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「最近の私、何か変化ありますか?」という質問とメタ認知

長文ファンの皆様おはようございます。

アスリートにとって客観視は大変重要な能力です。
人間は常に「何かを思い込んでいながらそれに気づいていない」生き物です。例えば少しの技術の狂ったり、自分の心が疲弊する時になるべく早い段階で気づいて対処した方がバランスも保たれますし、対処の負荷も小さいです。

ただ、それを自分から気づくのは簡単ではありません。普通はコーチが担っていたり、またはチームメイトとのやり取りの中で気づいていきます。
それでも難しいことも多くあり(そもそもコーチ選びの失敗を気づくことをコーチに委ねることはできません)ます。 では、選手はどうしていくかというと、質問を覚えていきます。

「今日の私、どんなふうに見えていますか」
「最近の私、何か変化がありますか」
「私が失敗する時のパターンでどんなものがありますか」

を他人に聞くことで自分の姿を都度確認していきます。

人に聞くことで、いろんなフィードバックがあり自分の姿が把握しやすくなります。
自分をずっと撮影しているカメラがあり、その映像自体は見ることができないものの、そのカメラに尋ねれば「この角度からはどのように見えるか」が言葉として返ってくるようなものです。
これをやる際にいちばんのハードルになるのが、プライドです。自分の過不足ない姿のフィードバックは辛いものでもあります。認めたくない自分を認めなければならないかもしれません。なにしろそうでありたい自分を相手が報告してくれるわけではないので。これが私もいちばん辛かったです。

けれども往々にして良いフィードバックとは痛いものです。
特にフィードバックが痛いのは「自分はこうであるべき、または、こうでなければならない」という思い込みが強いタイプです。そして、メタ認知を獲得すると劇的に生きやすくなるのもこのタイプです。
こうして痛い思いをしながら選手は自分を把握していきます。

自分を知ることは大変重要だと思います。
何より「自分が何をしているかを自分で知っている」は人生の根幹をなす技術ですが、意識しなければ獲得できないものでもあります。

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