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雅子との「夏ごはん」。

2019年6月8日土曜日。
映画「モデル 雅子 を追う旅」公開48日前。

雅子が他界してから4年半が経とうとしている。
旅立ったのは、凍てつく冬の夜明け前。
今は、夏を待つ蒸した昼。
季節の移り変わりと、年月の移り変わり。

雅子は「夏がいいね」と言っていた。
西瓜も夏野菜も好き。
アイスは「パルム」。
かき氷は「宇治金時」。

暑すぎて食欲が無くなる、なんてことは誰にでもある。
でも雅子は、病気になる前はそんなこと無かったように思う。
食の好みは、雅子と僕でだいぶ違っていた。
しかし食いしん坊なのは同じだ。
家にあるもので作る食事も、たまに出かけてお店で食べる立派な食事も、
暮らすほどに波長が合って、「イイ感じのご飯」になった。

何かしら肉系がないと満足できない僕なのだが、
雅子が野菜を中心に作ってくれた夏のご飯は、新しい発見だった。
凝ったものではない。
けれど、野菜そのものの味や食感がいい感じに出ていて、
食べごたえがあるのだ。

雅子は野菜のっけ盛りそうめんやラタトゥイユ、
僕はトウモロコシや枝豆の蒸し焼き、
そんなのを作って並べて、夏の週末にのんびり食べた。

替えることのできない、貴重な時間。
共に暮らしたからこそ知った、貴重な時間。

夏に一人、キッチンでなにか作っていると、
必ず思い出す、この時間のこと。
この時間は、これからの僕の人生を支える、
たくさんの要素のうちの一つだ。

映画「モデル 雅子 を追う旅」映画公式サイト

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