館上映ということで、鑑賞を諦めていたのだが、急遽全国展開の朗報!
比較的身近なTOHOシネマズららぽーと横浜で観てきた。
自主製作映画の時代劇という時点で常軌を逸脱しているが、完成度は文句なしに高く、激しく面白かった。
ストーリーは幕末の会津藩士・高坂新左衛門が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディ映画。
これだけなら、よくあるタイムスリップもの映画なのだが、徹底したリアリティーと中盤からの「そうきたか!」と思わせる展開が素晴らしい。
この映画の面白さのキモは、現代社会に紛れこんだ侍を徹底してリアルに描いた点にあるとみた。幕末の会津藩士・高坂新左衛門を演じる山口馬木也がたたずまいが本物の武士にしか見えない。だからこそ、現代社会に紛れこんだ侍の悲喜劇が引き立つのであろう。
笑いだけではない。剣技も本物で迫真に充ちたラストバトルは息を飲む素晴らしさ。
ライバル役の冨家ノリマサ、殺陣師関本を演じた峰蘭太郎、切られ役の安藤彰則他の出演者の剣技も本物。
ヒロインの健気な感じもいい。
住職夫妻や撮影所所長井上、切られ役者たちによる人情味溢れるコメディパートもよかった。
全国展開も納得のおもしろさだ。