挑戦の技術

どうすれば行動できますか。どうすれば挑戦できますかという質問がよくあります。私はこのように考える人は、前提に挑戦や行動を仰々しいものだと捉えている可能性があると思います。資格を取るとか、留学するとか、起業するとか、そのような物をイメージしてるのではないでしょうか。

私は一歩目にそのような対象を選ぶのは賢くないと思います。うまくいかなくて挫折する可能性が高い。行動や挑戦も技術ですから、それを自分に覚えさせる必要があります。めんどくさいなど理由は幾つかあると思いますが、日本に多いパターンはリスクの取り方がわからないことだと思います。

例えば道で誰かに話しかけるということはなんでもない人にはなんでもありませんが、そのような習慣を持たない人にとっては挑戦です。会議で発言するのも、質問するのも慣れない人にとっては挑戦です。発言する前に、心拍数が上がり、汗をかき、相手の反応に怯えながら一歩を踏み出すことになります。

リスクを取るというのは、予想ができない一歩を踏み出すということです。未知の世界、普段の延長線上にない世界に、踏み出すことが挑戦の技術です。要するに勇気の出し方です。誰もが逡巡する瞬間はありますが、えいやと前に踏み込むことです。慣れると今だというタイミングがわかるようになります。

年齢を重ねて、変わり続ける人と、変われなくなる人がいますが、違いは日常の崩し方、勇気の出し方だと思います。集団において、リスクを取らない人が一定量を越えると、沈黙と変えないロジックが横行します。沈黙は個人としてのリスク回避です。変えないロジックは組織としてのリスク回避です。

大事な点は、うまくいったかどうかで判断しないことです。リスクをとったかどうかで判断します。逡巡し、躊躇する中、一歩を踏み出したという事実にフォーカスしてその自分を褒めるのです。行動そのものが大事で結果は運です。挑戦に慣れるということはこれが体感でわかるということです。

·人によって心理的な負担は違います。人前で質問するということが、オリンピックで走るぐらいに緊張する人もいます。その場合、挑戦する人が出す勇気には違いがありません。挑戦に貴賤はなく、全ては主観的な世界です。挑戦を人と比べてはいけません。

一歩踏み出した帰り道、小さくガッツポーズしながら、お前なかなかやるじゃないかと自分を褒める。もし一歩踏み出せなくても、大丈夫次があると自分を励ます。挑戦は実は自分の心の中の話です。この帰り道での自分との対話によって、挑戦の技術は向上していきます。

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