見出し画像

高級食パンと大豆食

さて、今年最初のテーマは「高級食パン業界から大豆加工業者の未来を考える」にしました。皆さんご存知だと思いますが、今空前の高級食パンブームになっているようですね。私は普段パンをあまり食べない派なので、最近まで知らなかったのですが、東京、大阪はじめ全国各地に新規のお店が出店され、どのお店も開店一時間以上前から行列ができるほどの盛況ぶりのようです。価格帯はどのお店も1本700円〜1000円ほど(スーパーで通常販売されている食パンは150円〜200円位)先日テレビでこのことを初めて知り、大豆加工業者の方々に何かヒントになることはないか考え、今回このテーマにしました。

では早速、高級食パンとは?
素材や製造方法にこだわった食パンだけを売る業態で従来の食パンにはない風味と食感が消費者を魅了しジワジワと広がる高級食パンブームとともに、年々ヒートアップしている市場。その中でも人気のお店を紹介致します。

食パンだけで年商100億円に達した人気店「乃が美」高級食パン市場の先駆者として知られているのが、大阪市に総本店を構えるお店で、関西エリアを中心に出店を拡大、販売するパンは、焼かずに食べられる「生」食パン1種類のみ。価格は1本864円(税込)通常の食パンの2倍以上しますが、味と品質へのこだわりが口コミで評判となり、現在は首都圏を含めた全国各地に110店以上の店舗を展開。単品販売で1日2万本以上を完売し、2018年に年商100億円に達したそうです。ではなぜ1種類の食パンしか売らないのか?
もともと外食店を経営していた乃が美の社長は、景気に左右されない食ビジネスを模索する中で、「赤福」などの老舗が生き残った理由を考え、その結論は、ひとつの商品に特化すること。会社の代名詞になるような唯一無二・日本一の商品があれば、流行や世情を超えて支持されると考えたそうです。 そんな折、乃が美の社長が慰問した老人ホームでお年寄りが食パンの耳を残しているのを見て、ある事に気がついたそうです。「大手メーカーの食パンはいろいろあるが、耳の美味しいパンはない」そこで、食パンに特化したビジネスを思いつき、粉の種類や原料の配合、焼く温度や時間などを変えて2年以上研究を重ね、ついに耳まで美味しい「生」食パンを完成させたそうです。
こうして生まれた乃が美の食パンは、ほんのりとした甘みがあって、耳までしっとりモチモチで柔らかく、手でちぎってそのまま食べられるのが特徴です。
オープンしたばかりの頃は値段にシビアな大阪人から「高すぎる」と批判されたそうですが、次第に「安いね」に変わり、今では「食パンはこれしか食べない」という根強いファンも。自宅用だけでなく、手土産などのギフトとしても人気があるそうです。
先述で「高級食パンブーム」と書きましたが、実はもう6年ほど前からこのブームは始まっていて、もはや一過性のブームではなく、業態として定着しています。日本人のパンの消費額が米を抜き去った近年、大手パンメーカーも品質を追求した商品作りを進めているが、消費者のこだわりは大手だけでは対応しきれません。そこを突いて、専門店の高級食パンが消費者の「プチ贅沢志向」を満たし、ギフトにも使える新たな市場や希少価値を生み出したように、日常の身近なモノやコトの中にも大きな商機があると私は考えます。
また、高級食パンが市場に出るようになってから、実は食パン全体の消費量が増えているのも事実のようです。
これらをヒントに
消費者は決して安い商品だけを求めていない。
原料や製法にこだわることはもちろん、それを 上手く消費者に伝える
自社でしか作れないこだわりの商品を追求する。
安いから買うではなく、美味しいから、たまにプチ贅沢をしたいと考えてる客層を見つけること。(コトを買いたい客層)ではないかと思います。

皆様が日々苦労して作られている商品の価値を今以上に消費者の方に知ってもらい、「お豆腐って、納豆って、味噌ってすごい美味しい!この商品だったら○○○円でも全然高くない!」そんな業界を目指していきたいですね! 今年一年業界全体が昨年以上に盛り上がることを祈願致します。

sou