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経営

会社を存続させるにあたって「経営」をもっとしっかり考えるべきだと思っています。せっかく良いものを作っていらっしゃるのに廃業や倒産が後を絶たないのが本当に残念で仕方がありません。会社が苦しくなることの原因第一位は「販売不振」なので、販売戦略を含めて経営をしっかりと考えていかなければならないと私は思っています。
私たちの業界は「職人と経営」の両方を兼業している会社が非常に多く、それ自体は悪いことではありませんが、一人二役の兼業でやっていけるほど簡単な時代ではなくなりました。
アップルの創業者スティーブジョブズも「いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければないのと同じ」と言っています。この良いものを伝えていくのも含めてしっかり考えていくのが経営者の仕事だと思うのです。

どんな原料を使い、どんな味で、どんな商品を作り、どんな包装で、どんなデザインで、どんな大きさ(量)で、どんな戦略で、どんな価格で、どこに販売していくのか。またどうやって宣伝していくのか、それを誰に買って欲しいのか、どんな機械を買うのか、社員を雇うのか、インフラはこのままで大丈夫か、売上をいくらにしたいのか、どんな会社にしたいのか、自分はどうなりたいのか…考えなければならない事は無限にあります。
大企業であれば上述した販売戦略を考える部門がマーケティング部などであるかもしれませんが、中小企業では社長1人がほぼ担っているといえるでしょう。
日々お忙しいかと思いますが、何をおいても販売戦略をじっくり考える時間を作ることが中小企業の経営者の仕事(責任)であると思います。

先日お客様からこのような話を聞きました。
「現状を変えたい、このままではいずれダメになる。でも何をやったら良いかわからない」
私たちがお客様を回って聞く話の中で、もしかしたら一番多い話かもしれません。
ですが本当に現状を変えようと思っているかどうかがクエスチョンです。新しい事にチャレンジすれば火傷を負うかもしれませんし、取り返しがつかなくなるような事にもなるかもしれません。ですがチャレンジしなければ火傷も怪我も失敗もしないかわりに無難な人生が待っています。行動ができない人はこの困難の無い人生を潜在意識で選んでいるのではないかと思います。もちろん価値観は人それぞれですので、否定するつもりは毛頭ございませんが、経営者は辛くても前に進む決断を常にしなければならないように私は思うのです。

散々偉そうな事を書いてきましたが、私も未来が見えず苦しい時期がありました。
この苦しい時期を経験し学んだのは、経営をしていれば楽しい時期は楽しいし、苦しい時期は苦しいという事です。それが人生なんだなと。人生良いことも悪いことも続かない。
そもそも世の中は「因果応報」でできています。(と私は信じています)
因果応報は良い行いか悪い行いか、それによりちゃんとその行動に相応しい報いが現れるという仏教用語です。一般的には自業自得のように悪い方に使われることが多いと思いますが、本来の意味は良い行いをした者には良い事が、悪い行いをした者には悪い事が起こるという意味です。

「平家を滅ぼすは平家」という言葉もあります。歴史上は源平合戦で源氏が壇ノ浦の戦いを制し平家が滅亡したという事ですが、実際は驕り高ぶった平家が地位と権力で好き勝手をやっていたので、滅んだのでは無いかとも言われています。
平清盛の死は熱病(マラリア)と伝えられていますが、平家物語では体が暑すぎて、水風呂に入ると水がお湯になるとか、体に水をかけるとすぐ蒸発するとか(ほんとかな…)未だ不明な点が多く、東大寺や興福寺を焼いた仏罰ではないかという説もあるくらいで、いずれにしてもかなり悪いことをしたのかもしれませんね。

そのように因果応報と考えると「会社を滅ぼすは社長」とも言えるかもしれません。
「世の中が悪い」「景気が悪い」「社員が悪い」「消費者が悪い」と言って何も対策をしなかったり、威張り散らしたり、調子に乗りすぎたりすれば会社が傾いても仕方がないと思います。
悪い流れを脱却するためには、自分がやるべきこと、正しいと思うことを法人としても個人としても愚直にコツコツ努力を行う事が良いのではないかと私は思っています。
常にお客様に最大限喜んでいただけるように考え、行動し、スタッフにも社会にも貢献するように人生を生きて入れば悪い事は起こりにくいように思っています。

この大事な大豆は自戒の念もたっぷり込めて書いています。本来は立派なことを言う立場や人間ではない私が少しは成長ができたのは、ひとえに心の広いお客様に助けられ、教えられ、時には厳しく叱っていただいたからこそここまでこれたのだと思っています。私を育てて下さった先輩方の恩を胸に刻み、その受けた恩を今度は若い世代に返していくつもりで生きていこうと考えています。

jun