トレイル研究家とライダー

平野先生との出会いについて、ですね。

世界中で出会ったトップライダーと同じくらい影響を受けている方です。

その前に、自分のいた法政大学人間環境学部は地球上のあらゆる環境問題を文化、政策面から考える学部でして。

もともと高校の時にアル・ゴアさんの不都合な真実を見たり、好きなアーティストのU2のボノさんが環境に関する発言をしていたりしていたこともあって、環境問題には関心があって選んだ学部です。

その学部内での選択授業で大学3年生の時にとった「地域コモンズ論」という授業を担当していたのが筑波の森林総合研究所から講師で来ていた平野先生でした。

この「地域コモンズ論」は山林地域を様々な目的を持ったステイクホルダ―(林業、山菜取り、不動産、観光施設、アウトドアレクリエーション等)が共有するうえで、どのようなルールや共通認識を作って地域の持続可能な発展をはかっていきましょうか?というのを考える授業で、当時すでに相模湖でのアルバイトなどを通して、他の利用者と山を共有するマウンテンバイクが持続可能に発展していくにはいろいろな問題があるんだなあ…と考え出したところだったので「この授業最高に面白い!」とかじりついて話を聞いていました。参考文献をお借りしたり、居残って話をしたりさせてもらっていました。

その授業で、各自がテーマを考えて課題を提出する時にマウンテンバイクが山を利用する実態について書いたときに先生がマウンテンバイクに興味を持ってくれて、マウンテンバイクをテーマにした先生の論文の取材として相模湖に来てもらったり、そこでのりさんが紹介したほかの地域(王滝とトレイルカッター)への調査に同行させてもらったりしていました。

調査中にご飯を一緒に食べたときに、「就職するかカナダにチャレンジしてみようか悩んでるんですよねえ」と話をしたときに背中を押してくれたこともありましたし、フォレスター制度など日本の仕組みのなかでやりたいことができないだろうかと授業外で相談させてもらっていました。

そんな先生を見ていて、「調査として世界中のトレイルで話を聞きながらローカルたちとライドして友達を作って、その研究がこれからトレイルを作る地域の手助けになったら最高じゃないか!!それができればライダーと研究者の二足のワラジがはけるなあ」と考えついてから、それが自分のビジョンになっています。

カナダに行ってからも連絡を取ったり一時的に帰国した際はお会いしたり、その後ニュージーランドに僕がいたときに先生のクライストチャーチでの調査に同行させてもらったり(この件はまたニュージーランド編で書きます)、度々お世話になっています。

ここ数年の平野先生の森林スポーツ発展への活動はすごく刺激になりますし、研究も早くしたいなと思うところです。

自分が近い将来トレイル研究をするとして、ライダーとして世界中を回り、日本にもシーンの発展に貢献したい白馬というフィールドがある。客観的に考えてそんな人間がする研究は良いものになると思っているし、何より楽しい人生が送れると思っています。

今の状況を計算したわけではもちろんないですが、遠回りをしながらも平野先生に出会ってからずっと思い描いてきた理想の自分に少しずつ近づいている感じはします。

次は相模湖後のユリスパークでの出来事について書きます。

つづく


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