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インサイダーとアウトサイダー

発言だけでは変わらないという意見は賛同しますが、まず発言にも種類があります。下にいくにつれリスクを負います。
1、匿名で自分と遠い世界について発言する
2、匿名で自分と近い世界について発言する
3、実名で自分と遠い世界について発言する
4、実名で自分と近い世界について発言する

実名で自分と近い世界について厳しく発言するということは、少なからず友人関係に影響を与え、お世話になった人に嫌われる可能性があり、ポストが失われたり将来が閉ざされたりします。このような発言をしている人を私は信用しますが、少なくともSNSではあまり見かけません。

発言では変わらないかは少なくとも実名で自分と近い世界について発言して試してみる必要があります。政府など大きなものに対しての発言はよくみられますが、自分の会社や上司についての発言はあまり見かけないのは、実は大きなものより近いものの方がリスクを負うからだと思います。

ただ、よほどの人を除き多くの人にできるのは匿名で近い世界について発言することになります。これは意味がないかというと意味があると思います。知らせるということは力です。メディアが権力と呼ばれる理由です。情報が行き渡れば判断を変え行動を変える可能性があります。無知は独善です。

何かを変えるには、行動する人、知らせる人は違う必要があると思います。行動する人はインサイダーでなければなりません。ところがインサイダーの発言はインサイダー情報に触れているために、どうしても発言に躊躇と制限ができます。インサイダーには政治も必要です。アウトサイダーは特別な情報を扱わないために好きに言えます。

問題はアウトサイダーになり一定期間すぎると、インサイダーへの道が閉ざされがちだということです。業界全てがインサイダーだけになると情報が内に閉じて外部に出てこなくなり、閉塞感が生まれ硬直化し停滞します。インサイダーとアウトサイダーのバランスが重要だと思っています。

私の学んだ社会変革のプロセスは
1、アウトサイダーが問題を周知させる
2、情報を知り、仲間が集まる
3、どこが問題の要点で、だれがそれを変えられるかが議論によって絞り込まれる
4、インサイダーが働きかけ、問題の中心を変える。
です。アウトサイダーの役割は1,2で、インサイダーは3,4です。

アウトサイダーに必要な条件は、
1、違う世界での食い扶持があること
2、その業界への執着を捨てること
です。その業界で食っていればどうしても躊躇が出ますし、その業界に執着すれば嫌われることが難しい。特に2は辛いことが多いですが、愛情はあっても執着してはなりません。

違う役割の人間が同じ志を持てると社会は変わります。そのためには、それぞれの役割や立場は違い、相手の役割の特性を理解しながら同じ未来をみることが大事だと思います。問題は人ではありません。問題は構造であり、停滞感です。変えることへの諦めこそ粉砕しなければなりません。

アウトサイダーの主戦場は世間と認識です。インサイダーの主戦場は組織と構造です。またアウトサイダーは、その業界出身でなくても構わないと思います。

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