見出し画像

アブサン

緑の妖精はスイス生まれフランス育ち

スイスのヴァル・ド・トラヴァースで生まれた地酒であり、近隣の畑で採れたハーブの効能による滋養強壮、食欲増進を期待して作られた。
複数のハーブを蒸留で香り付けしたリキュール。(漬け込みも含むが、銘柄により方法が違う)

収穫されたハーブを選別し、乾燥させる。
マセレーション(浸漬)という工程によりアルコールに味をつける。蒸留する。すごーく省きまくって簡単に説明するとこんな流れ。その後、蒸留所によっては再度ハーブを漬け込みして美しい色とより深い味わいを加える。
もちろん、蒸留所毎のやり方や製法も様々。お酒にしては珍しくルールが少ないのがアブサンの特徴の一つでもある。

ハーブの種類
ニガヨモギ、アニス、フェンネルなどたくさんのハーブが使われているのだが、この3つはよく使われている。中でもニガヨモギ(西洋蓬、Warmwood)はアブサンをアブサンたらしめているハーブだ。
ジンというお酒に必ずジュニパーベリーが使われている事と似ている。その他に使用してはいけない物は無いので自由度が高いお酒と言える。その中で蒸留所の方々が厳選してアルコールと合わせ、丹精込めて仕上げたお酒にマジックが宿るわけだ。

と、製法について語りだすと無限列車になりそうなのだが、、アブサンを語るならばアーティストに愛されたお酒という側面は外せない部分だ。

🔼マリリンマンソンオリジナルのアブサン

ゴッホ、ロートレック、ヘミングウェイ、太宰治、マリリンマンソン、ディタフォンテイースなどジャンルを問わずクリエイティブな方々に愛されたお酒という歴史がある。ハーブ由来のお酒ならでは、独特の高揚感と奥深い味わいが気になるのだ。そう、簡単に掴めない味だから余計に気になる。
高揚感と、ワインの戦略によりレッテルを貼られた。つまり、成分が大麻に極めて近いとされ、100年ほど禁止されていた悲しい歴史もある。しかし、厳密な成分の違いが認定され解禁になった事もまたファン達を熱狂させた。
そのせいか、アブサンにまつわる絵画も幾つも生み出されている。

グラスにアブサンを注ぎ、アブサンスプーンを渡し角砂糖をめがけ
ファウンテンと呼ばれる給水機から一滴ずつ冷水を垂らす時間はグリーンアワーと呼ばれる(ただ待つ時間なのに愛着を込められてこう呼ばれる)。

不思議と人の好奇心に働きかけるお酒であり、大好きな人と嫌いな人がハッキリと分かれるお酒。もっと追い求めて行きたいものだ。

かなり端的に過ぎる書き方になったが、このドラマチックなお酒は魅力に溢れている。銘柄毎の飲み比べも楽しいし、カクテルに効かせる事で飲酒体験を文化的にする事が出来る。

緑の妖精が見えたらそろそろ帰らなきゃ🧚‍♂️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?