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40代になった辺見えみりさんのライフスタイル 自分に合った頑張り方、サボり方を手に入れて「いい加減」で生きる

辺見えみりさんの最新刊『重ねる時間』(5/25発売)をご紹介します。

 40代になって思うこと、日々の暮らし

重ねる時間-27

    私は「いい加減」という言葉が好きです。
 マイナスの意味もある言葉ですが、私はいいバランス、良い加減になっていくという意味で捉えています。凝り固まった、こうでなくてはいけないという生活や考え方ではなく、自分に合った頑張り方、サボり方を手に入れていいバランスで生きていくことが、40代の私のテーマでもあります。
 そのためには、「自分を知ること」が大切だと実感しています。自分を知るためには、「重ねる時間」のなかで何に違和感を抱き、何に心が動かされているのか、自分を観察してみること。「とりあえずこれでいいや」ではなく、「これがいい!」と心から思うものを求めていく、そんな毎日を目指し
ていけたらいいなと思っています。
(はじめに より)

40代になって見えてきた、仕事との向き合い方、家族との過ごし方、大切な人との付き合い方——。
辺見さんのライフスタイルには、忙しくても自分らしさを見失わず、好きなものと過ごす贅沢な時間があります。
センスが光る辺見えみりさんのライフスタイルを、のぞいてみましょう。

重ねる時間-58

                             

朝の光と影探し

重ねる時間-7

    朝5時50分―。
 都会なのに外はどことなく凛とした静けさがあるこの時間が、私はたまらなく好きです。
 時間と一緒にちょっとずつ移動しながら、部屋のあちこちに現れる光と影を追いかけていると、ちょっと重たかった体も心も自然と目覚めてくる、そんな気がするんです。
 春は少しあたたかくてやわらかい光、夏は鋭くて元気な光、秋は少し寂しいけど大人びていて、冬はまだ薄暗いんだけど凛とした光。日が長くなったな……とか、できる影と光の出方が変わったな……とか。そうやって、目覚めとともに感じる季節のめぐりゆく時間を、一日一日ちょっとずつ感じるのってなんだかとても贅沢だなと思うんです。
(朝時間 朝の光と影探し より)


娘と花を選ぶ喜び

重ねる時間-50

    娘が5歳くらいになったとき、「お友だちの家にお花を持っていきたい」と、自分から言ったことがありました。なんだかすごくうれしくて、彼女の好きなお花屋さんに向かいました。 
 誰かを思ってプレゼントを選ぶ。大人になった今でも楽しい時間です。そのなかでもお花を選ぶ時間は格別。7歳になった娘は、私の誕生日にも、私をイメージしてお花をプレゼントしてくれるようになりました。
(昼時間 娘と花を選ぶ喜び より)

ひとり掛けイスの存在

重ねる時間-64

    正直、ひとり掛けのイスっていらないと思うんです(笑)。
 素敵な大人はみんな家にひとり掛けイスがある、という事実に気がついてしまったのです。
 ひとり掛けイス=絶対になくてはならないものではない=贅沢なもの=大人の女。私の単純な図式ができあがり、初めて「ここにひとり掛けイスがあったら素敵かもしれない」と思うときがきたんです。 
 なくてはならないものではないからこその贅沢が、ひとり掛けイスにはあるんじゃないかと気づき始めたのです。
(ひとり掛けイスの存在 より)

眠りに向けての香り

重ねる時間-73

    昔から香りが好きです。
 部屋の中を自分の好きな香りにしたり、アロマを焚た いてリラックスする時間も、私にとってすごく大切な時間です。
 常に置いているディフューザーは、ずっと使っていたものがあったんですが、最近は香水でもお世話になっている『サンタ・マリア・ノヴェッラ』のものを使っています。このシリーズは5つの大陸を5つの香りで表現したルームフレグランスで、香るだけで世界を旅しているような気持ちになります。私が好きなのは「オセアニア」。グリーンティーやアカシアの香りがします。甘すぎる香りが苦手なので、爽やかな甘さのオセアニアはホッとします。
(眠りに向けての香り より)

本書を読めば、きっと自分のための贅沢時間をみつけるヒントになります。

                        写真:猪原悠(TRON)


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