神様ガチャ②
2007年
僕は過去の経験を活かして独立してイベント会社を立ち上げた。
もちろん最初からうまくいくとは思っていないし、過去の経験から行ける!と確信しての企業だった。
しかし、運営資金が回らない。
借りる選択肢もないわけではないが、すでに母によって信用を失っている。
その時思った。
貧乏人は商売なんてやってはいけないんだ。
裕福なやつは軍資金がある。同じような仕事をしている仲間も居るが、すでに環境は違う。
0から始めた俺に比べて、圧倒的に金の力で大きくなっていく。
知識や技術は持っているのに、軍資金の差で足元にも及ばない。
戦国時代の将軍たちもそうだ。大きな軍力は最初から持っているのとのちに集まったのではスピードも力も違う。
正直悔しかった。
何やるにしても母にやられた傷はいつまでも付き纏ってくる。
もうやりたいことは自由にできないのかもしれない。
考えれば考えるほど鬱になる。
仕方ないからがむしゃらに動くしかできなかった。
でもがむしゃらに動けた。体力はあったから頑張れた。
おかげで時間はかかったけど、仲間は出来た。本当に良い仲間たちだ。
気づけば、都内近郊ではちょっと名の知れた会社にまで成長出来たのだ。
努力は大事。でもやはり時間はかかった。悔しいけど人より人生はロスした。
でもここからだ。
ここから死ぬ気で頑張ってやる。そう誓って10年後…
母が死んだ…
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