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3、あなたの幸せが一番

 「この歌を聴くとあの時のことを思い出す。」きっと多くの人が感じたことがあると思います。
あなたの家族や友達、さっきのコンビニの店員さん、煙草をふかす女の人、みんなそんなものを背負って生きているのだと思います。

ある程度の年になると、過去の恋愛について語るのは恥ずかしいような気もしますが、忘れるよりかはいいと思って書いてみます。


  • あなたの幸せが1番(LEX)

    この歌を聴くと、中学生のときに初めて本気で好きになったある人のことを思い出します。

    周りが茶化すくらい仲がいい2人だった。これこそが男女の友情だと思っていた。でもいつのまにか、授業中だって休み時間だってその人を目で追ってしまう。ありきたりだけれど、本当にそうだった。メールのアイコンに通知が来ると胸がドキドキした。高校受験が終わり付き合ったがすぐに別れた。良くも悪くも、汚れることなく過去になり、忘れられなくなってしまった恋。

    大学生になって私に恋人ができ、成人式後の飲み会の後LINEで「お幸せにな」とだけ言い残していった。
    今度はあなたがお幸せにね。


  • バラ色の日々(MOROHA)
    痛いほどリアルに過去の恋について歌っている曲です。ぜひYouTubeから、みなさんに聴いてほしいなと思います。

    大学生になったばかりの頃、私はサークルの先輩に恋をした。目が合っても彼の中身を少しも覗き見ることはできない。暗い瞳の持ち主だった。それなのに、ただ純粋にギターを楽しむ彼の姿が何よりも美しく見えた。心が震えるような恋の始まりだった。

    そんな彼がときどき弾いていたのがバラ色の日々だ。正直悪い男だった。「私にとって」の悪い男で、所謂「思わせぶり」というやつである。私の恋愛観が壊れ始めたのはこの時からだった気がする。こんなにも報われなかった恋は初めてで、当たって砕けろ精神だった私が人に期待しないこと、自分の気持ちに嘘をつくこと、駆け引きをすることを覚えたのはこの時だった。もっと素直な人間でいたかった。 

    恥ずかしくて痛い、言うなれば若気の至りだけど、ただ一心に人を愛して彼の音楽に涙した私の根っこだけは、大切にしていたい。


  • I Love You So (The Walters)

    これは大学生の時に付き合った彼に振られた時永遠にリピートしていた歌です。「本当に愛してたのに…」その一心がこの歌には込められている気がします。

    嘘つき!嘘つき!嘘つき!そんなのが1番大きかった。理想の彼氏だった。彼は、寝ている私に毛布をかけてくれる人だった。私の食べたいものを作ってくれる人だった。私の相談を文句も言わずウンウン聞いてくれる人だった。だからこそ振られた時は全てが嘘に思えた。振るという行為によって結果的に嘘になってしまったのだ。こんな極端な考えになってしまっていた私は、本当に彼が好きだったのだと思う。

    今一つ大人になった私は、私を見る彼の優しい目尻の皺を思い出して、一瞬でも愛してくれていたのかもしれないと思う。たとえ全てが嘘になってしまったとしても、ひとときでも幸せにしてくれた彼を憎むのはお門違いなのである。もう確かめようもない過去になってしまったのなら、あるものを数えることの方が幸せなはずである。

    きっと恋愛は、許し、許される関係(そう思える相手と付き合う)でなければうまくいかないのだと思う。実は私も彼も、許すことが苦手だったのだと思う。


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