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オンラインコーチングでできることできないこと

オンラインでのコーチングにトライしていて、気づきがいくつかある。オンラインのメリットは、好きな時間に好きなだけ動きや動きのポイントを見ることができるなど、ボールが指導を受ける側にある。また、安価に多くの人に広げることもできる。テクノロジーを介しているので分析がすぐできる。

デメリットは、入出力のパターン理解が難しいとところだ。人間の動きはそのようにしようと意図しそれに対応して身体が動く。さらにアフォーダンス的に外部環境に影響されたり、反復しチャンク化された連動動作なども影響する。平たく言えば、入力されたものが出力されるまでに個人差がかなりある。

動きに関しての指導の流れはこうだろう。
1、こうしてみようとコーチが言う
2、その言語を元にアスリートがイメージする
3、イメージを元に動こうと意図する
4、意図を受けて身体が動く
5、その動きを見て入力から出力までのパターンを予想し、1をやり直す。

言語を入力してから出力するまでに個人差が生まれるポイントがある。まず骨格が違う。言語からイメージするものが違う。意図して動きに反映される正確さが違う。人生での身体体験が違う。反復による連動が違う。また指導者との関係性によりどのような受け止め方をするかも違う。

この言語を入力してから動きとして出力された結果を見て、対象とするアスリートの内部にあるモデルを理解しようとする。この単語はこのイメージで捉え、過去の癖がこの動きをこう変換してしまい、身体イメージから動くタイプか、または外部環境につられて動くタイプか、などだ。

この入力から出力までの繰り返しによって、パターンが理解され指導の質は高まる。個別でパターンは違う。一方で、個別差のない普遍の部分に目を向けて指導を構築すると、それが理論を構築するということでもある。誰にでも通用する普遍的なものでなければ理論にはなり得ない。

現在のところオンラインコーチングが成立するかどうかは、普遍の理論を自分なりに語れるかどうかにかかっていると思った。言い切り口調がオンライン技術動画に多くなるのも自然淘汰の結果ではないか。個別差を重視する人間は相手を理解しやすい現場にこだわるので、オンラインではやりにくさを感じる。

普遍の理論はオンラインでいつでも見られる動画。個別差を埋める指導は現場かまたは少人数のインタラクティブなクラス。という風に分かれていくように思う。

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