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孤独の克服 ~豊かさの編~

事情



私は、様々な事情で長年一人モノでいたわけだが主な事情に「モテない」というものがあった。


あれ??


違う違う。

もう一回。

私は、様々な事情で長年一人モノでいたわけだが、主な事情に「モテない」とい・・





あれ・・?


私は、長年、、なんで一人モノだったんだ?!(モテない以外に!)

そうだ、金がなかったんだ。

あることにお金を注ぎ込む必要があったため、とてもじゃないけどデートなんてしている余裕はなかった。



私の先祖は仮にも細川藩の武士である。
いくら愛があるからと言えど、婦人にご馳走してもらい続けるような関係にだけは絶対になりたくなかった。


(恋愛は余裕が出来てから)と思い続け、ついに極僅かなゆとりを得た私に丁度、今の彼女が現れたわけである。



さぁ、やっと普通の紳士がしているようなデートなりプレゼントが出来るぞ!!と意気込んでいた私だったが

そこに現れたのは「近所の河原に遊びに行きたい。」なんて言っちゃう人である。

で、何したかっていうと、シャボン玉吹いて遊んじゃった。



私はこの日、武士の末裔としての尊厳を保つため、近所のコンビニで一番高価なジュースとパンを買って手渡すことにした。

満面の笑みで受け取る彼女に、一生懸命に働く意味を考えさせられたが、
そこには余りに小さく眩しい幸せがあった。




因みに一人でこの河原に来ていた時の私は、難し気な本を広げ、遠くの家族連れを見ては微笑んでいた。


(はしゃいでんじゃねぇよ)と思いながら。



でも今なら間違いなくこう思える。








(はしゃいでんじゃねぇよ♪)

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