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常識を疑うこと

2月は節分の時期ですね(節分の日の2月2日執筆)最近の節分は東北でも「豆まき」から「恵方巻」に変わりつつあるので、豆屋としてはちょっと残念な気持ちになります。もともと恵方巻は大阪が発祥らしいのですが、平成元年に広島県のコンビニが商品化したところから年月を経て全国に広まっていきました。
スタッフには「もし豆まきもしないで恵方巻だけを食べたら解雇よ(笑)」と話していますが、無視して恵方巻だけを食べているような気配がします(笑)
今年は実に124年ぶりに2月3日が立春で2月2日が節分となったそうですが、めずらしいですね!各地ではコロナの影響で豆まきを中止したところも多いようなのでそれが残念で仕方ありません。

さて、1月7日放送されました「カンブリア宮殿」。ご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?弊社の納豆を取扱いしていただいている東京の株式会社ウルトラキッチン365日様(パン屋さん)が取材されたようで、テレビの中で社長さんが弊社の納豆をお気に入りと話をしてくださったので、通販でご注文をたくさんいただきました。(やっと落ち着いてきました)
これまで月に3件とか5件だった通販が(汗)、急に1日で何十件も入るものですから、新年早々納豆工場はてんやわんやで…。新しいスタッフも入ったばかりだったので結構大変でした。(非常にありがたいし、嬉しい悲鳴です)

さて、ここでちょっと365日さんのご紹介を。
日本には1万店以上のベーカリーがある中で、こちらの店舗は「常識破りの新食感ベーカリー」とご紹介されるだけあって、様々なものにこだわっています。常時60種類以上のパンを並べていますが、そこには先ず「常識を疑う」というところから商品開発にかかるというポリシーがあるようです。
お客様は全国から来店されるようで、一様に「ここのパンは他と全然違う」と言っているのがとても印象的でした。
他とは違う様々なこだわりをテレビでは紹介されていましたので、ちょっとご紹介しますね。

1)小麦は全て国産で17種類使っていて、パンの種類によって配合を変えている
2)通常は4時間かけて発酵するところを2時間で発酵させる。(時短で糖分の減少を抑えるとのこと)
3)カレーパンはザクザク感を残すためにあえて油で揚げず、オリーブオイルをかけて焼く(冷めても食感が残って美味しい)
4)ハムもベーコンもあんこも全て自家製(小豆は手選別までするこだわり)
5)あんぱんはパンとのバランスを考えてあんこ少なめであんは下にする(あんぱんのあんこは下の方にあったほうがすぐあんこを感じられて美味しく感じる)
6)メロンパンの生地はミキサーではなく手でこねる(粉がきめ細かくなる)
7)クロワッサンは真ん中の層の部分がサクサクするから層の面積を増やすことを考えて作る(最初の一口目からサクサク感を味わって欲しい)
8)全般的にパンをあえて小さく作る(お客様にいろんな種類のパンをいっぱい食べていただきたい)

これらの背景には、「これが常識と言われていることを鵜呑みにしないで作る」「素材の良さを一番うまく引き出すためにはどうしたら良いかを考えて作る」などの哲学があるそうです。武道の世界にも「守・破・離」がありますが、先ずは「守」師匠やその流派からの教えを忠実に守る事、「破」他の師の教えや他の流派の教えなどからも考えて良いものは取り入れていく事、「離」はそこから離れて独自の新しいものを生み出していく事。この「離」の段階まで成長していく事によってその店舗の独創的な商品が生まれるのだと思います。

また、テレビの中で、「国産小麦はやっぱり良いですか?」の問いに、「国産は味と香りが強く個性がある」「地域や品種によって個性があるので、その色々な種類を使うのが楽しい」とおっしゃっていました。大豆もまた地域や品種がたくさんあり、個性豊かなのでこの業界にも通じる話だなと思いました。
私どもの運営している店舗では「タホ」という商品を提供しています。
タホは黒蜜をかけてトロッと食べるフィリピンの豆腐スイーツで、安価で健康にも良いのでフィリピンでは愛されているおやつです。このタホは当社では豆乳をゼラチンで固めて作っていて、これに生クリームを乗せるととんでもなく合います。邪道かもしれませんが豆乳を固めるときに「にがり」「すまし粉」「グルコン」以外の凝固剤も考えてみていただいても面白いかもしれません。
先ずは一般常識を疑ってみるのも一案かと存じます。

jun