見出し画像

遺伝子組換え表示制度について

6月29日。
各地で猛暑日が続いていて、全国15の都県で過去最高を更新しているようですね。本日は群馬県伊勢崎市では気温が40度を超えるという事態になっています。このような暑さの中、関東周辺では電力需要逼迫注意報発令という心配もあり節電も求められています。皆様におかれましても体調には十分ご留意くださいませ。

さて、今回は変更になる遺伝子組換え表示制度について書いてみたいと思います。2023年4月1日から遺伝子組換えの表示が一部変わりますので、注意点をまとめてみますね。表示制度の変更をお知らせする前にこれまでの表示についてを説明したいと思います。

遺伝子組換えについての表示ですが、「義務表示」と「任意表示」の2つがあります。
【義務表示について】
「義務表示」が必要な場合は、遺伝子組換えが5%以上混入している可能性がある原料を使った場合です。この場合は適切に分別生産流通管理が行われていませんので、遺伝子組換えと非遺伝子組換え農産物が分別されていない旨を消費者にわかるように必ず表示しなければなりません。表示例としては「大豆(遺伝子組換え)」や「大豆(遺伝子組換え不分別)」などがありますが、不分別という表現が消費者にわかりにくいので、具体的に説明文を付記しましょうという話も出ています。

【任意表示について】
遺伝子組換え混入率が5%以下が担保された大豆を使っている場合は2通り方向があり、1つはそもそも遺伝子組換えの表示自体をしない、もう1つは表示をしっかりする。表示をしっかりするを選ばれる場合は、「原材料に使用している大豆は遺伝子組換えの混入を防ぐため分別生産流通管理を行なっています」や「大豆(分別生産流通管理済)」または「大豆(遺伝子組換え混入防止管理済)」などが挙げられます。いずれにしても先ずは遺伝子組換えについてを商品に表示をするかしないかをメーカーさんが決めることになるかと思われます。

まずはその義務表示(以前と変わりなし)と任意表示(変更あり)を踏まえた上で、現行制度と新制度の違いは、

(現行制度)
非遺伝子組換え大豆(NON-GMO)であれば遺伝子組み換えが5%以下いうのを海外から送られてくるIPハンドリング(分別生産流通管理)によって担保されていました。見方変えれば5%までは遺伝子組み換え大豆が混入していても遺伝子組み換えではないまたは遺伝子組み換えではないものを分別という表記が可能でした。

(改定後)
今後は遺伝子組み換えではないという表現が遺伝子組み換え混入率0%を示す表現となりますので、万が一どこかで混ざってしまったりする可能性がある以上は遺伝子組み換えではないという表現は使わない方が得策のではないかと私は思っています。現地で見てきたからわかりますが、95%前後が遺伝子組換え大豆のアメリカで、完全に分別して出荷すること自体不可能で、輸入大豆を使っている以上混入率0%ははっきり言って無理です。現にほとんどの大手メーカーは遺伝子組換えではないという表現は使わない方向で話が進んでいます。これらを踏まえますと表示しないあるいは表示する場合は分別生産流通管理済のどちらかになるのではないかと思われます。

現在国産大豆は流通されているもの全て遺伝子組み換え大豆ではないので、国産大豆を使っていれば遺伝子組み換えではないという表現は大丈夫でしょうと思うかもしれませんが、製造の過程で輸入大豆と混ざる可能性があることなどの万が一の混入を考えるとこの表現は避けた方が良いかと私は思っています。

弊社では国産大豆しか扱っておりませんので、輸入大豆の混入可能性は0です。ですので弊社から出荷される大豆に遺伝子組換えではありませんという文言の書類は出せますが、もしメーカーさんの方で混入する可能性がある場合は責任追求はメーカーさん側にいくようなので、そのあたりを考慮するとやはり遺伝子組換えではないという文言自体使わないという方向が良い方向かと思います。

どうしても記載したい場合は、「分別生産流通管理済」「IPハンドリング済」「IP管理済」「遺伝子組換え混入防止管理済み」などの表現は記載できますが、国産大豆の横にIP管理済と書いてあっても消費者の方には逆に怪しい感じがするような気がします。

皆様もその辺を考慮して、どのように表示をしていくか考えてみてくださいね。

jun