見出し画像

「1分で話せ!」 ”Talk Your Will" #2 in Shiojiri』で澤賞を受賞するまで思考プロセス〜準備編〜

こんにちは、塩尻の三枝でございます。

10月8日(月)に長野県塩尻市で行われた「1分で話せ!」 ”Talk Your Will" #2 in Shiojiriにプレゼンターとして参加をしてきました。
そこでなんと「伝説のプレゼンター」と呼ばれる日本マイクロソフト株式会社の澤円さんから「澤賞」をいただいてしまいました。とても光栄なことで、嬉しくてたまらなかったのです。

そのイベントの中で「プレゼンはプレゼント」という言葉を澤さんが仰ってました。自分にできる「プレゼント」は何かと考えた時に、今回のプレゼンを作るにあたってのプロセスを公開することなのかなと思い立ち、ブログで発信するに至りました。

元々、人前でお話しする機会はしばしばあったのですが、澤賞をいただいた要因の中で「経験」や「キャラクター」を取っ払って、お伝えできることを記載していきたいと思います。

「1分で話せ!」 ”Talk Your Will" #2 in Shiojiri とは?

画像1

イベントの詳細はこちらを見ていただけると一発で分かります。

『1分で話せ』著者でありYahoo!アカデミア学長の伊藤羊一さんの想いから霞ヶ関で開催された第1回。プレゼンターとして参加した塩尻市役所の山田崇さんが「これを塩尻でやりたい!」と最後に叫んで実現したこのイベント。

画像2

簡単に言うと、プレゼンターは「どんな手段でもよいので」「自分の譲れない想いを1分でプレゼンせよ!」という、ピッチイベントです。

しかしながら、ただのピッチイベントと侮るなかれ。審査員が超豪華で、そんな審査員とオーディエンスの方から、一人ずつ自分のプレゼンに対するフィードバックをもらえるという「ただプレゼンするだけで終わらせない」設計になっており。
そして、審査員に響いたプレゼンターには賞が与えられるという、素晴らしいご褒美もあるのです。

正直、出場を迷っていた・・・

とても迷ってました。3日前の金曜日にやっと出場を決めたほどです。

画像3

というのも、テーマが決まらない。
「プレゼントは人を動かしてなんぼ」と伊藤さんの言葉にもありますが、自分の中で「人を動かしたいほどの譲れない想い」を持っていることって一体なんなんだろうという、自己対話から私の中でイベントはスタートしました。

・塩尻市のこと、移住のこと、ローカルのこと。
シビックイノベーション拠点「スナバ」のこと
・登山のこと
・結婚のこと
出張広島風お好み焼きのこと

テーマが定まらずぐるぐる迷って出場を逡巡していたのですが、3日前になって「バッターボックスがそこにあるのに立たないわけにはいかない!」という謎の美意識により、とりあえず出場を「決め」ました。

出場を決めた後に職場の同僚にも相談をしてみながら、決めたテーマは「出張広島風お好み焼きのこと」。自分が仕事ではなくやっている、広島風お好み焼きを出張で作るという謎のライフワーク(?)についてのプレゼン。

この時点で、ストーリーは全く決まっておらず。ここから、プレゼンに向けた迷走が始まります・・・

プレゼン3日前、壁打ち

ストーリーも定まらないとても不安な中、確信があったのは「人に見てもらわないと、自分は絶対にいいプレゼンはできない!」。そこで第1回に参加した山田崇さんに「壁打ちをしてほしい」と相談。
なんと即刻、公開壁打ちイベントが開催されました。

画像4

写真だけ見ると単に飲んでいるだけのようですが(笑)
参加者が色んなことを1分で話しながらフィードバックをするという場の中、私はというとイベントの前半はひたすら『1分で話せ』を読み込み、必死にストーリー作り。当時のメモはこんな感じです。

ー広島風のお好み焼きは、ヤバい!
ー2015年11月1日 一人で降り立った広島。
 親戚も、友人も、同僚もおらず、事務所は一人で、とても孤独。
ーそこで出会ったのが広島風お好み焼き屋。
 イメージしてください。
 鉄板とカウンターがあり、お母さんがいて、楽しそうに笑っている。
ーそこで、広島で初めて友達ができた。
 心安らげる、暖かくなる、空間が生まれた。
 →広島風のお好み焼きと、それが作る場を、広めたい。
ーなぜ、広島風お好み焼きなのか。
 ー人と人が繋がれる。
  →カウンターを挟んで、お母さんがいる。
   お母さんが一人一人に話しかけながら、隣の人とつないでいく。
 ー繋がった人同士で、笑顔が生まれる。
   お好み焼きは、時間がかかる。だから、繋がった人同士で会話が生まれる。自然と笑顔になっていく。
 ー何より、美味しい!!
   空腹と、笑顔は、最上のスパイス!!
ー広島風お好み焼きは、美味しく、人をつなぎ、笑顔を生み出す場を作る。
ー広島風のお好み焼きは、ヤバい!!
 ヤバい!!!!!!!!!!!!!
ーそのヤバさを伝えるために、広島風のお好み焼きを出張で作っています。
 その名も「ヤバいお好み焼き野郎」!
ーぜひ「ヤバいお好み野郎」をお呼びください!!

この時点では話すことはそこまで具体的にイメージせず、まずはストーリーの骨子を組み立ててみました。内容が内容だけにメチャクチャですが(笑)『1分で話せ』から割と意識したのは、以下のポイントです。

・「結局、動かしてなんぼ」「ゴールは何か?」
 ーぜひ「ヤバいお好み野郎」をお呼びください!
・左脳が理解する「根拠は3つ」
 ー人と人が繋がれる。
 ー繋がった人同士で、笑顔が生まれる。
 ー何より、美味しい!!
・右脳を刺激して「イメージを描いてもらう」
 ーそこで出会ったのが広島風お好み焼き屋。
  イメージしてください。
  鉄板とカウンターがあり、お母さんがいて、楽しそうに笑っている。

話した後は、全員からフィードバック。辛辣な意見もあれば的確な指摘もあれば、酔ったノリの意見もあれば様々でしたが、とにかく「超素直」に全ての意見をふんふんと頷いて聞いていました。
殴り書きのメモでわけわからないのもあると思いますが、ここからヒントを得て改善したものも多くありますので、メモしたものを一旦全て公開します。

・1分30秒:長い。
・最初の20秒:「最初、僕は友達がいなかった!」で伝わる。
・「ヤバい」に意味を持たせる。なぜ「ヤバい」のか。
 「僕を呼んでください!」の伏線を最初に。
 「ヤバい僕と、近づきたくなりますよ。」
・ヘラを持って、途中からやり始める。
・「12時間登って、1分のために戻って来ました」
 「八ヶ岳でもヘラ持って、焼いて来ました!!」
 「八ヶ岳に行くくらいなら、どこでも行きます」
・最初の「ヤバい」が、ためがあれば良いのでは。
・「熱量は良い」。
・キーワード「ヤバい」
・「鉄板」!
 「人と人が仲良くなる『鉄板です』!!」
・超一言、は何か。
・「誘ってください!」→「誘ったら起こることを、話す」
 →「あなたの広島風お好み焼きとは?」
・広島風お好み焼きがなぜかは「後で聞いてください!!」。
・「広島風お好み焼き」-「それが作る場」-「焼くプロセス」:要素分解して、A=aにしてみる。
 →「〇〇とは、××である」というワードに落とし込む。
・50秒で終わって、残りの10秒をインプロビゼーションでやってみるとか。
・赤い服を着ている人=あなたの心の中にも広島がいる、とか。
・三枝を呼ぶことで、何が起こるのか。
 Factで言うと「キャベツが減る」。「僕にないのは、キャベツです!」。
・最初のワード:「入らせる」「注目をさせる」
・最後のワード:「拍手を促すためのワード」
 「以上、〇〇でした。ありがとうございました!」

当事者だからこそ見えたこと

画像5

いただいたフィードバックもあったのですが、私自身がプレゼンターだったからこそ、他の人の1分トークで学ぶことがありました。

一番大きかったのは「自分がどんなスタンスでプレゼンをするのか?」ということ。
最初は自分自身のプレゼンのスキルアップとして『1分で話せ』の内容に沿ったプレゼンを作って、どこまでそれが伊藤さんに評価いただけるか、というスタンスでストーリーを作っていました。でも、途中から気づいたのは「これはビジネスではないんだ!」「ロジックよりも、聴いた人にハッピーになって帰ってもらいたい!」ということでした。

それに気づいてから、ゴールだけは変えずに、ストーリーを全て手放して再考を始めました。

続き、本番編はこちらから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?