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林業をしてる女子とメディア露出

私は地方出身ですが、大学進学時に上京しました。
その後、民間会社に数年務め、林業大学校での研修を経て、Uターンという形で林業に就業しました。
自分で言うのは難ですが、女子+Uターン+林業(+脱サラ?)というのは絵面が強いのか何なのか、数年で色々なメディア露出を果たしました。(ほぼ地方の媒体ですが…)
その経験を少しまとめてみると同時に、思ったことを書きたいと思います。

何に出たの?

まず、どんなメディアに取り上げられたかです。

【林業大学校時代】
・地方新聞の記事(林業大学校の入校式)
・林業業界誌の表紙

【就職後】
・地方新聞の記事(県内林業に若者が増えている)
・地方テレビ局(SDGs特集)
・市の広報(毎月ある若者へのインタビューページ)
・市の議会誌(写真のみ 若者の林業就職支援を行いたいらしい)

この間、わずか3年間です。
就職後の取材は数珠つなぎのような感じでした。
林業大学校の職員が新聞社に私を紹介したことがきっかけでまず新聞に載り、その後、他媒体から「新聞を見たのですが…」と職場事務所に連絡が来ました。

実際のところ…

最初の何本かは、取材対応も楽しかったです。記事になることで林業という産業を少しでも知ってもらえればと、積極的に話をしました。

ただ、取材対応というのは結構な時間を取られます。写真を撮ってインタビューに答えて…とやっていると小一時間はかかります。作業を中断して山から降りてくる必要もあります。
また、大抵の場合は、「どういう特集なのか」「どういう文脈での取材なのか」はこちらから聞かないと教えてもらえないし、紙面や番組の流れはある程度決まっていたりします。あちらの意図が分からないとこちらも答えにくいものです。入ってみて感じた業界の課題感を伝えてみても、「やりがいのある魅力的な仕事です」とざっくりまとめられてしまったり…。(テレビ取材の時はディレクターにかなり強く言って、危険な仕事であること、給与が高いわけではないことを取り上げてもらいました)
そんなこんなで、だんだん対応が面倒になってきました笑。

それに、職場には私より年下で頑張っている男の子がいます。林業で頑張る若者を取材したいのならば私でなくても良かろう、色んな人にスポットが当たった方が良かろうと、広報の取材は彼に対応してもらおうと進言しました。しかし、先方の要望で結局わたしが取材を受けました。

なんだかモヤモヤするなぁ

これだけ色々な媒体に出させていただいたこと、貴重な体験でしたし有難いことなのだと思います。それでも、何かスッキリしないものがあります。

例えば、私の友人に、ずっと地元で保育士を続けている子がいます。彼女は「ずっと地元で」、「女性が多い」保育士という仕事をしているので取材の対象にはなりません。それでも保育士という仕事の重要性や大変さは変わらないはずです。
一方、私は「Uターンで」、「女性が少ない」林業という仕事を選んだがために、『たまたま』目立ってしまっただけです。私のような選択をする人間は確かに少なくて珍しいでしょうが、少なくて珍しいという理由だけで選ばれたのでは、何だか見世物のような気がしてきます。

メディア側にも色々な事情があると思います。が、少なくとも私は、いくつかのメディア対応で消費されたような気持ちになりました。
おそらくですが、「あちらの意図を通すために利用された」、「こちらの想いが反映されていない」と感じたとき、消費された感が強いです。

以上、林業してる女子のメディア露出の裏側でした。自分の言葉は自分のものとして大切にしたいです!


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