「兵×hay×塀」〜異世界冒険譚〜#1
初めまして「言語化してみる夫」と申します。
2021年の元旦から何か始めてみようと思い立ち、考えた結果「note始めてみるべ!」となったのは良いものの、なんも出てこない……本当出でこない……「俺ってペラいなぁ。。」としみじみ感じつつそれならいっそ経験談でも書いてみるかという次第でございます。
浅はかですみません。
でわでわ時計の針を19○○/3/27にセットしてと………
ど〜〜〜ん!
〜そして伝説へ〜
【これから始まるんだ!!】
という希望より不安の方が圧倒的に大きかった。
そんな私の思いとは裏腹に、空は雲一つない快晴。
200メートル程ある満開の桜並木道を抜け
ようやく目的の建物が見えてきた。
3階建ての「えいないたいしゃ」と呼ばれる団地っぽい
建物の2回フロア部分が私達新隊員40名の生活空間に
なっており、その中の1番奥向かって左側の1室に案内された。
「ガチャ」
【うわぁ…】
初手の感想はこうだった。
そこには約12畳程の部屋に二段ベッドが5つ置かれていた。所謂「タコ部屋」と呼ばれるアレだ。そこには既に私と同じ新隊員と思われる人間数名がベッドの上に座っており、ドアの開く音に反応するかの様にこちらに視線を送ってきたかと思えばすぐに外すという通過儀礼を受けたのをよく憶えている。
「じゃあココね、○○君のベッドは。
それと、ココが○○君のロッカー……」
と一通りの私の身の回りの説明をされた後、ロッカー内にあるナニやら緑色の服を指差し
「取り敢えず全員揃うまでコレにコレ縫っといて」
【えっ!?マジ?】
それは私の無能っぷりをお披露目するには充分過ぎる破壊力を持った作業内容だった。それは…
『裁縫』
【イヤだー!嫌だー!】
【はい、もう帰りたいでーす。】
【リセットボタンは何処かな?】
そう……何を隠そう私は……不器用なのだ。
詳細はコチラ
1.ロッカー内に掛けられた緑色の服を用意する
2.ベッドの上に置かれた名札を緑色上着の左胸ポッケ少し上に縫い付ける
いやぁ〜なんて単純明快。
「こんなん誰でもできるやん?」
「楽勝楽勝♪」
同じ部屋にいる同期の心の声が聞こえてくる。
【ッスよね〜!】
【こんな作業内容でお金貰えるなんて最高かよ!】
みたいな表情と目配せをし、私は……
やり切った!!!それはもう血まみれになりながら。
肝心の成果は……
まぁ酷いもんですよ。えぇ。
同じ緑色の糸を使って目立たなくするセコい戦法で目立たなくはしてはいるものの近づけばすぐに粗が出る程度には酷い有り様ではあったが、やり切った。私はやり切ったんだ〜とそうなりゃ他の同期の出来が気になるのが人情ってもの。で、何気なく(余裕有り気に)覗いてみた。。
燃えたよ…。まっ白に…燃えつきた…。まっ白な灰に…。
さっきまでの自尊心と達成感を返してくれ!
穴があったら入りたい!
井の中の蛙…
そんな私のお気持ちなんぞお構いなしに
「うん?ミシンでも使った?」レベルの完成度を悪気のない(本当だから当然)顔してお披露目する同期達に勝手にメラメラと闘志を燃やす惨めな私がそこにはいたのであった。
「自分不器用ですから。。」
そんな18歳。春の事である。