②なぜNPO支援者の仕事について書く必要があると考えたのか?

こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。


「NPO支援者育成試論」

今回から本格的に内容に入っていきたいと思います。題して「NPO支援者育成試論」。この大げさなタイトルに見合う内容にできるかわかりませんが、独り立ちしてこうして仕事をし続けられるようになるまでに、悩み、もがき、考えてきたことがたくさんありますので、なるべく言語化して後に続く誰かの参考になればと思いますし、問題意識を共有できる皆さんとの議論の土台(とまで言うと大げさかとは思いますが)になったら良いなという思いも込めて書いていければと考えています。

今回はそもそも私がなぜNPO支援の仕事やキャリアについて書きたいと考えたのか?という話を書きたいと思います。一部は昨年書いた月次レビューの記事でも書いた内容ですが、月次レビューはそもそも読んでいない人が多いと思いますし、かなり走り書きだったので改めて。

背景としての課題意識

このようなテーマで私が書いていこうとしている背景には以下のような課題認識があるからです。

基本的な前提というか私の認識

NPO支援者が足りていない
(だから)NPO支援者を増やすために後進を育てたい
(さらに)NPO支援者を増やす方法や仕組みを考えたい

この連載においてNPO支援者というのが何を指しているのかは後で(おそらく次回に)書くとして、一旦私のようにNPOを支援することを仕事にしている人とざっくりと捉えておいてください。

そうした支援者の数が全然足りていない、と私は考えています。売上分析の記事で公開している通り、ありがたいことに私へご依頼いただく案件数は年々増えていて、売上も順調に伸びているのですが、昨年(2021年)あたりから物理的な限界を迎えています。新規のコンサルティングのご相談は最短でも数カ月先からでないとお受けできないような状況が続いているのですが、これは私だけの問題ではなくて、知り合いの複数の支援者さんが似たような状況にあるようです。需要に対して供給がまったく追いついていないということ。そもそも一人の支援者が同時に支援できる団体の数なんて(支援者としての力量や支援の仕方によって幅があるにしても)たかがしれています。

NPO支援者が育つための情報や仕組みが必要

だから私は、私がいくら支援者としての力量を上げることができたとしても私一人の社会的インパクトの大きさには限界があるので、私のNPO支援という仕事の成果を最大化することを考えるのであれば、私自身をロールモデルとして示していくこと(それによって後に続くNPO支援者が増えていくこと)が大切だと考えています。仕事として成り立つことやその仕事の魅力を伝えていくこと、そしてそのためには私自身が自分の成長の段階をしっかりと言語化、概念化して、再現性を持って後進を育てられるようになることが必要だろう、と。(これまでnoteで発信してきた内容はこうした文脈での取り組みです)(また、NPO支援者自身の社会的インパクトの最大化のために考えられる方向性は他にもありますしそれ自体も語れるテーマだと思いますが、話がそれるのでいったん置いておきます)

さらに、一人のNPO支援者が支援できるNPOの数に限界があるように、私一人が直接後進を育てられたとしても、その人が支援できる先のNPOの数も当然すぐに限界が来ます。なので、NPO支援者を育成する方法論を一般化することや、業界として・構造としてNPO支援者を育てていけるような仕組みを何らかの形で作っていく必要があるとも考えています。そのための組織づくりのチャレンジなりをすぐに動かせれば良いのですが、さまざまな事情(一部はこの連載の中でも触れていきたい)からすぐにそのチャレンジに動くだけの余裕もありませんし、そもそもその方法も明確には思い描けていません。なので、まずできることとして私が考えてきたことを言葉にしてみることから始めてみようかと考えたのがこの連載記事です。

以上、今回NPO支援の仕事やキャリアについて書いていこうと思った背景を簡単にまとめてみました。

次回は、私がこの連載の主題としようとしている「NPO支援者」とはどのようなものを指すか、ということについて書ければと思います。

お読みいただきありがとうございました。


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NPOコンサルや伴走支援者になりたかった数年前の私のような方に向けて仕事をする中で感じたことや考えたことを書いています。 支援者育成やNPO支援の仕組み化などに取り組んでいくために、もしいいなと思ってもらえたら、サポートしてもらえると嬉しいです。