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伝わる文章を書くには、3つのことだけ守ればいい

私は新聞記者として12年間働いてきました。今年3月末までの在籍期間中、朝夕刊のトップ記事も含めて約3000本を書いてきました。

noteを書いていらっしゃる方の中には、どうすれば伝わる文章が書けるんだろうと悩んでいる方もいると思います。今回は、新聞記者が必ず押さえる「伝わる文章の3原則」をお伝えします。これさえ意識すれば、あなたの文章力は間違いなくアップします。

伝わる記事の3原則

3原則とは、以下の3つです。

1.  一文を短く
2.  一文は一意
3. 受け身は使わない

いずれもシンプルです。申し添えておくと、ここでいう文章力とは、小説や詩のような技巧を凝らした美しい文章ではありません。あくまで「読み手に伝えたいことが伝わる文章」と捉えてください。

「一文を短く」とは

今回は1の「一文を短く」について説明します。

伝わる文章の最大の肝は、一文はできるだけ短くすることです。一文を短くすれば、内容を簡潔に伝えられるからです。逆に言えば、長い一文は避けてください。長ければ、文章を分けるようにしましょう。

例えば今朝の私の朝食について書いてみます。まず一文をあえて長くして書いてみます。

長文)今朝の朝食はパンとにんじんスープとニラ玉で、そのパンにジャムとバターをつけて食べていたら、飼い猫のチロちゃんがやってきて、そのパンを欲しがるように舌なめずりしていた。

この文章を「一文を短く」の原則に当てはめて書き換えてみましょう。

短文)今朝の朝食はパンとにんじんスープとニラ玉だった。パンにはジャムとバターをつけた。食べていると飼い猫のチロちゃんがやってきた。チロはそのパンを欲しがるように舌なめずりしていた。

いかがでしょうか。例ということで、すこし極端かもしれませんが、あえて長文を4つの短文にしてみました。

ダラダラした文章は読まれない

長文でもこの場合、意味は伝わるかと思います。しかし、なんとなくダラダラしている文章ですよね。「エッセイ」と呼ばれるジャンルではこうした書き方をするのかもしれません。読みたいと思って買うエッセイでしたらいいのかもしれませんが、noteなど不特定多数の人に書く場合は、ダラダラした長文では最後まで読まれないでしょう。意味が分かりづらい緩慢な文章には付き合っている暇がないからです。

短文の例は、長文だった文が、4つの文の連なりになっています。いずれの文も極めて単純な文章です。一文一文それぞれの意味がはっきりしています。この文章が完璧だとは思いませんが、伝わる文かどうかでいえば、十分合格点を出せるでしょう。

「一文を短く」は会話でも使える

「一文は短くする」という原則は、文章だけでなく話し言葉でも活かすことができます。話がよくわからないという人を思い浮かべてみてください。そうした方には共通点があると思います。それは、一文が長いことです。ダラダラ話していて、結局何が言いたいかわからないという場合が多いのです。

逆に話が上手だと感じる人は、きっと一文一文が区切られていることが多いのではないでしょうか。私も取材で多くの政治家や経営者の話を聞いてきました。うまい方に共通するのは、一文一文がちゃんと終わっているということです。意味がわかる一文ずつを重ねることで、10分のスピーチでも聞き手を飽きさせることなく、関心を引きつけることができるのです。

まずはこの短文の原則を意識してください。あなたの文章力は必ずアップすることをお約束します。

それでは次回もお楽しみに!


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